2002年9月30日
北海道電力(株)
社長 南山 英雄 様
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長 笠井 正行
「泊発電所自主点検作業の適切性確保に関する総点検」についての申し入れ
東京電力の原子力発電所における点検・補修作業記録改ざん、虚偽報告問題が明らかになりました。具体的には、同社の原発において、1980年代から90年代にかけて行った自主点検作業のうち、シュラウドやジェットポンプなどのひび割れやその兆候等の発見、修理作業等について29件の不正な記載等ががあったというものです。
このうち事実隠し・記録改ざんなどの不適切な取扱いは16件あり、しかも、こうしたことが、長年にわたり組織的に行われてきました。これは、国民に対する背信行為であり許されるものではありません。
経済産業省原子力安全・保安院は電力9社他に「自主点検作業の適切性確保に関する総点検」を指示し、電力各社は9月20日までにその実施計画書を提出していますが、この間、さらに、中部電力、東北電力、日本原子力発電の、過去の原発の定期検査の際にも同様の事実があったことが明らかになっています。
他社に於ける不祥事とは云え、原子力発電所の安全性に対する道民の不安と不信を招き、信頼を大きく損なっています。連合北海道はこれまで、原子力発電に関わる過去の様々なトラブルを踏まえ、原子力発電の安全確保と情報公開に万全を期すことを貴社に求めてきたところであります。
貴社に於いても、「泊発電所自主点検作業に関わる総点検」を実施のことと思いますが、一連の不祥事を深刻に受け止め、この際、泊原発の安全管理体制の確立、道民の不安解消と信頼確立に向けて、以下について申し入れます。
記
1. 過去に実施された、泊発電所における自主点検作業に関する徹底調査を実施する こと。また、その結果については、速やかに道民に明らかにすること。
2. 自主点検作業に関する道民の信頼性を高め、不正を防止する方策として、「泊発 電所自主点検作業に関わる総点検」の実施結果を踏まえて、自主点検作業の適切性 のチェック・監督体制など組織機構・システム等を確立すること。自主点検作業に 関わる情報開示を積極的に行うこと。
以上