2005年度 道政に関する「要求と提言」
 
1.05年度予算編成の基本について
 
(1) 雇用の安定・安心を最優先した予算編成
 道の予算編成にあたっては、道民生活と雇用の安定・安心を最優先する。厳しい雇用情勢を改善するため、各部の予算にそれぞれ雇用創出事業枠を設け、財政再建の中にあっても景気回復を後押しする雇用に重点をおいた予算編成を基本方針とする。特に、IT、バイオ、環境、福祉、食、観光、住宅関連などの成長分野における雇用創出に向け施策を拡充する。
 
(2) 財政立て直しプランの見直しと生活弱者への対応
 
 @ 8月6日に最終決定した「財政立て直しプラン」は、医療・福祉・教育など道民生活の根幹に係わる部門においても、聖域なき削減・切り捨てとなっているが、補助金・負担金削減の対象となった当事者の生活に直接影響を及ぼす問題であり当事者等の要望をふまえて、プランの見直しや必要な支援措置を確立する。
 
 A 財政立て直しにあたっては従来型公共事業から、福祉や教育、環境など住民生活に密着し、雇用創出効果の高い公共投資への転換を進めるとともに、事業の必要性・優先度を地域住民と検証評価するシステムを確立する。
 
 
2.雇用・労働政策
 
(1)季節労働者の冬期雇用・通年雇用対策
 
@ 「季節労働者対策に関する取り組み方針」について、年次ごと事業ごとの通年雇用目標数の完全達成のために、支庁を含め全庁を挙げた推進体制の確立を図るとともに一層の施策具体化を進める。
 
A 季節労働者雇用対策協議会を通じた国の関係機関、市町村、業界団体等における主体的な役割と取り組みを明らかにし、官需のみならず民需を含めた事業平準化の促進を図り冬期間失業の解消に努める。
 
B 短期特例一時金受給資格が満たされないなど深刻な季節労働者の雇用不安定や通年雇用安定給付金制度の対象制限導入などを踏まえ、冬期雇用を保証する冬期雇用安定奨励金の継続活用、解雇時に翌春の再雇用を約束する雇用予約、短期特例一時金受給につながる雇用の確保など、道の立場から業界団体を指導し全道的な徹底を図る。
 
C 季節労働者問題の根本的な解決のために、冬期間失業の解消に向けた中・長期的なプランを策定し、将来展望を示しながら季節労働者対策の抜本改革を進める。
 
D 冬期間失業問題を解決しているといわれる北欧諸国等における冬期雇用安定施策や発注施策の改善について、調査研究のために行政や道内関係団体等による調査団派遣を行う。
 
E 建設業退職金共済制度(建退共)の公共工事における完全履行について、道内全市町村に対して、毎年現状調査を行い公表するとともに「北海道方式」など完全履行方式の普及啓発を積極的に行う。
 
F 季節・建設労働者の賃金および労働条件などを確保するために、「公共工事における賃金等確保条例(公契約条例)」の制定を急ぐ。
 
G 発注事業において、社会保険制度(健康保険、厚生年金、雇用保険)への完全加入について、元請だけでなく下請末端事業主まで指導の徹底を図る。
 
 
(2)地域における雇用創出・就業対策の拡充とセーフティ・ネット
 
@ 北海道雇用創出プラン見直し拡充
 危機的な本道の雇用・失業情勢を打開し、4%未満へ失業率を改善させるため、「北海道雇用創出プラン」(実施期間H14〜18年・H15見直し・拡充)を拡充し、雇用対策を強力に推進する。
 
A 緊急地域緊急雇用創出特別交付金事業の継続・拡充
 全国と格差のある本道の雇用情勢に鑑み、今年度で期限切れとなる国の緊急地域雇用創出特別交付金事業については延長し、地域実情に応じた対応を国に求める。
 
B 北海道雇用創出推進会議を実効あるものとするための提案 
 北海道の厳しい雇用情勢を打開するため、北海道雇用創出推進会議は、北海道、道地方労働局、道経済産業局の連携を強化し、各行政機関の各種制度・予算の総合的・効果的活用ができるしくみをつくり、ミスマッチ解消と失業者の早期再就職などを促進する職業相談・職業訓練・トライアル雇用・職業紹介を一貫して実施しうる体制を構築する。(新規)
 
C 産業構造転換への対応と起業化支援
 公共事業に依存した産業・就業構造の転換を図るため、農業の再生と第1次産業関連ビジネス、少子高齢化対策と福祉ビジネス、環境と景観保全対策など地域ニーズに応えるコミュニティ・ビジネス等の創出を通じた、雇用転換・雇用創出を強化する。そのため、NPOや地元中小企業事業者、新規開業者の開業・運転資金、人材育成、技術・商品開発など総合的な支援策を構築する。
 
D 建設業のソフトランディング(再掲)
 建設業に働く労働者の働く場の確保と雇用の安定に向け、雇用交付金を活用するとともに、担い手不足が深刻な農業・林業・漁業など一次産業分野と連携した雇用対策、新分野進出・経営多角化を支援し、産業構造転換のソフトランディングをはかる。
 
E 農林水産業と関連ビジネスの展開
a.農業への新規参入の促進に向けた施策の拡充(再掲)
b.地域の森林資源を活用するビジネスの創出や経営多角化に取り組む林業事業体を支援する「緑の雇用創出支援事業」の推進(再掲)
c.漁業就業情報の提供や受け入れ体制の整備、国際漁業離職者の就職相談・求人開拓(再掲)
 
F 若年労働者雇用対策
a.新規高校卒業者の就職促進のため高校教育課程における職業意識を育む教育や体験職業教育を導入・充実するとともに学卒未就職者に対する教育訓練給付金制度を創設する。また、若年者トライアル雇用事業(若年者安定雇用促進奨励金活用)を促進する。
b.学卒労働市場の厳しさを反映して増大する若年層無業者「ニート」・フリーター等に対する資格取得や労働・社会参加の喜びなど職業意識啓発を総合的に取り組む。
(参考)ニートNot in Education Empiloyment or Training」の略。学ぶ意欲もなく、働く意欲もなく、労働市場に参入してこない若者。
 
G 雇用継承奨励金創設
 不良債権処理等により解雇された労働者を引き継いで事業を行おうとする事業主に対する支援制度(仮称;雇用継承奨励金)を創設する。
 
H 障害者雇用の拡充
 障害者の特性に応じたきめ細かな対策を講じ法定雇用率を達成する。また、法定雇用率未達成企業に対する公表を前提とした指導を強化する。道は関係部局が連携して就労支援システムを確立するとともに支庁に障害者就職支援のためのジョブコーチを配置する。
 
I 高齢者雇用対策
  改正高齢者雇用安定法が6月に成立(06年度から13年度まで雇用年齢の段階的引き上げ)し、65歳までの雇用確保が努力義務から義務付けられた。a.65歳までの定年延長や希望者全員の再雇用など継続雇用制度が確保できるように指導・徹底する。b.2003年4月2日以降に60歳となる世代の年金支給年齢が62歳となるため、少なくとも62歳までの継続雇用制度の導入を促進する。c.「高齢者雇用継続給付」の改善、雇用する企業への助成を拡充する。
 
J 市町村における雇用創出喚起
 市町村における雇用創出をかんきするため、地域政策総合補助金については、雇用対策に積極的に活用する。
 
K 太平洋炭鉱閉山離職者支援
 太平洋炭鉱の閉山に伴う離職者の再就職支援する。
 <参考>閉山時の離職者1503名のうち、04年8月現在で求職未就職者は428名。
 
(3)労働関係法の拡充とその遵守
 
@ パート労働者及び有期契約労働者の均等待遇の確保を目的とした「パート・有期契約労働法」の制定を国に働きかける。
 
A ILO第175号条約(パートタイム労働に関する条約)の批准を国に働きかける。
 
B 労働基準法遵守の周知と啓発を強化するとともに「労働時間適正把握基準」(2001.4)、「賃金不払い残業解消指針」を徹底して不払い残業の一掃をはかる施策(相談受付・臨検など)を強化継続する。
 
C パート労働者や派遣労働者などの労働条件は契約に基づき確立するため、労働者と使用者の権利義務関係を規定する労働契約法制定を国に求める。 
 
D 典型・非典型従業員、派遣労働、業務請負など多様な雇用・就労形態が混在する現場における安全衛生管理体制の確立に向けた抜本的な法改正を国に求める。
 
E 公正労働基準を守る公契約基本条例の創設
  改正された地方自治法施行令(2002年3月)により、すべての請負に関わる入札・契約において、公正労働基準にもとづく「最低制限価格制度」「低入札価格調査制度」を設ける。また、「総合評価方式」を活用し、環境、人権、男女平等参画、障害者雇用、生活賃金などの実現に向けて、「公契約基本条例」を制定する。また、庁内に設置された検討会議の内容を明らかにするとともに実現に向け検討を促進する。
(参考) 昨年、知事はこの件に関し、研究すると答え、道庁内に「請負・委託事業等の労働条件の確保に係わる庁内連絡会議」が設置された。(04.9)
 
F ILO94号条約(公契約における労働条項)の批准を国に働きかける。
 
G ILO勧告に沿った公務員制度改革を実現する。
a.ILO勧告を踏まえた公務員の労働基本権の保障、公平・公正な人事処遇の構築に向けて、労働組合との協議を尽くすことを国に求める。
b.「キャリア制度」を廃止し、採用試験制度は高校卒業程度、大学卒業程度の試験にあらためる。また、「タテ割り行政」を改め、各府省間の人事交流、配置転換、出向措置に関わるルールを定めることを国に求める。
 
H 男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の改正
a.雇用の分野における男女の均等な機会と待遇を確保するため男女雇用機会均等法を「男女平等法」に改正することを国に求める。
 
 ●「男女平等法」に改正の連合要求の内容
・雇用における男女双方に対する差別禁止、
・間接差別を禁止する
・セクシュアル・ハラスメントの事業主への義務付け、
・事業主へ積極的行動義務付けなど
・実効確保おため行政から独立した雇用平等委員会を設け、差別認定や救済命令を出
 すことができることとする。
・母性を雇用上の差別の理由としてはならないとの禁止規定
・男女雇用機会均等法の第22条・第23条の母性健康管理事項と同じ規定を盛り込
 む。
 
b.労働基準法を改正し、第3条の均等待遇に「性による差別禁止」を追加する。また、産前休暇の延長など母性保護について強化する。さらに産前産後休暇など労働基準法上の母性保護規定の申し出及び権利行使による不利益取り扱いの禁止を条文化することを国に求める。
c.男女平等の推進のため、関係するILO条約の批准することを国に求める。(第111号:差別待遇禁止・第171号条約:夜業・第183号条約:母性保護など)
d.男女が仕事と家庭を両立できる環境を整備するため、育児・介護休業法を改正し「仕事と家庭の両立支援法」とすることを国に求める。
 
 ●「育児・介護休業法」を改正し「仕事と家庭の両立支援法」とする連合要求の内容
・育児・介護休業制度の分割取得など利用しやすい制度。
・子ども看護休暇、家族介護休暇は請求権。
・現行で事業主の選択制度の一つとなっている「短時間勤務制度」を事業主に義務づ け。育児については中学校就学前まで義務づけ。
・介護休業中の社会保険料の本人負担分免除。
・深夜業を免除される子の対象年齢拡大(小学校就学の始期から中学校就学始期)。
・育児・介護を行う者が請求したとき、休日労働・変形労働免除する措置。
・育児・介護を行う労働者の時間外免除を事業主に義務づけ。育児については中学校 就学前の子を養育する労働者を対象とする。
・新たに男性の育児休業取得推進を設ける。
・育児・介護休業中の所得保障を60%へ引き上げ。
 
(4)失業者への生活・福祉等支援
 
@ 失業者への生活支援を強化するとともに、支庁や市町村に職業・生活相談窓口を設置する。
 
A 雇用保険制度の枠外となっている新卒者、自営業者などの職業教育・訓練、就職活動の支援を拡充する。
 
B 離職者・失業者に対する医療・出産・教育などの生活資金貸付制度について周知・拡充・改善を図る。
 
3.勤労者福祉政策の充実
 
(1)パートタイム労働者福祉施策等の拡充
 パートタイム労働者退職金共済制度の加入促進をはじめ、パートタイム労働者の福祉対策の向上などの制度を拡充すること。
 
(2)中小企業退職金制度の普及支援
 中小企業退職金制度を広く普及するため拡充・加入を促進する。
 
(3)建設業退職金共済制度の履行
 建設業退職金共済制度(林業退職金共済制度)の公共工事における完全履行について、道内市町村に対し「北海道方式」等について啓発する。
 
(4)中小企業勤労者福祉の充実
 中小企業勤労者福祉サービスセンター の設置・運営については、自立と再生をはかるために、広域化を推進し、中退金・財形・福利共済・各種融資制度などに係わる諸施策を柱として、サービスセンターを中心にワンストップで対応できるサービスの提供をめざして取り組む。また、市町村における設置を推進する。
 
(5)生活協同組合事業と勤労者福祉
(労働金庫)
@ 学校教育における消費者教育の拡充
 中学校・高校の消費者教育の中に、多重債務問題に関する教育を取り入れること。具体的な内容としては、出資法や利息制限法の金利規制、多重債務に陥った場合の相談窓口、自己破産や個人再生手続、調停などの手続、保証行為の意味、借金の時効・相続などについての消費者教育を強化する。
 (理由 )
 若者の多重債務者は依然増加傾向にあります。中学校・高校における消費者教育も一定進んではいますが十分といえない状況です。「無駄遣いをしない、クレジットやローンを計画的に利用する」といった観念的な消費者教育ではなく、自分の権利を行使する手続や悪質業者を告発する手続など、被害にあっても自らの権利を主張し、権利を行使できる実践的な消費者教育のカリキュラム化が必要です。
 
A CSR ( 企業の社会的責任 )に係る自治体の啓蒙活動・支援体制の強化
  地域社会・道内企業の活性化と勤労者の生活支援を促進するために「CSR (企業の社会的責任) 」の啓蒙活動を強化するとともに、導入・推進する企業に対応する自治体の相談窓口をつくること。また、環境整備のための財政的な支援体制を構築すること。
 ( 理由 )
 現在、大手企業を中心にCSR (企業の社会的責任) の取り組みが展開されています。このCSRは、「企業や社会の持続的な成長を担保するためには、企業は単に経済的な価値のみを追求するのではなく、経済・社会・環境のそれぞれに配慮した経営を行う必要がある」との考え方であり、環境活動・メセナ活動・コンプライアンス活動等多岐に渡るものです。
  こうした企業活動には、地域社会の問題に目を向け企業として貢献することや、企業で働く従業員・勤労者の雇用の安定や職場環境の改善をはかるといった観点も包含されており、CSR活動の浸透・拡大により地域社会の活性化 (市民運動・NPO組織との連携等)、企業の活性化と勤労者の雇用安定(企業風土の改革、不祥事による企業倒産・失業の防止、雇用延長等)、企業における次世代育成支援対策 (北海道子ども未来づくり条例の実践)・介護支援対策等の促進にも繋がることから、道政の立場からの啓蒙や側面支援も必要と考えます。
 特に、道内においては、中小企業が多いことから、自治体によるCSRの導入や推進に向けたノウハウの提供や企業が取り組む際の環境整備のための財政的な支援も不可欠と考えます。啓蒙活動と併せて、CSRの導入や推進に係る相談窓口の体制づくり、基金等の利活用も想定した企業に対する助成制度や低利の融資制度の創設、また、CSR推進企業における従業員の福利厚生の充実や子育て・介護支援等を目的とする低利融資制度や利子補給制度の創設について要望いたします。
 
B 財形貯蓄制度に係る事務代行制度の拡充
 中小企業への財形貯蓄制度の普及のためには、中小企業勤労者が加入しやすく、転職しても継続しやすいシステムづくりが必要であり、そのために中小企業の労働組合や地区連合等の労働組合ローカルセンターでも事務の一部を「事務代行」できるよう取扱範囲を拡大すること。また、その場合は、当該事業主に財形制度の導入を義務づけることも必要となることから、特に中小企業をおおく抱える道政の立場からも、財形貯蓄制度導入・普及策の一環として事務代行制度の拡充について国に対し意見反映する。
( 理由 )
 現行制度において、中小企業では、事務処理に対する負担感があり、財形制度の導入・普及に結びついておりません。そのため「財形事務代行制度」として中小企業が財形に関する事務を代行団体(中小企業勤労者福祉サービスセンター、商工会議所等) に委託する制度がありますが、この制度自体は普及するまでには至っておりません。
 こうした現状の下、中小企業の勤労者に対しては、大企業に比べより一層の自助努力に向けた支援が重要であり、上記事務代行制度の拡充等によって、企業の負担を軽減し財形制度を導入しやすくする環境整備が必要と考えます。
 
C 財産形成貯蓄活用給付金・財産形成貯蓄活用助成金制度の見直し
 財産形成貯蓄活用給付金・財産形成活用助成金制度を利用し、当該給付金・助成金を受給する (支払う)際の要件となる特定事由への支出額(その額が一般財形貯蓄の払出し等の額を超えるときは、当該払出し等の額) の基準下限(50万円以上)を引き下げる等の要件緩和を行う。
( 理由 )
 財産形成貯蓄活用給付金は、勤労者が勤労者財産形成貯蓄 (一般財形貯蓄) を利用した計画的な財産形成を行い、生涯の節目となる特定事由のために払い出し、その資金に充てた場合に、一連の自助努力を支援する目的で事業主が勤労者に支払う給付金であり、財産形成貯蓄活用助成金は、財産形成貯蓄活用給付金を支払った事業主に対して、雇用・能力開発機構が支給する助成金です。現行制度では、当該給付金・助成金を受給する (支払う) 際の要件となる特定事由への支出額 (その額が一般財形貯蓄の払出し等の額を超えるときは、当該払出し等の額) の基準下限が50万円以上となっております。 (50万円以上100万円未満、100万円以上150万円未満、150万円以上の3段階に応じて活用給付金支払額は変動します)
 勤労者の実収入が減少を続ける中で、勤労者は生活防衛のための預貯金の取り崩しを行っており、貯蓄金額・残高も減少傾向にあります。「計画的な財産形成と一連の自助努力の支援」という本制度の主旨を生かしつつ制度の利活用を促進するためには、経済・社会情勢や勤労者の貯蓄動向を鑑み、支出額基準の下限引き下げ等の見直しを行うことも必要と考えます。
併せて、健康増進と医療費縮減の観点から、特定事由に医療費 (一次予防・二次予防関連費用) に関する項目を追加するよう要望いたします。
 
D ローン利子控除制度の創設
 目的別ローン <住宅・自動車・教育・医療・介護・育児等>を利用する際の税制上の優遇措置としてローン利子控除制度を導入する。
 (理由)
 長引く景気低迷により勤労者の可処分所得は減少を続け、さらに税・社会保険料・医療費等の負担も増すなかで、勤労世帯におけるローン返済の負担感は重くなってきており、特に雇用環境の厳しい北海道においては、より深刻さが増しているものと考えます。
また、こうした状況は、ローン利用による勤労者の生活安定・向上はもとより、耐久消費材の需要喚起による経済の活性化の観点からも様々に影響を及ぼすものと思われます。
今日の経済・社会情勢下において、勤労者が適切なるローンの利活用により生活を維持・向上させていくためにもローン利用に対する負担感の払拭は重要な課題であり、そのための一施策として住宅・自動車・教育・医療・介護・育児・勤務先の業績不振やリストラ等による収入減の補完等を使途とする「目的別ローン」利用時の税制上の優遇措置も検討すべきと考えます。現行の住宅取得時に適用される「住宅ローン控除制度」と同等の税制優遇措置をその他の目的別ローンに拡大させることによって、勤労者の生活安定・向上を図るとの観点から制度化を要請いたします。
 仮に各使途一律の適用が困難であれば下記事例等の対象に限定することも一考です。
 <参考事例>
○住宅関連 
・省エネルギー住宅、太陽光発電設備住宅の新築・購入・改良に係る費用
・ノーマライゼーションの理念に基づき高齢者・障害者に配慮したバリアフリー住宅等の新築・購入・改良工事に係る費用 (住宅金融公庫の基準を準用)
○自動車関連
・環境に優しい低公害車の普及・拡大をすすめる観点から、電気自動車・ハイブリットカーの購入・車検・修理に係る費用
・障害者等の免許取得に係る費用
○教育関連
・自己再開発費用(教育訓練・資格取得)も含めた教育資金全般
・企業(勤務先9の業績不振やリストラ等で家計状況が悪化した家庭の子弟に関わる教育 資金
 
(全労済北海道本部)
 
E 共済制度の改善
 労働者共済事業の強化をはかり、加入者の生活向上をはかるため、つぎのとおり税制度等を拡充する。
 
a. 生命共済、年金共済、火災共済などの共済掛金制度を堅持し、所得税法および地方税
法上の所得控除限度額を引き上げる。
b. 損害保険料控除とは別枠で、自然災害共済の共済掛金にかかる所得控除制度を新たに
創設する。
c. 長期共済を実施する生協では利子所得は源泉徴収されているが、これを生損保、JA共
 済連、JF共水連等と同様に、決算確定後の納税時に一括して納付することとする。(これまで期中に支払っていた税金を決算確定後に支払う)
d. 異常危険準備金について、火災共済等の損金算入限度を現行の100分の2.5から100
 分の3に引き上げること。洗替保証率を現行の100分の40から100分の50に引き上げる。
e. 租税特別措置法に定められている異常危険準備金の規定を、法人税法の本法に戻すこ
と。
f. 消費生活協同組合においても自動車損害賠償責任共済の代理店契約取扱いが可能となるよう「自動車損害賠償保障法」 を改正すること。あわせて「消費生活協同組合法」も共済代理店の設置が可能となるよう改正をし、組合員の利便性の向上をはかる。
 
F 中小企業勤労者福祉の充実
  中小企業勤労者福祉サービスセンター の設置・運営については、自立と再生をはかるために、広域化を推進し、中退金・財形・福利共済・各種融資制度などに係わる諸施策を柱として、サービスセンターを中心にワンストップで対応できるサービスの提供をめざして取り組む。(再掲)
 
G 介護サービスの充実
 
 介護保険法施行後5年を目途とした制度見直しにあたっては、公的介護保険サービスの担い手である生協・NPO・ボランティア団体等の市民・住民互助団体に対する支援・育成を強化する。
 
a.低所得者に対する利用者負担の減免措置事業者について、社会福祉法人以外の適用の拡大をはかる。
b.介護サービス事業者の介護人材確保等への援助措置の拡充などの積極的な支援を講じる。
c.生協・NPO法人が行う介護サービス事業については、社会福祉法人と同様、非課税とする。
 
H共同組合・NPO税制の改善、規制緩和
 
a.公益・非営利法人の改革にあたっては、以下の点に留意する。
 
ア)行政の介入や規制を極力排し民間の非営利活動を活性化する観点に立って、簡易に法人格を取得できるものとする。
イ)非営利法人の本来事業 (会費・寄付金等) は原則非課税とする。
ウ)公益法人に関する収益事業から生じた所得に対する軽減税率を継続適用する。
エ)見直しにあたっては、民間非営利の活動の担い手である団体をはじめ広範な市民の意見が十分反映されるよう、公開と参加を基本的手法とする。
b. 協同組合の非営利組織としての社会的役割・公共的な役割と経営基盤の確立の重要性に鑑み、協同組合税制を堅持する。
c. NPO法人の活動を社会的に支援するために、NPO法人については、原則非課税を堅持する。
d. 生協は地域コミュニティへの貢献や福祉事業への参画等様々な分野での役割の発揮が期待されていることに鑑み、生協の目的にも合致する活動や事業に関しては員外利用規制の緩和をはかる。
 
(住宅生活協)
 
I 住宅リフォームの促進
a. 介護保険の要介護(支援)認定をうけ、在宅で生活している方の住宅のバリアフリー化に向けた補助を拡充する。
b. 個人住宅の耐震補修を促進するため住宅耐震補修費の税額控除制度を創設することを国に意見反映する。
c. 住宅ローン利子控除制度の創設
 目的別ローン <住宅・自動車・教育・医療・介護・育児・>を利用する際の税制上の優遇措置としてローン利子控除制度を導入すること。(再掲)
 
(北海道勤労者信用基金協会)
 
J 「北海道勤労者福祉資金融資制度」については、@融資額を現行の100万円から200万円に引き上げ、A融資期間についても現行5年以内を10年以内に延長、但し、離職者用融資額と融資期間は現行100万円・5年以内に据え置くなど改善・拡充する。
 
 (改正目的)
@ 融資限度額が現行の100万円では、教育資金や耐久消費財購入資金としては、不足するケースがあり、複数融資申込みを余儀なくされ金融機関の高金利・保証料のプロパー融資に誘導され、結果として道制度融資の利用拡大が図れていないと推察されます。
A したがって、融資限度額ニーズに対応するため、200万円に引き上げを図るとともに、負債比率負担を考慮して融資期間についても10年以内とすべきです。
B なお、離職者用融資を除外したのは、過去実績からみて上記改正は現実的ではないとの判断によります。
 
 
4.経済・産業政策(地域の活性化)
 
(1)北海道農業の持続的発展
○WTO・FTA農業交渉について
@ WTO(世界貿易機関)における農業協定の見直しにあたっては、農業の多面的機能や食料安全保障の確保など各国の多様な農業の共存を可能とする貿易ルールを確立するため、輸出国に有利な現行協定の問題点を改善し、公平・公正なモダリティ(保護削減の基準)を確立する。また、基礎的食料については自国の生産資源を活用した生産体制を基本に、自給率の向上を目指すとともに「緑の政策」に基づく環境支払いなど国内農政改革を急ぐ。
 
A 特定の国・地域間で関税等撤廃等を行うFTA(自由貿易協定)については、本道の基幹農産物(コメ、麦など)など基礎的食料の自給率向上に配慮した適切な交渉を行い、また、中期・長期的な2国間協定を締結し、輸入国の分散をはかる。
 
○消費者重視の安全・安心の食料政策
@ 消費者ニーズの高い有機農産物、減農薬などクリーン農業を北海道農業のスタンダードとなるよう推進する。消費者から信頼されるクリーン農産物の表示制度の普及、産地拡大を一層推進するなど道産食品の「安全・安心フードシステム」を確立する。牛肉の履歴情報開示システム(トレーサビリティ)を他の品目にも拡大するとともにHACCP(食品の安全性を確保するため、これに関わる危害を確認し、防除する管理手法)の導入・普及をすすめる。
 
A 米国でBSE感染牛が確認され輸入禁止措置(03年12月)がとられ、現在、輸入再開に向けた日米協議が進められているが、消費者の信頼を最重視し、輸入再開にあたっては、わが国と同等の安全対策に基づくものとすることを国に求める。北海道においては全頭検査を継続する。
 
B 遺伝子組換作物による種子汚染や環境等への影響を防止するため、屋外での一般栽培を規制するガイドラインに基づいて対処する。研究・試験栽培については厳格な管理を行う。遺伝子組み換え食品の表示については、情報公開を進める立場から消費者が合理的に判断できる内容にする。
 
C 安全と安心の食料生産基地北海道を確立するため、「食の安全・安心条例(仮称)」を制定する。
 
○北海道農業と農村振興
@ 担い手を確保するため、農業後継者や新規就農者等に対する、教育・指導・支援システムなど担い手育成対策を拡充強化するとともに建設業などと連携した多様な参入をすすめる。
 
A 農業・農村再生プラン及び道農業・農村振興基本計画に基づく、道独自の直接支払政策の導入を検討する。環境や景観、国土保全と食料自給など農業・農村の多面的公益的機能に対する環境等直接支払政策や慣行農法から有機農法への転換に取り組む農業者に対する自然循環機能等直接支払政策を創設するよう国に求める。
 
B 「100万人のふるさと回帰支援センター」の北海道支部を設立し会員を拡大する。連合が中心となって取り組んだ「大都市生活者のふるさと暮らしに対する5万人ニーズ調査」結果を踏まえて、地方暮らしのための受け入れ体制を整備する。
 
C 道産米など農産物の域内自給(地産地消)を推進する。学校給食における消費拡大をさらに進めるとともに、心楽しく自然の恵みを味わう「スローフード」の食文化運動を進める。
 
D 「グリーン・ツーリズム」や「ファーム・イン」、「ファーム・レストラン」、「農業トラスト」などを推進し、アグリビジネス・経営多角化などへの支援による本道の1次産業を軸とした地域活性化を推進する。
 
○台風18号被害対策
@ 台風18号による農産物、農業施設等の被害にあった農業者の営農継続と生活安定に向けて、農業災害対策に係る円滑な融資や次年度に向けた営農支援に万全を期す。
 
 
(2)森林育成と道産材活用
○森林整備の推進
@ 森林整備を地球温暖化防止対策、環境保全機能を高める「緑の森のダム」公共事業として位置づけ取り組む。特に、地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策の第2ステップ(H17〜19)に向けて、森林整備推進のための財源確保に向け対策を講ずる。
 
A 森林整備のため、初回間伐の全額公費負担など間伐促進のための支援策、及び、森林バイオマス・エネルギーなど未利用間伐材の利用促進対策をすすめる。
 
B 台風18号により被災した森林の復旧事業を支援する。
 
○道産材の活用・「地材地消」促進 
@ 公営住宅、学校など公共建築物における木造使用を拡大し、住宅建設に北海道産材の優先使用を促すとともに「地材地消」を促進する。
 
A 本道の林業を活性化するため、道産材利用促進対策事業を拡充し、住宅への道産材の利用を促進する。
 
B 豊かな海を育む魚付け林などの植林、地域の林業から生じる間伐材を活用した魚礁設置など森林の保全・整備と連携した漁場づくり・資源回復事業を推進する。(再掲)
 
○「緑の雇用創出」と林業労働者の就業条件の改善・労働安全衛生
@ 「北海道森林整備担い手対策基金条例」(1993年4月施行)に基づき、森林労働者の育成、就業諸条件の改善を図る。また、04年度の新規事業である蜂被害対策促進費(刺され災害モデル事業)を拡充する。林業労働者の振動病軽快者の社会復帰を支援する。
 
A自然景観を活かした観光やアウトドア産業や地域の森林資源を活用するビジネスなどを創出するとともに経営多角化に取り組む林業事業体を支援する「緑の雇用創出支援事業」を推進する。
 
(3)水産業・漁村の振興(新規)
 
@ 「北海道水産業・漁村振興推進計画」(03年3月策定)に基づき、水産資源の適切な管理及び栽培漁業の推進、担い手育成などを支援し本道の水産業・漁村の振興を図る。
 
A 豊かな海を育む魚付け林などの植林、地域の林業から生じる間伐材を活用した魚礁設置など森林の保全・整備と連携した漁場づくり・資源回復事業を推進する。
 
(4)観光産業の振興
 
@ 国内外からの観光客誘致のための取り組みを強め、本道の観光産業の一層の振興をはかる。特に、本道の冷涼な気候、景観と恵まれた一次産業とおいしい食を活かした国際観光を推進する。そのため、地方空港も含めたCIQ(税関・出入国管理・検疫)体制を整備する。また、東アジア地域からの観光客増加を促進するビザ発給に係る要件緩和、新千歳空港への国際線増便などを国に求める。
 
A 観光地における道産の農産物や食材・食品の活用を促進し、地域の特色ある食材や産地表示などの工夫あるサービス提供による北海道観光の魅力を増進する。
 
B リピーター観光客のニーズに応える魅力ある観光地づくり、林業、農業、環境NPOなどと連携した体験型・滞在型観光ビジネスを推進し、団体旅行から個人旅行者まで多様なニーズに対応できるソフト・ハード両面から観光産業基盤を形成する。
 
(5)IT、バイオなど先端産業の育成
 
@ 大学や公設試験研究機関と企業の研究施設を隣接させ、研究開発から事業化まで一貫した取り組みを産学官の連携によって推進する「リサーチ&ビジネスパーク構想を推進する。
 
A IT、バイオ、環境、新エネルギーなどの先端産業は本道の産業活動の高度化にも大きな役割を果たし雇用の吸収力も期待されることから、戦略的なクラスターの形成や企業誘致を展開する。
 
B ITについては、新インフラである高速情報ネットワークを全道に広げるなど、「北海道ブロードバンド構想」を推進する。
 
C 北海道経済の自立のため、ロシア極東地域を含むアジアの安定と発展に貢献し、アジアの活力を北海道の新たな発展の原動力とするため、産学官一体となって経済交流を促進する。
 
D サハリン大陸棚石油・天然ガス開発プロジェクト(サハリン1、2)への参入を促進する。
 
(6)地場中小企業再生と地域経済活性化
※表題を修正
@ 中小企業は、本道の経済と雇用の主要な担い手であり、本道の中小企業の経営体質の強化や新事業の展開、経営基盤強化が経済活性化に結びつき、道内の雇用情勢の改善につながる。道は経済の血液である金融を司る地域金融機関と人材のネットワークである労働組合、大学、研究機関、産業界が参画した「産・官・学・金・労」ネットワークを整備し、技術を有する中小企業の受発注支援体制の確立と経営基盤強化に取り組む。
 
A 長期不況で低迷が続く経済下で、やる気と能力・技術を有する道内の地域企業・産業に対する経営革新、新事業展開、競争力育成など様々な経営課題に対応するとともに中小企業金融の円滑化に引き続き取り組む。
 
B 北海道発のベンチャービジネスを支援する融資制度を拡充するとともに道や道出資法人が発注する請負・売買などの契約について、道産資材の優先活用をはじめ地場中小企業に優先発注を拡大する。
 
 
 
5.エネルギー政策
 
(1)幌延深地層研究センターに関わる基本方針の堅持
 
@ 核燃サイクル開発機構と日本原子力研究所の統合に関わる確認
 核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所を統合し、2005年10月1日より独立行政法人日本原子力研究開発機構を設立するため準備が進められているが、その際、これまで核燃サイクル開発機構との間で確認してきた、協定、条例等が新組織に引き継がれることを法律上で明確となることを国に求める。また、核燃料サイクル機構幌延深地層研究所立地にあたって結ばれた、「幌延町における深地層の研究に関する協定書」、「北海道における特定放射性物質に関する条例」などの文書にある「核燃料サイクル開発機構」の個体名は、新たな組織に置き換える手続き、確認を行う。
 
A 幌延深地層研究における「核抜き」条例・「協定」の遵守
  核燃料サイクル開発機構が幌延深地層研究センターで進める調査研究事業にあたり、「本道に放射性廃棄物の持ち込みや、貯蔵・処分場は受け入れない」との基本方針に基づき制定した、「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」を今後も堅持する。また、それを確認するため設置した「協定履行状況を確認する機関」を機能化し、将来にわたって放射性廃棄物が持ち込まれることがないようにする。
 
B 電源三法交付金について
  核燃料サイクル開発機構幌延深地層研究センターが2003年7月に造成工事に着工したことに伴う、「電源立地促進交付金」「電源立地特別交付金」の支給対象となる自治体には、「協定」や「条例」の遵守を引き続き求める。
 
 
(修正・新規項目の考え方)
@03年12月道経済産業局の地元への「圧力」問題は連合北海道に公文書で謝罪。経済産業省も協定・条例の遵守を改めて表明したことからその項目削除。
A核燃料サイクル機構幌延深地層研究所立地にあたって結ばれた、1.「幌延町における深地層の研究に関する協定書」(北海道 幌延町 サイクル機構)、2.「深地層の研究の推進に関する条例」(幌延町)、3.「平成15年4月1日に設置した幌延深地層研究所の確認会議設置要綱」、4.「北海道における特定放射性物質に関する条例」(北海道)がある。 これらは、いずれも引き続き、遵守されなければならないのは当然である。中でも1,2,3の文書には、文言に「核燃料サイクル開発機構」の個体名が記載されており、新たな組織に置き換える手続き、確認が必要である。現在、検討されている法案の10条で、核燃料サイクル開発機法等の廃止がうたわれている。旧機構法の規定・手続き行為の効力を法律上確認する必要がある。
 
 
(2)原子力発電の安全・情報公開
 
@ 原子力発電所の安全対策は、国に対して原子力行政の推進と規制の分離を求めるとともに、国および電力会社に情報公開の徹底を求める。新たに、「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針(PWR)」に基づき実施する検査結果についても、情報公開の対象とするよう指導する。補強。
A 原子力発電は過渡的エネルギーであり、「脱原発」をめざし、代替エネルギーの開発・普及を進める。
 
(3)原子力防災訓練の充実
 
@ 防災訓練をより効果的で実践的な訓練とするため、例えばマニュアルに天候・風向きの変化など予期できない気象条件変化等を「ブラインド方式」に大幅に取り入れ、工夫と緊張感のある訓練とする。
 
A 防災訓練に於ける退避・避難訓練への地域住民の参加を抜本的に拡大する。そのため、学校、関係4ケ町村の公共施設における避難・退避等訓練を実施する。
 
B 避難場所・退避場所に関する情報提供・住民啓発を一層強化する。
 
C 原子力防災に関係する自治体職員、消防職員、警察、学校教職員、医療従事者等に対する研修体制を充実するとともに防護機材の配備を充実する。
 
D 北海道地域防災計画で定める、警戒本部設置、災害対策本部設置、屋内退避及び避難、防災従事者の放射線防護などの基準は災害対策を強化するため、先進県の数値に見直す。
E 防災無線の取り扱い等の不備が目立つことから保守・点検を強化する。
 
F 岩内町においては、防災訓練の周知・徹底が十分でないことからその徹底をはかる。
 
 
(4)CO2排出削減と省エネルギー・新エネルギー開発
 
@ 省エネルギーの促進とともに、水素エネルギー(燃料電池)や天然ガス、バイオマス、風力・太陽光・雪氷などの自然エネルギーの開発を積極的に促進する。
 
A 二酸化炭素排出を削減し地球温暖化防止問題に対応するため、「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」に基づく行動計画を見直し施策を拡充する。     
 
B 京都議定書で義務づけられている温室効果ガス「6%」削減に向けて、エネルギー起源CO2排出量削減対策として、省エネ・新エネを推進するとともに「電力等の燃料転換等」に係わる新たな対策、天然ガス導入・利用拡大をすすめる。
●考え方
 エネルギー起源のCOの削減目標は、90年度水準(287万トン)に設定しているが、99年度の排出量は313万トンと増加している。原因は、民生・運輸乗用車部門のエネルギー需要が大幅に増加していること、電力供給面では、燃料として安価な石炭が増加していることによる。新たな対策としては、電力等の燃料転化等の具体的措置として、助成措置、規制的措置、税制措置などについて国は検討すべきである。天然ガス導入をはかるためには、パイプラインのインフラ整備などの方策が必要である。
 
(5)「炭鉱技術移転5カ年計画」の円滑な推進
 「炭鉱技術移転5カ年計画」の円滑な推進を図るため、太平洋炭礦閉山後に設立された新会社(釧路コールマイン梶jの経営基盤の安定や炭鉱保安の確保、海外からの研修生受け入れ等に関わる事業はもとより、新たな事業展開などに道としても支援を行うとともに平成19年度以降の継続実施を検討する。また、釧路地域で進められているジメチルエーテルの実用化に向けた研究開発など雇用創出効果が期待され、地域要望等に対する必要な予算確保を図る。
 
 
6.生活・福祉等政策
 
(1)利用者本位を基本とした福祉制度の確立
 
@ 各市町村の「地域福祉計画」の策定が円滑に進められるように、助言・指導など、引き続き支援を強化する。
 
A 「地域福祉計画」の策定とともに個別法定計画(高齢・障害・児童・母子)の策定が当事者の参加も得て進展するように市町村を支援する。
 
B 施設での介護職員の入居者への虐待行為などが明らかになっており、利用者の苦情解決・権利擁護のために、全道各地で利用しやすく、実効ある権利擁護制度の確立を急ぐこと。また、国にも同様な制度が確立されるように求める。
 
C 制度改革による市町村の実態の情報収集と制度改革に対応した新たな実施体制について速やかに提示する。
 
D 市町村の福祉政策が進展するためには国が国庫負担金等の交付基準の改善や地方財源確保のための財源措置が不可欠であり、国への要望を強める。
 
(2)介護保険制度の充実
 
  介護保険方施行5年後(2005年)の制度見直しに向け、負担と給付の関係が「高齢者」に矮小化された介護保険を、あるべき社会保険制度に改革するために、以下の見直しを図る。
 
@ 医療保険加入者およびその被扶養者は、すべて介護保険の被保険者とする。なお、医療保険に加入していない生活保護受給者も国民健康保険に加入できるようにし、介護保険被保険者とする。被保険者および給付対象の範囲の障害者等への拡大にあたっては、障害者当事者の意向を十分に尊重する。また、給付体系の再編を行っても、各障害者に提供されるサービスが現行の施策・財政水準(支援費制度)から低下しないようにするとともに、十分な準備期間を設ける。
 
A 低所得者の負担軽減と利用促進のために国の責任で、十分な低所得者対策を行う。
 
B 第2号被保険者の保険料は、保険料率の法定上限を設けるとともに、第2号被保険者代表(医療保険者や労使代表)が、介護保険事業計画策定及びサービス給付量に関係する事業者の指定に関与し、保険料決定過程への関与度合いを強め、チェック機能を強める。
 
C 要介護の認定調査は、市町村からケアマネジメント事業所や施設に委託できるため、約7割が委託となっている。要介護認定を適切に運営するためには、ケアマネジメントの独立性・中立性を確保すべきである。そのために、要介護認定の新規申請に限り、申請代行の範囲を公的機関に限定することで、事業者によるニーズの掘り起こしと利用者の囲い込みという連鎖を防ぐ。
 
D 保険者(市町村)には、事業者の指定・取り消しへの関与や、事業所への立ち入り調査の権限を付与し、機能を強化すべきである。また、事業者の指定・取り消しの要件に、労働関係法規の遵守と社会保険の加入を追加すること。
 
E ケアマネジャーは、30万人が実務研修受験試験に合格しているが、実務に従事しているのは6.7万人程度であり、業務量に比して待遇が低いことが従事しない要因との指摘もある。質や社会的向上の観点から将来的に国家資格とする。
 
F 施設の居住費については、在宅と施設の負担の均衡をはかる観点から、光熱水費を支払う居宅利用者との公平性を保つために、原則としてすべての施設入居者から徴収する。ただし、自宅と同等の負担を求める以上は、徴収は、「個人・ユニットケア」に限定する。
 
G 遺族年金・障害者年金は特別徴収の対象となっていないが、特別徴収者と同様の保険料額算定・納付が行われ、納付方法に違いあるだけであり、特別徴収者の対象にする。
 
H 今後のサービス基盤整備に関して、新たなゴールドプランの策定の検討を求めるとともに、「北海道高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画」(平成15〜19年度)の中間総括と今後の課題を明らかにする。
 
I 過疎地や離島・山間等のサービス事業の参入が困難な地域について、事業者確保を支援するとともに、補助・助成の拡充など支援策を具体化する。
 
J 要介護者の約半分、施設入居者の約8割が痴呆状態にあることが明らかになった。痴呆症高齢者は、転院などで生活の場が変わることによる悪影響をうけやすく、サービス提供は、生活の継続性が維持できる日常生活圏を基本とする。また痴呆症高齢者へのケアは集団処遇は適さないことから、グループホームや「小規模・多機能サービス拠点」を中心にサービスを提供する。同時に、事業者・介護者への痴呆に関する研修を徹底させる施策を確立する。
 
K 介護保険施設・事業所の理事者に対して、労働関係法規の遵守、ホームヘルパーの社会的地位の確立と処遇の改善を求める。そのため、事業者に対し、厚生労働省労働基準局の「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」(平成16年8月27日基発第27001号)の周知徹底をはかる。
 
L 訪問介護員養成過程修了者はこれまで200万人に達するが、実働者は約26万人である。全国共通の教育・研修制度の創設、労働条件基準の設定で質の向上と労働条件の改善をはかる。ヘルパーの中心的水準を現在の2級ヘルパーから、介護福祉士へ引き上げる。そのための質的向上を国が積極的に行い、速やかな移行を促す。そして、将来的には、資格化する。
 
M 介護保険制度の持続可能性を高め、明るく活力ある超高齢社会を築くためには、制度全体を「予防重視型システム」へ転換するために、要介護状態になる前の段階から、要支援、要介護1程度までの高齢者に対して、効果的な介護予防サービスを提供されるように「総合的な介護予防システム」を確立する。
 
N 広域連合の導入による市町村の保険者機能の強化をはかる。
 
(3)障害者支援費制度における「自己選択・自己決定・地域生活支援」の検証と課題
 
@ 障害者が地域で自立して生活していくために自己の選択・決定により必要なサービス提供を受けれるように発足した支援費制度が発足して1年半が経過して、財源難等により障害者保健福祉施策の見直しや介護保険制度への統合論が厚生労働省から出されているが、単なる財政論ではなく支援費制度の内容とサービス提供を検証し、改善すべき課題を明らかにする。
 
A 「障害者の自立」の観点から、支援費制度の利用料を扶養義務者からも求める規定を見直し、利用料は本人の応能負担とする(支給決定の「勘案事項」から家族などの「利
 用者の環境」を除外する)ことを明確にする。
 
B 支援費制度の各サービスの報酬単位は、介護報酬など、その他の制度のサービスの報
酬単位(積雪・寒冷など地域性)との整合性、制度施行後の運営実態を踏まえて改訂する。
 
C 障害者サービスにおけるケアマネジメントは、厚生労働省の「障害者ケアガイドライン」をもとに予算を確保した上で支援費制度の中で位置づけるとともに、支援費制度の趣旨を生かすため、障害者ケアマネジメントのための人材養成と財源を確保する。
 
D 障害者の社会的差別や困難な状況(所得保障、就労、修学、移動や介助など)を認識し、ノーマライゼーション理念の実現、バリアフリーの促進、住民参加による「福祉のまちづくり」施策を促進する。
 
E 支援費制度は、一定期間をおいて、その間の利用実態を踏まえた上で全体的な見直しを行う。また、介護保険制度の統合にあたっては、障害者福祉サービスの低下にならないように、障害者当事者との合意形成をもとに進める。
 
 
(4)生活保護制度の改善
 
 生活保護制度は、ナショナルミニマム保障にふさわしく、各種扶助が選択出来るなど国民が安心して利用でき、すみやかに自立に繋がるよう抜本的な制度改善とする。
 
@ 「白紙委任的な包括同意書」などを内容とする通知(厚生省123号通知とその関連通知)は人権侵害であり、効力を停止させる。調査は、あくまで個別に実施すべきである。
 
A 厳しい財政状況の下で、2005年度の生活保護の制度改正に向け、「補足率」(生活保護基準以下の生活者のうちの保護受給者の割合)の調査を実施し、行政の公平性を確保するための情報提供として結果を公表する。
 
B 貧困の世代的再生産を防止するするため、特に、景気後退、倒産・リストラのなかで高校等の中退者が増大しており、教育扶助の範囲を拡大する。(高等学校及び同程度の専門学校)
 
(5)少子化への総合的な対応と子育て支援
 
@ 次世代育成支援法(2003年7月成立)は、次の世代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境をつくるため、国、地方公共団体、事業主、国民の責務を明らかにしたが、少子化が深刻な北海道においては、実効あるものとするため、以下の取り組みを推進する。
 
a.市町村における「地域行動計画」、事業主行動計画(一般事業主、特定事業主)の策定を促進するとともに道はそれを支援し必要な支援措置を講ずる。計画策定にあたっては労働者の代表も参加する協議会等を設置する。
b.企業において子育てと仕事が両立できる職場をつくることは企業の社会的責任であることを周知し、従業員300人以下の企業においても行動計画を策定するよう指導する。
 
A 「北海道子どもの未来づくりのための少子化対策推進条例」(04年10月制定)の基本的施策(子育て支援、保育の充実、雇用環境、母子保健医療、児童の健全育成と虐待防止、教育環境、生活環境、経済的負担軽減等の整備)に必要な関連予算を確保するとともに、市町村が身近なところで子育て力の向上を図り、各地域のニーズに応じた子育て支援事業を実施する取り組みなどに助成を行い全道の推進体制を構築する。また、条例に基づく実施計画は、男女平等、ジェンダーフリーの視点に立った実施計画とする。
 
B仕事と家庭の両立推進のための社会的環境の改善に向けた具体的事項
a.保育サービスを充実し、「待機児童ゼロ」に向けた取り組みを強化する。
b保育所と幼稚園の一元化については、施策の確立をはかる。
c.育児・介護休業制度の普及するため事業所等における子育て環境整備などの取り組みに対し、優遇・財政支援(入札面・税制面・助成金など)を行う。
d.保護者の保育料負担を軽減するため公費の投入割合を高める。
e.乳児保育、延長保育、病児保育、夜間保育、休日保育など多様なニーズに対応する保育体制を整備する。
f.障害児をすべての保育所で受け入れる。
g.過疎地における保育保障を確立するため支援する。
h.無認可保育施設については、児童福祉法の改正により届け出等が義務化されたが、保育の質の確保・向上のため実態把握を行い、利用する住民に対し適切な情報提供を行うとともに保育所の最低基準に近づくよう財政支援を行い保育環境を改善する。
i.地域における学童保育ニーズに対応する市町村の責任を明確にし、小学校区を単位に整備する。
j.男女共同参画を進める企業等の認証・登録制度の導入検討
 
C 子育てに対する社会的な支援強化
a.母子保健法に基づく妊娠期から産後の健康診査を全額公費負担とする。
b.「出産育児一時金」(分娩費・現行30万円)を引き上げる。
c.地域の小児科・産婦人科を確保し、安心して生み、育てる地域医療環境を整備する。(新)
 
D 保護者の育児不安、地域での孤立を解消するため、身近な場所で子育て支援・相談などを支える地域ネットワークづくり・ファミリーサポートセンターの設置を促進する
 
E 児童虐待防止に向けて予防対策を重視する地域の支援を確立する。
 
F 男女が仕事と家庭を両立できる環境を整備するため「育児・介護休業法」を改正し、「仕事と家庭の両立支援法」とすることを国に求める。(再掲)
    
 
(6)男女平等共同参画社会の推進
 
@ 雇用・採用における男女差別の解消、育児・介護における男女の「協働」などを推進するため制定された「男女平等参画条例」に基づく「北海道男女平等参画基本計画」(2002年3月)の趣旨に沿って、市町村における条例制定を推進するとともに企業・勤労者に対する周知徹底を強化し、その実効性を高める。また、審議会等政策決定過程への女性参画を推進し、国が目標と定めた30%を前倒し達成する。
 
A 配偶者暴力防止法の確実な履行とその施策を整備する。暴力被害に適切に対応できる相談員などの人材育成(研修会)とともに市町村の責務を明らかにする。また、「配偶者からの暴力」として身体的暴力の定義を精神的、性的暴力を含むものとして被害者の救済・保護にあたる。民間避難所(シェルター)との連携及び公的支援を強化する。
 
○法改正など国に求める課題
@ 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇を確保するため男女雇用機会均等法を「男女平等法」に改正することを国に求める。(再掲)
 
A 労働基準法を改正し、第3条の均等待遇に「性による差別禁止」を追加する。また、産前休暇の延長など母性保護について強化する。さらに産前産後休暇など労働基準法上の母性保護規定の申し出及び権利行使による不利益取り扱いの禁止を条文化することを国に求める。(再掲)
 
B 男女平等の推進のため、関係するILO条約の批准することを国に求める。(第111号:差別待遇禁止・第171号条約:夜業・第183号条約:母性保護など)(再掲)
 
C 男女が仕事と家庭を両立できる環境を整備するため、育児・介護休業法を改正し「仕事と家庭の両立支援法」とすることを国に求める。(再掲)
 
 
(7)地域医療の充実
 
@ 地域医療圏域ごとの医療サービスを確保するため、無医地区の解消と救急搬送体制(ドクターヘリの導入・消防防災ヘリの活用など)及び高度医療を要する緊急患者の移送体制の確立、過疎地の医師確保、遠隔地医療の充実、夜間・休日診療体制の確立、結核・感染病床の設置を図るとともに基盤整備の財政措置を講じる。
  特に、ドクターヘリについて、人間の生命に係わる課題として国庫補助要件の緩和と弾力的運用を強く要望し、実現させる。
 
A 平成15年度3月の「北海道保健医療福祉計画」の見直しに併せて、新たに設定した21の二次医療圏毎に定められた基準病床数は、道として地域実状を踏まえた数との見解が出されているが、現実の地域医療の確保の観点から問題点や補強すべき課題等について明らかにする。
 
B 都市部優先、そして地方にそぐわない現在の医師標準数を地域実情にあう基準に抜本的に改めるように国に強く求める。そして、医療過疎地域を抱える道内においては、地域の医療体制を充実させるために、地域医療(プライマリーケア)を担う医師の養成派遣制度(派遣年数、待遇改善等々)の確立、これを通じた医師確保に努力する。
 
C 札幌医科大学が透明性のある医師派遣システムを構築するために「医局講座制」の解消を教訓化し、北大医学部、旭川医大にも医局解消を同様に提言し、3大学が連携を強め、地域医療を担う医師の養成派遣制度を確立し、過疎地への医師派遣に責任をもてる体制を確立する。
 
D 呼吸器感染症「重傷急性呼吸器症候群(SARS)」などの新たな感染症対策として、第1種感染指定医療機関として1医療機関2床の指定を速やかに行う。また、すでに「重傷急性呼吸器症候群(SARS)」に対応するために確保した第2種感染症指定医療機関の6医療機関(26床)の患者発生時における緊急対応の充実、診療体制の整備等をはかる。
 
E 道立病院は、経営効率のみでなく地域医療に責任をもつ。2005年度から予定している道立寿都病院の町移管にあたっては、現行の医療水準・診療科目など地域医療が低下することのないように寿都町・南後志地域住民の諸要望実現のため全面的に支援し、将来にわたって南後志の地域医療に責任をもつこと。また道立釧路病院の市への機能移管にあたっては、道立病院で治療中の患者が適切な治療が行われるよう責任をもち、そのフォロー策を確立す。
 
G 地域の小児科・産婦人科を確保し、安心して生み、育てる地域医療環境を整備する。(再掲)
 
(8)地域づくり・街づくり
 
@ どこに居てもネットで世界と繋がる「北海道ブロードバンド構想」を推進するとともに、北海道においては2006年から地上波デジタル化が開始されるが難視聴問題がおきないようその解消に取り組む。
 
A 近年、中心市街地の空洞化が深刻になっているが、地域コミュニティーの顔である商店街の空洞化対策として制度化された「中心市街地活性化法」を、商店街対策に矮小化することなく、高齢社会を支える生活支援拠点、都市機能充実など立体的に捉えた総合的観点からまちづくりが推進されるよう活用する。
 
B NPOの育成・活動を支援するとともに、子育てや教育、介護・福祉、まちおこし・まちづくりなど、コミュニティビジネスへの参入を推進する。
 
C 都市計画における地方自治体の権限が拡大されたが、市町村の判断で自由に設定できる「特別用途地区」「特定用途制限地域」「準都市計画区域」等の制度により良好な都市環境の形成を計画的にすすめていくためには、ゾーニング手法が必要不可欠であり積極的に活用する。
 
D 「産炭地域振興臨時措置法」失効に伴う産炭地域対策
 「産炭地域振興臨時措置法」失効(2002.3)に伴う経過措置として、旧産炭法第6条適用市町村における普通交付税の産炭地補正、特定事業における国庫負担割合の引き上げなど、産炭地域財政の激変緩和措置に引き続き取り組む。
 
7.環境政策
 
(1)生活・産業廃棄物のリサイクル推進でクリーン北海道
 
@ 産業廃棄物、廃家電製品などの不法投棄対策を強化するとともに道民のゴミ排出削減など環境運動を推進する。
 
B 包装容器リサイクル法施行に基づく全品目別分別収集が全て自治体で行われるよう推進する。
 
B 産業廃棄物の排出削減により地球環境の保全を図るため、北海道廃棄物処理計画を推進とともに産業廃棄物の再生利用を促す技術・設備導入に対し支援する。
 
C 全国的に問題となっている硫酸ピッチ対策について、不正軽油密造段階での未然防止策の強化に努め、不正軽油の製造を禁止するなど抜本対策を講じるとともに道外から不法投棄対策を強化する。
 
8.道民の足の確保と交通・運輸政策
 
(1)地方バス路線
 
@ 高齢者や通学者など地域住民生活交通としての地方バス路線の確保するため予算を拡充する。
 
A ノンステップバスなど利便性・安全性の向上対策やバス優先運行施策など乗り合いバス利用促進を図る「バス利用促進等総合対策事業」予算については、国・地方自治体の補助を拡充する。
 
B 市町村合併に伴い複数の(旧)自治体間を運行する場合においても、「広域幹線路線」として、地方バス路線維持に関わる補助金の対象として取り扱う。
 
C 乗合バスの規制緩和以降の新規参入、また、廃止代替バス路線への参入における競争入札などバス事業者の競争が激化している。人命を扱うバス事業者には、安全が何より求められ、公正競争の前提として、特に、補助金を受ける事業者にはCRS(企業の社会的責任)、法令遵守を参入要件として審査する。また、事業者には労働基準法遵守、安全運行管理など法令遵守の指導を徹底する。
 
(2)高規格幹線道路網
 
 北国のライフラインとして欠かせない高規格幹線道路網の整備については、優先度をつけて進める。
 
(3)北海道新幹線
 
  北海道新幹線は、新青森・新函館の同時開業をめざす。
 
(4)新千歳空港国際化と道内空港のCIQ(税関・出入国管理・検疫)推進
 
新千歳空港は、北のゲートウエイ空港化を推進する。また、道内空港におけるCIQ(税関・出入国管理・検疫)を整備し海外交流との拡大に資する。
 
(5)鉄道輸送
 
 道内各地域における基幹的輸送機関としての鉄道経営を継続するために必要な「税制特例措置」(〜H18年まで暫定的に再延長)の恒久化、「経営安定基金運用益」の確保、青函トンネル施設の機能・安全性を維持するために必要な大規模な改修事業に伴う予算措置及び平成16年以降の新たな支援スキーム確立などについて、国をはじめとする関係機関に働きかける。
 
(6)運輸・物流
 
@ 地球温暖化対策・物流の効率化として、トラックから鉄道・内航海運へとモーダルシフトを推進するため、優遇措置など政策的誘導を検討すること。(再掲)
 
【注】モーダルシフト;1997年4月に閣議決定した物流施策大綱の中で重要な柱と位置付けられている。利用交通機関(modal)間の転移(shift)を意味する。排出ガスの抑制あるいは運転手不足のため、トラックから鉄道、あるいは船に輸送モードをかえること。端末はトラック輸送になるので共同一貫輸送。トラックとフェリー輸送や鉄道とトラックによる輸送。
 
A 交通事故防止・中心市街地の渋滞対策として、トラックの駐車スペース、荷捌き施設を確保するため、「建築物における駐車施設の付置等に係わる駐車条例」(仮称)を制定する。
 
B トラック・バスの自動車税の見直しにあたっては、景気動向に配慮し猶予期間を設けるとともに激変緩和措置を講じる。
 
(7)ハイヤー・タクシー
 
 ハイヤー・タクシーの規制緩和を進めるため、2002年2月1日から改正道路運送法が施行となり、その結果、道内では新規参入や増車による供給過剰が、ハイ・タク労働者の賃金等労働諸条件の悪化をもたらし、最低限の生活権を脅かしている。輸送の安全、優良ドライバー確保、良質なサービス提供を基本とした公正競争となるよう、需給調整を国に働きかけ、ハイタク労働者の労働諸条件を改善する。
 
 
9.教育政策(希望と心の豊かさを育む教育)
 
(1)「家庭と仕事の両立」(家庭教育の充実)を実現し、地域から子育て・子育ち支援システムを確立する。
 
@ 子育て支援センター設置
  児童館や学校の余裕教室等を活用して、高齢者など地域の多様な人材を登録し、世代越えた交流の場として保護者に対する子育て相談、子どもの心のケアや相談を行う。
 
A より良い保育・教育環境を確保するため、現在の保育所と幼稚園の一元化。(再掲)
 
B 学童保育を全小学校区単位に設置する。(再掲)
 
C 子どもの権利条約を地域社会に根付かせるため、条約の理念に基づく条例を制定する。また、学校現場に副読本を配置する。
 
(2)少人数学級と学校裁量権の拡大を推進し、子どもの学ぶ意欲を引き出す。
 
@ 義務教育国庫負担制度を堅持する。
 
A小中学校における30人以下学級の早期実現とともに学級編成基準は、現行の上限規制方式から「標準方式」に変更し20人程度の少人数学級とする。特に、小学校の低学年については、優先的に縮小をはかるため少人数学級モデル事業を拡大し、複数担任制を推進する。
 
B 教育行政の地方分権推進、学校裁量権を拡大する。
 
C 教材選定に関わる各学校の権限を拡大する。
 
D すべての子どもに基礎学力を身につけさせることを重視する。
 
E 小学校の高学年で「教科担任制」を拡大、中学校への円滑な移行を図る。
 
(3)子どもの「生きる力」と社会性を育み、男女平等の視点にたった学校・社会教育を推進し、18才までに社会人としての「自立した個人」を育成する。
 
@ 18才までに社会人として「自立した個人」を育成することを学校教育目標とする。
 
A 学校教育は「社会力の形成」(社会を創り、参加し、話し合って変えていく)を目標とする。
 
B 暗記と知識の量を重視した学力観から、基礎・基本と理解力・思考力・創造力・問題解決能力の質を重視した学力観に転換し、生きる力を育む教育を推進する。
 
C 人権意識を高める教育を進め、身体障害者、高齢者、外国人、アイヌの人々に対する差別・偏見を解消する。また、障害のある子どもの普通学級での教育を保障し共生・共学を推進する。
 
D 総合学習では、体験を通じて、子ども自身の興味や関心を高めることを重視する。(社会体験、労働体験、自然体験等を通じて、社会性や勤労観・職業観を育む)
 
E 中学校卒業までに「パソコン」の基本操作をはじめネット取引やセキュリテイに関わる基本知識を習得する。
 
F 国際化の進展の中で、英語その他の外国語教育を充実する。
 
G 入学式や卒業式で、国旗掲揚・国歌斉唱を強制することなく、子ども達の主体的な参画による各学校の特色ある式典を行うことを保障する。
 
(4)いじめをなくし、子どもの学ぶ権利を守る環境を整備する。
 
(5)国際化に対応した子どもの学習条件を整備するとともに、不登校対策等を充実する。
 
@ 留学生、外国人児童・生徒の受け入れ態勢、帰国児童・生徒の入学・編入等条件整備・拡充する。
 
A 不登校等の学習保障や居場所にもなっているフリースクールや通信制高校で、次の条件を満たす施設等に対しては、行政、教育専門家、市民等の代表者を入れた第三者機関が認定を行い、助成金による財政支援を行う。
・NPO法人で事業内容の透明性が確保されている。・継続的な活動実績がある。
 
B 定時制高校や通信制高校を学び直しのできる教育の場として積極的に位置づけ支援を強化する。
 
(6)地域と教職員で開かれた学校づくりを進める。
 
@ 学校協議会制度を公立・私立を問わずすべての小・中・高校に導入する。保護者、地域住民、教職員の代表による構成に改め、児童・生徒に関わる課題を審議する場合は、児童・生徒の代表が参加できるようにする。
 
A 学校運営に参加・協力・支援できる個人・団体等を対象に「学校協力員制度」(仮称)を導入する。
 
(7)学校運営に教職員が参加することを通じて、「参加と責任」を明確にし、教職員の意欲を高める。
 
(8)ものづくりなど実体験を通じて、勤労観・職業観を育み、キャリア教育を充実させる。
 
@ 子どもの成長段階に応じて、小学校・中学校・高校から高等教育機関まで系統的に勤労観・職業観を育む教育やキャリア教育を進める。また、ものづくりの楽しさを体験できる機会を提供する「工作教室」や「技能塾」などを職業訓練校で実施する。
 
(9)入試制度を改革し、「学習歴」を重視した多様性ある学びの場を構築する。
 
@ 入試制度は「ゆとり教育」や総合学習の導入等の新学習指導要領にふさわしい、理解力・思考力・創造性・問題解決能力等の学力の質を重視した入試内容にするとともに中学校時の学業評価、作文、面談等に重点をおいた抜本的な改革を行う。
 
A 内申書は簡素化するとともに客観性・納得性のある評価基準・指標を確立し教員の主観で評価が左右されないようにする。
 
(10)ゆとり・豊かさ、生活の質を重視した生涯学習を推進し、地域住民が集う、文化・スポーツの拠点を創る。
 
@ 学校を地域住民のコミュニティ拠点として活用し、子どもと大人の協働の場としての機能を持たせるとともに、今後、老朽化した学校施設の建設・整備を進めるにあたっては、環境を考慮した学校施設(エコスクール)への改築・整備、バリアフリー化など高齢者や障害者等を含めた地域住民との交流を意識した多機能化・複合化を進める。
 
A 学校校庭の芝生化や校庭は公園機能も併設したものに改変、学校農園や学校林を整備・復活させ総合学習等に活用する。
 
(11)教育委員会を改革し、特色ある地方教育行政づくりを進める。
 
@ 教育委員会のあり方を、地方分権推進の立場から生涯学習時代にふさわしい内容に見直す。
 
A 教育委員会と学校との関係を、指導から支援を重視したものに見直し学校の自主性・主体性を拡大する。
 
B 教育委員の任命にあたっては、保護者や地域住民の意向を反映した各団体による推薦制、公募制や地域住民による公選制など導入し、幅広い分野から高い見識と意欲をもった人材を選出する。
 
(12)台風18号被害対策
 台風18号による学校教育施設等の被害については、教育に支障が起きないよう復旧対策、設備整備を行う。
 
(13)私学助成
 
@ 教育を受ける機会の均等を保障するため、私立学校に対する経常費助成を拡充する。
 
A 授業料、入学金の直接助成及び奨学資金の改善、遠距離通学生への交通費を補助する。
 
B 私立高等学校生徒に対する奨学事業など直接的な援助事業を改善すること。
 
C 私立高等学校授業料軽減補助事業の充実・改善するとともに生活保護世帯の子どもに対する授業料免除措置を創設する。
 
D 私立高等学校における35人学級(将来的に30人)完全実施のための特別補助を行う。
 
E 専任教諭の配置率向上など標準的な教職員数を確保するための特別補助を行う。
 
F 私立学校の校舎改築を含む施設設備整備のための特別助成措置を行う。
 
G 私立幼稚園・私立専修学校教育の振興を図る助成を拡充する。
 
 
10.道政改革の推進
 
(1)地方分権の推進と財政確立
 
 地方分権・改革を「三位一体改革」で実現するために、以下の点について国に求める。
@ 三位一体改革として、自治体が行っている事務事業に比べて小さすぎる地方税の割合を税源移譲で高める。一方で、国庫補助負担金を縮小させ、それらに対応した地方交付税の財源保障を行う。
 
A 2004年度政府予算における地方財政計画は、地方交付税が前年度と比較して12%もの大幅減額となり、政府の「三位一体改革」の初年度は、国の歳出削減のためのみに利用され、道内の自治体は予算が組めない厳しい状況となった。2005年度は地域実情を直視して公平な改革を強く求める。
 
B 国が法令に基づく事業実施を自治体に義務づけ、自治体間の財政力格差が大きい現状においては、地方交付税の財源保障機能と財源調整機能を維持する。
 
C 地方財政の自己決定権の拡大をとおして地方分権の徹底をはかるためには、地方に国税から基幹税である所得税と消費税を確実に移譲・配分し、その上で補助金と地方交付税の改革を実施する。
 
D 国庫補助負担金の一般財源化が実現するまでは、すべての補助事業について統合補助金化を実施し、地方自治体が主体的に活用出来るようにする。
 
(2)分権自治と市町村合併・支庁制度改革・道州制の先行実施
 
@ 政府は、市町村合併を継続・推進していくために、現行法を改正して新市町村合併特例法を成立させ、2005年4月1日から施行する。この新法は、都道府県や知事に合併推進のための権限を与え、強権的に合併を強制することが可能である。道は市町村の自主性を損なう合併に反対し、住民合意を基本に対応する。合併を選択しない小規模町村に対しては、広域行政の観点から支援策を検討し、多様な地方自治制度を提起する。
 
A 地方分権を一層進め道州制による地域政府を築ずくために、ア.国と地方の役割分担を明確にし、権限・財源移譲を進め、先行的な道州制の実現、イ.市町村合併や広域連合など多様性と自治を重視した基礎自治体の強化、ウ. そうした市町村を支援する機能を強化した本庁及び支庁制度改革を「三位一体」改革として、北海道の自治のかたちを確立する。
 
B 政府の「道州制特区」への対応方針と道州制の先行実施に向けた道の基本方針について明らかにする。
 
C 道州制の先行実施の基本方針のなかで、道から市町村への権限移譲の検討内容について明らかにする。
 
D 本格的な地方分権の推進のためには、道の補助金・負担金については、市町村の裁量を拡大し、地方の自主性を生かしていくために「総合補助金(交付金)」に改める。
 
(3)清新の道政実現に向けて
 
@ 公共事業などに関わる、議員、幹部職員等の「口利き」行為が発生しないように制度改革、意識改革、情報公開を徹底する。
 
A 道警の裏金問題の究明問題で明らかなように、道職員が道政の不正に対して積極的に内部告発出来るルール確立するため、職員倫理規則よりより強い権限をもち、内部告発した職員の保護を基本とする「内部告発者保護条例」(仮称)を制定する。
(参考)民主党・道民連合は「北海道行政公益通報条例」(仮称)として検討中。
 
B 関与団体については、ゼロベースから抜本的に見直しする。また、受注企業などへの道幹部職員の「天下り」は、原則として禁止する。
 
C 住民基本台帳ネットワークシステムは、道はもちろんのこと、国や市町村に対しては、少なくてもOECD8原則を踏まえ、自己情報コントロール権を明確にした個人情報保護をするよう改定を求めるとともに、その主旨に立った条例を制定する。
 
D 住民の知る権利や参加する権利、行政や議会の情報公開や説明責任、常設の住民投票制度の規定を規定する「北海道自治基本条例」を制定する。
 
E 道政の戦略的な政策課題を検討する「プロジェクト・チーム」を設置する際、構成員の一定数を庁内公募することにより、職員の意識の面から縦割り行政を改善するとともに庁内組織の活性化をはかり、政策検討をより充実化をする。
 
(4)道財政の立て直しプランについて
 
@ 道が8月6日に最終決定した「財政立て直しプラン」は、道財政危機の原因が景気対策に地方財政を動員した国、それに追随し自らの財政改革や政策見直しを先延ばしにしてきた道の責任は重大であるという総括が不十分である。同プランは医療・福祉・教育など道民生活の根幹に係わる部門を中心に聖域なしに削減・切り捨ての内容となっているが、厳しい財政の中で何を優先し、何を我慢するのか、道民と市町村との協働で作り上げられるべきであり、よって、指摘した観点をふまえて抜本的に見直し、道民の合意形成がはかれるプランとする。
 
A 「財政立て直しプラン」は、医療・福祉・教育など道民生活の根幹に係わる部門においても、聖域なき削減・切り捨てとなっているが、補助金・負担金削減の対象となった当事者の生活に直接影響を及ぼす問題であり当事者等の要望をふまえて、プランの見直しや必要な支援措置を確立する。(再掲)
 
B 三位一体改革の2年次をむかえ、全国知事会は義務教育費国庫負担金の一部を国庫補助負担金から廃止することを求めているが、憲法26条に定められている「教育の機会均等」が地方の財政力によって保障できなくなるおそれがあることから、現行の義務教育費国庫負担制度はこれを堅持するよう国に求める。
 
C 財政立て直しにあたっては従来型公共事業から、福祉や教育、環境など住民生活に密着し、雇用創出効果の高い公共投資への転換を進めるとともに、事業の必要性・優先度を地域住民と検証評価するシステムを確立する。
 
 
11.対外政策・平和・危機管理等
 
(1)北朝鮮問題
 
 北朝鮮の核開発疑惑問題、日本人拉致問題の早期解決と国交正常化に向けた取り組みを推進する。
 
(2)日ロ平和条約・北方領土早期返還
 
 日ロ平和条約の早期締結、北方四島の早期返還の実現を図る。
 
(3)非核・平和社会の実現
 
 道民の平和教育、独自の平和自治体外交など、非核・平和政策を総合的に進める。
 
(4)米海兵隊の矢臼別演習場移転訓練問題
 
@ 米海兵隊の矢臼別演習場での移転訓練については、「規模縮小や夜間訓練中止」「日米地位協定の見直し」等の地元意向を在日米軍、国に求め、改善が行われなければ受け入れを拒否する。
 
A 現在、米軍基地再配置の検討に関わり、小泉首相は在沖縄米軍の「国外移転、本土移転」も含めた考えを表明している。また、日米の外交・防衛当局の非公式協議で、矢臼別に米海兵隊の砲兵部隊を移転させる構想について新聞報道もなされているが、北海道として、米軍基地は受け入れないことを明確にする。
 
(5)核兵器搭載艦・航空機への対応
 
 核兵器を搭載した軍艦・航空機の港湾、空港の使用を認めない条例を制定する。
 
(6)イラクへ派遣した自衛隊の撤退
 
 自衛隊は、イラク復興支援特措法が求めている前提条件(非戦闘地域)を無視し、また、従来「国連軍・多国籍軍の目的・任務が武力行使を伴うものであれば、これに自衛隊が参加することは憲法上許されない」としてきた政府見解を覆して派遣された。安全保障政策のなし崩し的大転換であり、自衛隊派遣の中止、撤退を国に求める。
 
(7)国民保護法への対応
 
 武力攻撃事態対処法に関わる国民保護法を中心とする有事関連7法案が成立し、それに伴い緊急事態における情報伝達や住民避難、救援等に関して、国の基本指針のもとで道・市町村には基本計画の策定が義務付けられる。
 国民保護法に基づく対処計画策定にあたっては、指定公共機関に関わる労働者の安全確保に十分な対応を求める。また、武力攻撃事態対処法の付帯決議にある日本赤十字社の自主性、公平性、中立性の確保、放送事業者の表現・言論の自由はもとより、基本的人権の尊重など憲法で保障された国民の権利を侵すことのないよう、地方公共団体としても対応する。そして、何より平和な世界を実現するため、近隣諸国との友好と親善の取り組みなど紛争の未然防止に向けた自治体外交に努める。
 
(8)台風18号対策
 
@ 台風18号による学校教育施設等の被害については、教育に支障が起きないよう復旧対策、設備整備を行う。(再掲)
 
A 台風18号により被災した森林の復旧事業を支援する。(再掲)
 
B 台風18号による農産物、農業施設等の被害にあった農業者の営農継続と生活安定に向けて、農業災害対策に係る円滑な融資や次年度に向けた営農支援に万全を期す。(再掲)
 
C 被害の大きい被災住民の生活・教育・医療・福祉などに関わる相談・支援を行う。
 
以上