連合北海道、北海道季節労働組合、全建総連北海道連合会は6月12日、道に対して、「季節・建設労働者の雇用と生活を守る要請」を行った。
政府は小泉構造改革のもとで季節労働者の減少が東北地方に比較して遅いこと、北海道における季節労働者対策が不十分であることなどを理由に、冬期失業する季節労働者の命の支えともいうべき冬期雇用援護制度を平成18年度の暫定措置期間の終了をもって廃止しようとしている。
要請では@国に対して、現行暫定制度の根幹を維持した新たな支援制度の創設を強く求めること。A季節労働者の冬期失業解消と事業の平準化を道民課題と位置づけ、オール北海道の運動に知事が先頭に立って取り組むこと。また、具体的な計画の策定や推進機関の設置など、推進に向けた具体的な行動を進めること。B特例一時金の廃止を含めた検討に、知事として反対の姿勢を明らかにし、オール北海道の課題として国に反対を申し入れること、の3点について要請した。
短期特例一時金の廃止に反対するよう強く求めるも、道は明確な姿勢示さず
対応した近藤副知事は新たな支援制度の創設にあたっては「暫定制度の性格を残した新たな支援制度については、今までの話し合いでは実現は難しいとの感触を受けている」とし、「建設事業主が季節労働者に対して実施する訓練への支援や、『試行雇用奨励金』や『常用就職支度手当』の支給対象者の拡大も含めながら、制度についも粘り強く要請していく」と答えた。佐藤事務局長らが「通年雇用化に向けて新たな支援制度の創設に、道は万難を排して対応するとの道の姿勢は変わっていないのか」と重ねて質したのに対し、近藤副知事は「通年雇用化につながるような新しい制度を作っていかなければならない。その考えは変わっていない」と答弁し、これまでの論議経過から変わりないこと、今後、制度の具体的内容について考え方を持ち寄って検討していくことを確認した。
また、冬期雇用援護制度と車の両輪で季節労働者の冬期間の生活を支えている短期特例一時金について、廃止を含めた見直しが厚生労働省労働政策審議会で審議されていることに関して、反対の姿勢を明らかにと求めたのに対し、近藤副知事は「一時金は重要な役割を果たしていると認識している。審議の状況を踏まえながら、適切に対応する」との回答にとどまったため、再度道の考えを求めたが近藤副知事は「審議会の中でどのような議論がされるが重要だ。論議を踏まえて対応していきたい」と、明確な姿勢は示さなかった。
連合北海道、道季労、全建総連は今後も方向が示されるまで取り組んでいくこととし、15日には厚生労働省に対し組織内外で取り組んだ署名を提出し同様の要請を行う。
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