連合北海道と連合北海道季節・建設労働対策委員会は9月11日、北海道労働局に対し、季節労働者の生活と雇用の改善に関する要請を行った。
これまで30年にわたり、季節労働者の冬期の生活と通年雇用化に大きな役割を果たしてきた冬期雇用援護制度のうち、「冬期雇用安定奨励金」、「冬期技能講習助成給付金」の暫定2制度が平成18年度限りで廃止されることが明らかになり、恒久制度である通年雇用奨励金の拡充で通年雇用化を図るとい
う、まさに切り捨て政策としか思えない厚生労働省の方向が示されたことから、
@通年雇用奨励金の利用拡大の推進
A通年雇用化されない制度利用者の冬期における短期就労の確保
B通年雇用促進事業を07年4月から実施すること
C地域提案型雇用創造促進事業(パッケージ事業)により、季節労働者の雇用を拡大すること
D公共事業の工事平準化をすすめること
の5点にわたって要請した。
これらの要請に、対応した労働局の松本職業安定部長は、「通年雇用奨励金の拡充、労働移動、支援事業の展開の三点が概算要求に盛り込まれた。関係機関と連携をとり、様々な方策をとって通年雇用、安定雇用をはかりたい」と述べるとともに、「新制度については周知・啓発に万全を期したい、冬期の短期就労については専門の相談員を活用するなどして求人の確保に努めたい、通年雇用促進事業の実施については本省に伝えたい、工事の平準化はこれまでも要請してきたが、引き続き関係機関に要請していきたい」と回答し、地域提案型雇用創造促進事業(パッケージ事業)については「地域の協議会が雇用創造に自発的に取り組み、地域の産業振興など雇用政策によって雇用を促進していこうというもの。直接雇用することではなく、季節労働者を雇用するということにはなじまない」と述べた。
厚生労働省は「季節労働者の通年雇用化は政府の責任。支援事業についても政府の責任で行う」ことを明言しているが、季節労働者13万5千人のうち、暫定2制度を利用者しているのは3万2千人。厚労省案によればそのうち1万人が通年雇用化されるものと想定されるが、残り2万2千人の季節労働者の生活と雇用が問題となっている。
この日の要請でも「北海道労働局として、どういう役割を果たそうとしているのか。北海道の実施主体は北海道労働局だ、北海道の実状がわかっている北海道労働局がどのようなスタンスに立つのか極めて重要だ。通年雇用化計画について具体的数字をもって対応すべきだ」と重ねて要請したのに対し、北海道労働局は「本省案をどう実行していくかが労働局の役割だ。本省の意思決定にいかされるよう伝えたい」と述べるにとどまった。
連合北海道と連合北海道季節・建設労働対策委員会は今後も北海道労働局、北海道に対し要請を行う予定にしており、さらには12日に開会する北海道議会においても季節労働者対策に関して重点項目として議会対策を行うこととしている。
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