2006.08.01
〜知事はなにができるか〜警察問題を考える道民集会


 道警不正問題を徹底解明し、信頼回復を求める道民の会は、8月1日、18時よりホテルポールスター札幌において警察問題を考える道民集会を開催した。会場は300名の市民に参加していただき満席となった。

知事の義務として宮城県警の不正解明に努力

 まず基調講演で浅野史郎(前宮城県知事)さんは、「平成17年度県警予算の犯罪調査報償費の執行を停止した際に、“警察庁長官は証拠がないのに止めるとは“と発言した。」「私は県警に執行上の書類を出しなさいと何度も求めたが出してこなかった。県警の内部調査の結果も昨年春に“不正はない“と報告された。」「高知県では地裁で不適切な支給という判決が出され、県議会が全体で監査決議が可決され、監査に着手している。これも県民の声が反映されたと言える。」等と発言され、宮城県警の不正解明に懸命に努力してきたのは県民に選ばれた知事の義務としてであると強調された。
推定でも多額の裏金の実態、解剖費までその対象にされている
 パネルディスカッションでは、市川守弘代表委員(弁護士)をコーディネーターに討議を深めた。
 パネラーの原田宏二さんは、裏金の実態として「16県で発覚し、12億円が返還されている。道は9億6千万円を返却、それも平成10〜15年の6年間で6品目だけであり、他の分野でもある。私の推定だが職員300〜400名規模の署で6,000〜7,000万の裏金がつくられていた。50名規模でも700〜800万の裏金である。」と提起した。
 ジャーナリストの大谷昭宏さんは、「秋田県の女児水死事故をめぐって県警は解剖をしたと報告していたが、解剖もせず事故と判断したと思われる。解剖費も裏金の対象となっている。」「裏金問題は、単に金の問題ではなく捜査活動もいい加減になり、道民の生活と安全の問題になっている。パロマの死亡事故で解剖をして原因を明確にしていれば、同じ事故は防げたはず」と提起した。
不正を追求するメディアの役割、チェック機能の充実
 不正の解明に向けた警察への課題として、警察組織は無病性であり“自分たちは正しい“という思いが強い。不正を解明し、不正が不可能なシンテムの確立こそが課題であるという自覚を促すために道民の声を大きくしていく、そのためにはメディアの役割も大きい。 道新の2名の記者が道警から“名誉を傷つけられた“として訴訟を起こされているが、不当な弾圧に屈せずたたかって欲しいとして、本の共著者である大谷昭宏さんと作家の宮崎学さんか訴訟に補助参加することが明らかにされた。
また、不正をチェックする機能として知事権限の行使や公安委員会の委員の公平な選定システムや機能拡充も課題として指摘された。
 そして、最大の課題は不正の解明と警察組織の信頼回復を進める知事や道議会議員を多数誕生させるために来年4月の地方選挙に向けて道民運動の強化を確認しあった。
 最後に、政党代表として新たに道民の会に賛同表明した新党・大地の鈴木宗男衆議院議員、共産党・大橋道議、民主党・沢岡道議より決意表明を受け、閉会した。