2005.09.29

連合2005平和行動in根室


 連合は、2001年から北方領土返還運動を「平和行動in根室」として沖縄・広島・長崎と合わせ連合4つの平和運動として位置付け、取り組んできている。
 根室行動としては、根室・ニホロでの「北方4島や返還運動を知るためのフィールドワーク」、納沙布岬での返還要求集会や各種キャンペーンが中心である。
 さらに、1991年から始まった「ビザなし相互交流」にも労働組合として参加してきており、昨年からは四島に住むロシア島民との交流強化の観点から民間独自の訪問事業として「連合平和の船」を実施してきている。

<9・17〜19連合第2回平和の船>

 連合第2回平和の船は、9月17日〜19日にかけて阿部連合本部総合組織局長を団長に総勢73名が参加し、国後島を訪問した。連合北海道からは、小檜山政策道民運動局長、根室地区連合5名、中標津地区連合2名、計8名の参加。
 日程は、17日は結団式・事前研修会、乗船、国後島・古釜布湾に停泊・宿泊、18日は古釜布市に上陸、歓迎会、元気運動会、日ロ友好懇親パーティ、友好の家に宿泊、19日は島内視察(学校・保育所、景勝地)、買物、乗船・根室港に帰港、というもの。 あいにくの強風と雨の天候で、古釜布市には上陸が難しい状態であったが、ロシア側の努力もあり無事上陸できた。しかし、運動会は屋内の講堂で実施し、北海道参加者とロシアの子供たちのチームが優勝した。天候が晴れたのは最終日の3日目から。
 島民の生活状況だが、保育所を訪問した時、説明された保育師さんは、「平均賃金は月3万程度、保育料金は月平均6千円」と言った。道路や港湾等の社会整備も遅れており、生活は楽ではないよう。

<9・24連合北方領土返還要求2005平和ニホロ集会、9・25北方領土返還要求運動60周年国民集会in根室>

 ニホロ集会には1,000名が結集した。草野連合本部事務局長は、「領土問題に対する関心が少ない。連合は4つの平和課題の取り組みを実施してきている。@日本の領土、A返還運動の推移、B四島の暮らしぶり等について資料による理解を深めて、労働運動の立場から返還運動を取り組み、粘り強くひろげていきたい。」と訴えた。 
 地元歓迎挨拶で渡部連合北海道会長は、「返還運動は1945年、当時の安藤根室町長の政府等への要請行動から始まった。その後、政府間交渉は続けられてきたが、1990年代に三度の首脳会談で宣言等が確認されているが、抜本的な進展がないまま今日に至っている。11月下旬にプーチン・ロシア大統領が来日し、首脳会談がもたれる。4島返還前進のための大きな転換点になるように期待したい。運動を継続していくことが大事だ。」と強調した。
 連合をはじめ多くの返還運動団体による実行委員会主催での60周年国民集会は、根室市納沙布岬で2,500名が参加し、開催されま。外務省などの政府関係者、返還運動団体を代表して千島連盟、都道府県民会議の代表、連合(草野事務局長)等が返還要求運動60年を振り返り、今後の決意を表明した。
 最後に、色丹島、歯舞群島、国後島、択捉島のそれぞれの元島民が、「一刻も早く島が帰り、そこでゆっくり暮らしたい」と切々と訴え、参加者から熱い拍手が送られた。