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2005.07.28
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地域最低賃金の引き上げ求め総決起集会
地域最低賃金の本格的な審議を前に、連合北海道は7月27日、北海道の最低賃金の引き上げを求める総決起集会を北海道厚生年金会館で開催し、水準の改善や法の遵守を強く求めることなどを確認しあった。
北海道の最低賃金は02年、03年と2年据え置かれ、昨年3年ぶりに1円引き上げられ638円となっているものの、最低の生活を保障する水準にはなっていない。
北海道の最低賃金の本格的な審議は28日から始まるが、26日に中央最低賃金審議会が公益委員見解として「北海道は3円の引き上げ」との「目安」を示し、情勢を報告した村田副事務局長(北海道地方最低賃金審議会労働者側委員)は5名の労働者側委員を代表して「北海道の賃金改定状況は率・額ともに昨年よりはいい」と経済環境が好転しているとして、「連合北海道が既に労働局に要求している2%、651円以上への引き上げを求めていく」ことを第一に、「審議では経営側の据え置き主張にのまれることなく、最低でも目安として示された3円の引き上げを確保したい」と審議に臨む決意を述べた。
引き続き、京都大学大学院の橘木俊詔教授を講師に、最低賃金制度拡充策と題して講演を受けた。橘木教授は「フルタイマーの平均賃金に対する最低賃金の比率、最賃額、最賃以下にいる労働者の比率、どれをとっても日本はOECD諸国の中でも相当の下位にある」と指摘、また東京23区、神戸、仙台、那覇における最低賃金額と生活保護支給額を月単位で比較し、「4万から5万弱、最低賃金の方が低い」と国内外のデータをもとに日本の最低賃金額の現状を説明し、「最低賃金額の上昇策は緊急を要する」と主張。また、諸外国の最低賃金制度について、「どの国も地域、産業、年齢、勤続年数、職業などによって細かく差がついている。他のほとんどの国で考慮されている年齢が対象として入っていない、考慮するのは重要ではないか」と指摘した。さらに「最低賃金額のアップは一見、経営側にとってマイナスと映るが、労働者の勤労意欲の向上に期待できる」と述べた。
集会では最後に低賃金労働者の賃金底上げと最低賃金が持つ本来の役割を十分に果たし得る水準を求めていくこととした決議を確認した。
また、集会に先だって最低賃金対策委員会(委員長/鳥海連合北海道副会長)を開催し、中央最低賃金審議会の報告と地方最低賃金審議会に臨む方向について確認した。
北海道地方最低賃金審議会での審議は10月の発効を前提に8月の初旬まで行われる。
最低賃金の審議状況 050728 FAX−NEWS → |
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