2005.07.22


 第2回サマータイム研究会を開催 不安と期待の交錯状況が実態

 第2回サマータイム研究会を7月21日、政策委員会の第2部として開催した。江森孝至連合・社会政策局長が「サマータイム制度への連合の対応について」と題し、連合の対応・議論状況について報告し、意見交換をおこなった。

 地球温暖化を防止するための京都議定書が本年2月に発効し、2008〜2012年の間に基準年(1990年) 比6%の温室効果ガスの削減が法的に義務づけられ、省エネの観点からサマータイム(夏の期間に1時間、時計の針を前倒しにする)の導入等が提起されている。
 連合はサマータイムの導入について、7月14日の中央執行委員会で「地球温暖化対策『第2ステップ』における連合活動方針」として、「横断的な試作の一つである『サマータイム制度』については、労働時間問題などの対応策の整備や国民的議論の展開を前提に、地球温暖化対策やライフスタイルの見直しの観点から前向きに検討」と確認されている。
 しかし、サマータイムは、労働時間の増加や労働強化など懸念する意見も多いことから、江森局長は「議論中であるが、制度導入の趣旨を損なうことのないよう、経営者団体・企業への監督・指導の徹底と労働組合の積極的な関与を促すことや、制度導入の趣旨を損なう企業名の公表などのペナルティを設けること。さらに、時間外労働や深夜労働に関する『賃金割増率の引き上げ』について検討することなどが議論経過として報告されている」と述べた。

 質疑応答では「サービス労働など日本人の働き方の現状では、労働強化につながらないか」「小・中学校は8時半ごろから始業しており、子どもに対する影響が心配」「温室効果ガスを大量に排出する企業が集中する自治体が、その税金で潤い、温室効果ガスを取り込み・削減につながる森林などの自然環境が残る過疎地が疲弊している。そのことに対する施策のほうが大事」など、参加者から意見・質問があった。
 江森孝至 連合・社会政策局長は「経済界、また推進国会議員の一部の方は『ビジネスチャンス』『現状の閉塞感の打破』を求めている節もある。また、制度導入で得られる効果(温室効果ガスの削減)は試算によれば大きいとは言えないが、連合は労働者の働き方・ライフスタイルの見直しのきっかけとなるとの期待もある」と述べた。
 連合北海道は、札幌商工会議所の導入実験の分析など、引き続き検討を深める。