2005.07.08


青少年交流の活発化を合意 来年から相互交流へ
第10回日ロ姉妹友好都市代表者会議を開催

 北海道日ロ協会(会長 菅野久光 元参議院副議長)とサハリン日本協会(ゾートフ.N.M.サハリン州連合会長)による実行委員会が主催して、第10回姉妹友好都市代表者会議が札幌市で開催された。
 会議には北海道麻田副知事をはじめ、旭川・函館・北見などの行政代表と、サハリン州シュービナ副知事やユジノサハリンスク市・ホルムスク市・コルサコフ市などサハリン州の各都市代表など90名が参加した。
 姉妹都市は旭川や釧路など30年以上の歴史を持ち、ソ連時代から政府以外の“民間外交”として活発に人的交流を重ね、文化・社会活動など両国民の理解促進と、青少年交流など未来に向けた取り組みも行われてきた。特に近年は青少年の交流が盛んで毎年100名以上の北海道の青少年がサハリンに行ってロシアサハリンの子供たちと友情を作り上げてきたが、その経費は市町村によるものが多く、自治体財政の困窮とともに交流の先細りが懸念されてきている。北海道日ロ協会も過去6回青少年交流を実施してきたが、ロシア側の派遣が経費的に困難で、一方通行になっているし、道内姉妹都市市町村の独自指向が強く、規模は拡大することが難しかった。
 そこで、意義の大きい青少年交流を持続させるために、今後は市民交流の位置づけで、行政だけでなく様々な分野の交流と同時にし、かつ、市町村交流事業の結集を求めて経費削減を目論んでいくこととした。
 第10回を迎える姉妹都市会議は、姉妹都市代表者の会議としては今回が最後となるが、明年から「市民交流会議」として、青少年交流や“戦後処理(遺骨収集)”などの共同作業を行う相談を続けていくこととなっている。
 ただ、今回は根室市が議会の関係で出席しなかったため、北方領土問題についての発言がなく、大きく興味をそがれた感は否めない。日ロ間の最大の課題が共同文書にも入らなかったことは残念だ。

 また、今回の北海道訪問のメンバーの中には「鉄道交流代表」と「サハリン子供アンサンブル」があり、鉄道交流ではJR北海道の苗穂工場を視察し、鉄道労働者との交流も行った。さらに子供アンサンブルは市内や石狩管内の小学校などを廻り、異文化交流の機会を作って歩いた。
 姉妹都市会議参加者や鉄道交流・子供アンサンブルなどを含む第17回平和の船(7月5〜8日)の一行114名は8日夕方小樽港を離れた。
 
 なお、北海道日ロ協会は、日ロ修好150年、戦後60年にあたる今年、合計3回の訪問団を派遣する予定で、8月25日からの最終派遣団はまだ募集を終わっていない。また、9月には大人のアンサンブルも来道し道内9カ所で公演する予定となっている。
 日ロ間の友好親善は、領土問題と平和条約など政治課題と、石油・ガス景気の経済問題の両面で北海道には大きな課題である。同時に東アジアの関係では、日中・日韓が小泉外交で頓挫する中、せめてロシアとは課題を抱えつつも良好につきあって行かなければならない国とも言えるのではないか。