2005.06.03


高齢社会の到来は平和と豊かさの証し
全労済協会の北海道シンポを開催



 5月27日(金)札幌グランドホテルにおいて、「活力ある福祉社会をめざして」−地域で支えあう新たな生きがいづくりを−をメインテーマに,、全労済協会が主催し、全労済北海道・連合北海道・北海道労福協による共催の『北海道シンポジウム』が行われた。当日は定員1000名を越す参加者が会場からもあふれ出し、急遽設けられた会場外でのモニターを見ながら参加する方々の数も100名近くに上った。
 冒頭、全労済協会、鷲尾悦也理事長からの挨拶に続き、公務と重なり来場いただけなかった高橋北海道知事に代わり、北海道副知事の山本邦彦氏からの挨拶があった。二人からは、全労済協会や北海道の取り組みなどに関しての報告の他、2007年になると国民の4人に一人が高齢者となる社会になるが、この避けて通れない、関心も高い高齢社会に関する問題に関して理解を深め、有意義な時間を過ごして欲しい旨の話があった。

 シンポジウムは2部構成で行われ、第1部は評論家でもあり、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長でもある樋口恵子氏による「高齢社会をいきいき行き抜く知恵」というテーマでの講演。講演の中では2007年頃までには少子・高齢・人口減の社会が訪れ、3重苦などと言われているが、実際にはそうではなく、むしろ『5つ星』の社会であるとの提案があった。高齢社会の到来は平和と一定の豊かさの証しでもあり、家庭・仕事・趣味・地域活動など多様な事を同時に出来る、個性を豊かに発揮できる社会でもあるなどのメリットを5点に分けて話され、視点を変えて楽しくいきいきと生きるという前向きな考えにさせられる内容であった。そのためのヒントやアドバイスもユーモアを交えて語られ、参加者を惹きつけ飽きさせない講演となった。

 第2部は上田文雄札幌市長、横山純一北海学園大学教授、岩見太市NPO法人シーズネット代表、小檜山秀昭連合北海道政策・道民運動局長に、第1部の講演者の樋口氏を加えて、猪熊律子読売新聞東京本社編集局 社会保障部次長をコーディネーターに、パネルディスカッション形式で行われた。それぞれの専門の立場から行政と地域の両面から高齢社会に対しどう向き合っていくかについての討議をしていただいた。

 第1部、2部を通じて合計4時間に渡る長時間にもかかわらず、中途で帰る参加者も少なく、最後は全労済北海道の古川隆之理事長の挨拶で幕を閉じるまで盛況のうちにシンポジウムは終了した。