2005.05.30
みどり豊かな国 イギリス ロンドンとスコットランドを訪問
総選挙の視察報告 その1
労働党の3連勝は快挙だが、勝利への最大貢献は保守党の低迷
北海道政権戦略会議(民主党北海道・連合北海道・北海道農民政治力会議)が派遣する「英国総選挙視察団」に加わり、5月15日から22日の1週間、英国ロンドンとスコットランド・エジンバラ市を訪問した。その報告を4回程度で掲載する。
団は民主党小川勝也参議院議員を団長に、佐野・木村道議会議員など、民主党・連合北海道関係者15名で構成され、成田経由12時間の飛行機の旅の後、ロンドン・ヒースロー空港に降り立った。
空港からホテルに向かうバスからの第1印象は、街路樹の大きさであった。電気・電話線が地下埋設のため街路樹は伸び放題。いたる所が“鎮守の森”のように大きな木で覆われている様は、とても気が休まるものであった。翌日、時差の関係で早くに目がさめてホテルの廻りを散歩したが、まるで森の中を歩いているような錯覚を感じたものだ。
もちろん散歩しにロンドンまで行ったわけではないので、翌日は朝から、英国留学中の北大山口二郎教授から、「英国の総選挙の意味」の講義を受けた。その中で山口教授は「労働党の3連勝は歴史的快挙」「その理由は経済の好調と公共サービスの改善、保守党の低迷だ」と総選挙を振り返った上で、「特に保守党の移民政策などの“オオカミ少年”的政策を中心とした恐怖喚起政治手法は不発に終わり、かえって政権能力に疑問が付された」と、いわば敵失の勝利であることを強調した。
午後には、ウエストミンスターの英国国会委員会室で、労働党のロジャー・ゴドシフ上院議員と保守党のトレンチャード子爵上院議員と面会し、英日議連会長のゴドシフ上院議員からは「67議席の差は予想の範囲だが予想の下位の方であった。勝利の原動力は経済の活性化による財政の健全化と、それを原資とする医療と教育の改善である」と、何ともうらやましい勝利を語った。保守党のトレンチャー議員も、この点を率直に認めた上で、「移民を争点にしたのはハワード党首の間違いであった。移民をメインテーマにする英国独立党(インデペンデント)に29の選挙区で票を食われ、労働党に取られた。」と語った。
英国で有名なものにパブがある。パブでは、カウンターで自分の飲み物を現金と引き替えに受け取り、空いた席か立ったままで気軽にお酒と会話を楽しむ。多少の軽食も注文できる。ホテルのそばに日本人の女性店員がいるパブを発見し、3日間通った団員もいる。とても気軽にお酒を楽しむ文化と感じた。11時には閉店となる点もいいかもしれない。