2005.04.20


スマトラ地震 津波の復興とNGO

越田清和 (北海道ピースネット)

 スマトラ沖大地震から3ヶ月たった3月29日、インドネシアで大きな余震があった。その時、スリランカの首都コロンボにいた私は、深夜だったにもかかわらず、同居していたスリランカの友人に「インドネシアで地震があったので津波が来るかもしれない」と起された。海岸近くに住んでいる人たちのほとんどは、高台に避難させられたと言う。それほど津波に対する警戒心はいまだに強いのである。

私は、津波被害者の救援・復興活動を行なっているスリランカNGOの活動を調査するために、1ヶ月の予定でスリランカの海岸部を回ってた。12月26日にスリランカを襲った大津波で3万人以上が犠牲になり、7万8,000軒の家が全壊し、約100万人が家を失った。しかし、その復興作業のスピードは遅い。いまだに50万人がテントなどで暮らしている。

 被害を受けた人たちの住居がきちんと確保されていない。仮設住宅用の土地が確保できないのである。原因は、スリランカ政府が「海岸線から100メートル以内を緩衝地帯にするために、住宅建設を認めない」という規則を作ろうとしていることにある。しかし被害者の多くは海岸近くに住み、漁業に従事していた。だから海の近くに住まいがないと仕事もできない。

 こうした条件の下で、スリランカのNGOは被害者と一緒に仮設住宅の建設や生計支援のプロジェクトを進めている。被害者が一日でも早く漁業に戻り、海と共に暮らしていけるようになるための課題は山積みだが、被災住民と共に活動するNGOの動きに期待したい。