2005年3月25日
日本労働組合総連合会北海道連合会
会  長  渡 部 俊 弘
 
     
道議会百条委員会の設置決議の否決に抗議し
道警不正経理疑惑の真相解明を求める談話
 
 北海道議会は、昨日、民主党、共産党が共同提案した道警不正経理問題に関する百条委員会(調査、関係人の出頭、証言等を求める調査特別委員会)の設置について、自民党、公明党の反対多数によって否決した。
 2003年11月に北海道警察旭川中央署で、不正裏金疑惑が発生して以来、1年有余が経過している。この間、原田宏二氏(元釧路方面本部長)や齋藤邦雄氏(元弟子屈署次長)が、長年にわたり綿々と続いてきた北海道警察全体で行われてきた裏金づくりの実態を生々しく実名証言してきた。
 一方、北海道警察は、内部調査を実施したが、その内実は「金を返せばよい、処分すればよい。」という結論ありきのものであり、具体的な裏金づくりのシステムや裏金の使途など、不正の構図・実態には全く言及されてはいない。つまるところ北海道警察自身が、裏金問題の真相を解明することなく、道民の真相解明を求める声に背を向け、幕引きをはかろうとする意思の表れであると判断せざるを得ない。
 こうした疑惑を解明するために、今年1月に北海道警察幹部ら7名に対して、民主党の鉢呂、佐々木の両衆議院議員が刑事告発をした。一方、道議会では民主党等が定例会のたびに百条委員会の設置を求める決議を提案してきたが、4回連続、自民党、公明党などの反対により否決されてきた。
 そして、今回の第1回定例道議会においては、道監査委員による確認監査結果の報告が予定されていたが、確認監査に伴う補足調査で「道警が警察官に虚偽文書に署名、押印するよう強要していた」という新たな疑惑の発覚で確認監査はやり直しという事態となった。その結果、民主党、共産党が共同提出した百条委員会設置の決議に対して、「議会が真相解明に力を尽くすべきだ」としてフロンティア議員会は初めて賛成した。しかし、自民党、公明党の与党会派の反対で5度否決されてしまった。両与党会派は、道民の負託を受けた議会の責務を事実上放棄したと言わざるを得ない。連合北海道は強く抗議するものである。
 警察組織が社会正義の象徴として再生、道民の声を反映した警察行政に変わるためには、道警不正経理問題が真相解明され、警察の信頼が回復されなければならない。
 連合北海道は、今後とも北海道議会、各会派に対して、道警不正経理疑惑の真相解明をはかるための百条委員会の設置を求めていく。その実現のために、「道警不正問題を徹底解明し、信頼回復を求める道民の会」の道民運動とも連携し、道民世論を喚起するために更に運動を継続・強化していく決意である。
                                  
以上