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2005.03.02 |
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改正労働安全衛生法は「事後対応」から「事前予防」に転換 安全衛生セミナー開催
連合北海道と北海道勤労者安全衛生センターの主催による「全道安全衛生担当者セミナー」が3月2日、札幌市で開催された。
昨年一年間の北海道における死亡労災事故は118件、休業4日以上の労災は7045件となっている。死亡労災事故は前年比で2割ほど増えているが、その増えたところの7割は建設業、運送業で30人以下の事業所となっている。(北海道労働局調べ)。死亡労災事故と休業4日以上の労災をあわせると、1日約20件の労災が発生していることになる。
このような状況の中、セミナーでは連合本部総合労働局雇用法制対策局の中桐次長から、今週の4日にも閣議決定、今国会に上程されようとしている改正労働安全衛生法について学習した。
中桐次長は労働安全に関する国際的な動向を説明した後、「残業時間が月100時間を上回る労働者が申し出たときは、医師による面接指導を行い、その結果に応じた必要な措置をとる。労働者は事業者の行う面接指導を受けなければならない」といった過重労働・メンタルヘルス対策など主な改正点について説明。「月100時間」というガイドラインは労基法とのからみでは十分ではないが、時間外労働を月100時間する者の1日の睡眠時間は5時間とされ、脳・心臓疾患を発症する危険性は睡眠時間が6〜8時間と比較し、1.8倍から3.2倍となり、一般に危険性が2倍以上の影響の場合、強力な対策が必要とされていることから、一定の評価ができるといえる。
一方で、100時間以下でもあり得ることで、中桐次長は法施行後の職場における取り組みでは、協約でできる限りハードルを低くするようにとアドバイスした。
この改正労働安全衛生法は来年4月の施行予定に向け最終のツメの段階に入るが、法の精神がこれまでの「事後対応・管理」から「事前予防・管理」と転換されており、職場にどう取り入れていくかが課題ですが、連合としては今秋にも指針を出す予定だ。
また、安全衛生センターの折戸事務局長からは「21世紀のキーワードは安全・安心の確保。春季生活闘争のなかでも労働安全衛生問題について議題にしてほしい」と呼びかけた。
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