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2005.02.23 |
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高負担社会は、高リターンの安心社会
スウェーデンの社会政策を学ぶ
2月22日、スウェーデンのLO(労働総同盟)で社会政策を担当してきたインゲルマール・リンドベルグさんを招き、社会民主主義の国として名高い北欧スウェーデンの社会システムと労働運動について学習会を開催しました。
まず、北大の宮本太郎教授がこの学習会の導入として、「高福祉・高負担の北欧社会システムは、日本の保守が批判するような欠点とはなっていない。スウェーデンも経済的に元気な状況が続いている」と現状を説明し、「スウェーデンの労働政策は“連帯的賃金政策と積極的労働市場政策”に表され、特徴的には、失業者の再教育・スキルアップ・生活保障にわが国の10倍の費用が使われている。」ことや、「確かに国民負担率(税と社会保障費の負担率)は日本の倍だが、給付は倍以上になっていることから、実質負担率は日本より低い」と説明されました。
リンドベルグさんからは、「労働組合の役割は、個別労働者の悩み解消よりも競争の排除で賃金ダンピングを防ぐことだ」「経営が国境を越えている現状に対し、労組が国境を越えたネットを早くつくるべきだ」とスウェーデンの労働運動がめざす方針が説明され、政治的には、SAP(社会民主党)と連携して、新自由主義のかたくなな規制緩和政策に反対していること、また、民営化の拡大には必ずしも否定的でないが、消費者・国民の利益を追求すべきであることなども提起されました。
スウェーデンは、女性の機会均等や待遇の均等が進んでおり、労働組合の組織率(全体で80%を超える)も女性の労組への期待が寄与しているようで、連合運動の男女平等拡大の手本ともすべきところといえます。
また、政府の雇用保険の他に労組が独自に失業対策共済を持っていることや、退職者・学生も労組に参加していること、高齢者雇用制度と年金制度の関係など、まだまだ知りたいことがありましたが、残念ながら時間切れとなりました。
しかし機会をつくり、北大宮本先生を招いた継続学習会を企画したいと考えています。
近々にも講演のメモをこのHPに公開します。 |
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