04.10 No.130



05春闘勝利と労働政策の充実を目指して
北海道・東北ブロック「労働政策・春季生活闘争」担当者会議開催 

 連合主催の「労働政策・春季生活闘争」担当者会議が、9月11日、札幌サンプラザにおいて北海道ブロック、東北ブロックの担当者あわせて71名が参加して開催されました。この担当者会議は今年度から実施されたもので、北海道・東北ブロックを皮切りに10月末までに全国各ブロックで開催されることとなっています。
 会議では冒頭、北海道ブロック・連合北海道渡部会長、東北ブロック・連合青森山本会長から、それぞれの地域の実情と課題、それに対する地方連合としての取り組みについて述べられました。  続いて、連合久保田副事務局長からは、この会議の開催趣旨が述べられるとともに、雇用・社会保障・組織拡大・中小労働運動と地域労働運動の強化など「当面する労働関係課題」について提起されました。  その後、連合田村中小労働対策局長から「2005春季生活闘争に向けて」、長谷川雇用法制対策局長からは労働審判制度、労働契約法、労働安全衛生法、地方雇用対策など「労働政策の課題」について、それぞれ提起されました。  これに対して、参加者からは、?@地域の最低賃金について春季生活闘争の段階から取り組んでもらいたい、?A連合方針では具体的要求基準は産別が主体的に決めるとしているが、中小地場については連合の一定の目安が必要、?B春闘前段において、大手産別でベア要求しないところが発表されると地方の春闘にも悪影響を及ぼすので、発表の仕方について配慮願いたい、?Cワークルールの確立に向け、地域の取り組みに加え、産別タテの指導を強化してもらいたい、など多数の要望・意見が出されました。

【2005春闘の主な取り組み課題】

〇3つのミニマム運動課題を継続・発展させる。
 @賃金カーブ維持分の労使確認と「賃金カーブの確保」
  ・要求段階の工夫:賃金水準にこだわった要求づくり。
  ・波及段階の工夫:中小共闘の動きをより反映する集計、情報発信。
 A「全従業員対象の企業内最低賃金の協定化」(+パート等の処遇改善)。
  ・産別は加盟組合の最賃協定締結の有無を把握し、すべての組合が必ず要求する。
  ・パート等の処遇改善に向けて、産別の取り組み状況とその結果の報告を求める。
  ・連合として公契約に関わる運動に挑戦する。
 ?B不払い残業の撲滅と「労働時間管理の協定化」
  ・協定化(議事録、覚え書き、確認メモ等も含む)にこだわり、結果を集約する。
  ・次世代法への対応や36協定・特別条項などに関して、共通して取り組める課題はあるか。
〇中小・地場共闘の強化に取り組む。
  ・中小共闘連絡会の拡大と時期の延長(6月まで)。
  ・産別、産別地方組織は、地場共闘にも参加・協力。
〇ワークルール確立のため、全職場で点検活動を行う。
  ・職場点検活動を中心に通年的な取り組みを強化する。
  ・当面、ワークルールの確立に関する課題(適正な労働時間管理、雇用形態の多様化に対する対応など)を共通テーマとし、職場から連合まで組織的な取り組みを行う。
  ・連合は、中小・地場組合を念頭に1〜2月を職場点検活動期間と位置づける。


季節労働者問題で道に申し入れ
雇用と労働条件の改善を求める 

 連合北海道と当該労組の道季労・全建総連は、厚生労働省が昨年から季節労働者の通年雇用、冬期就労に重要な役割を果たしている「冬期雇用援護制度」の見直しを進める中、道をはじめとする関係機関・団体などと連携・協力のもと、一人でも多くの季節労働者の雇用と生活が安定する制度への改正を求め、あらゆる運動を展開してきました。しかし、実施要綱面で一部改善を図れたものの、来年度より政府原案内容の新制度が始まり、季節労働者を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。
 このような状況を受けて、連合北海道は9月6日に道季労・全建総連とともに、北海道に対し季節労働者の通年雇用化の促進と季節・建設労働者の雇用・労働条件向上に向けた当面の課題解決のための取り組み強化について、申し入れを行いました。

 申し入れでは、連合北海道峯後事務局長が、「道においては向こう3年間で1万4千人の季節労働者の通年雇用化を目標に据えた、新たな“季節労働者に関する取り組み方針”を策定し、季節労働者の通年雇用促進を進めることとしているが、本道の雇用者総数の7%(155,475人)を占める季節労働者問題は、本道の重要課題であることを再度認識し、本道の厳しい雇用環境改善を図る労働政策確立のもとに“季節労働者に関する取り組み方針”の完全履行を求めたい。さらに、事業主及び事業主団体に対し、雇用責任を果たすよう道として強力に指導し、季節労働者の安定雇用の確保を図ることも重要である」と述べ、道としての積極的な対応を求めました。
 道からは、道としても季節労働者対策を道政の最重要課題に位置付け、積極的に取り組んでいる、との回答が述べられました。(回答要旨別掲)  

【道の回答要旨】
 道は、季節労働者対策を道政の最重要課題と位置づけ、昨年11月、?@冬期における雇用の場の確保、?A技能向上による通年雇用化の推進、?B他産業分野への労働移動による雇用の安定、?C就労環境の整備・改善、を基本とする「季節労働者対策に関する取り組み方針」を策定し、3カ年で1万4千人の季節労働者の通年雇用化を図ることとしている。通年雇用化目標数を達成するため、全庁を上げて取り組むほか、新たに設置する「北海道季節労働者雇用対策協議会」の場を活用して、関係機関の協力を得ながら目標数の達成に全力をあげる。
 厳しい道財政の立て直しには公共事業の縮減は避けられないが、建設業は地域経済活性化や雇用確保に大きな役割を果たしていることから、縮減の影響を最小限に抑えるため、02年より「建設業のソフトランディング」として、「建設業の新分野進出・多角化」「建設分野への新技術の導入」「介護リフォーム市場への参入」などに庁内一丸となって取り組んでおり、今後も人材育成、ソフトランディング対策の強化を図っていきたい。
 北欧諸国等における冬期間失業防止施策の調査研究は重要と考えており、具体的な調査方法などについては、今後検討していきたい。  


道立病院(寿都・釧路)の自治体移管問題で最終交渉を実施 

 連合北海道は、9月6日に、道立の寿都病院と釧路病院の自治体移管問題で、4度目の交渉を実施しました。
 両病院の自治体移管問題については、これまでの3回の交渉で、「道立病院の自治体移管が先にありき」という道の拙速な対応を厳しく批判し、6月の第2回定例議会への提案を阻止してきました。今回は、第3回定例議会を前に、条例改正案を提案する道と最終交渉を実施しました。
 交渉では、連合北海道が道立寿都病院の移管問題について「寿都町の新たな病院整備計画に関する要望事項について、財政支援をはじめすべての課題に全面協力すること」を求めたのに対し、道は「必要な財政支援はもとより医師や看護士など医療技術者の確保、運営面でも最大限支援する」と回答。
 道立釧路病院の移管問題では、「周辺地域の市民、患者、その家族が存続を強く望んでおり、終末期医療をはじめ新たな役割の付与などについても十分検討し、まず移管ありきという拙速な姿勢を改めること。また、治療中の患者の医療に責任を持つこと」を求めたのに対し、道からは「道立病院の医療機能が円滑に継承されるとともに、地域医療の充実が図れるよう体制整備に必要な財政支援を行っていきたい。また、治療中の患者が移管後も適切な医療を受けられるよう、支援方法を検討していきたい」と回答がありました。
 さらに、「両病院の職員の身分保障と新たな働く場の確保」については、道からは「両病院の職員の処遇については、今後、それぞれの職員の意向を十分尊重しながら、対処していきたい」との回答がありました。
 道立病院は、民間病院がペイしない分野と地域で役割を果たしており、道財政のコスト削減や「財政立て直し」のために、廃止されることは許されるものではありません。こうした基本認識のもと、道民の生命と健康に関わる地域医療問題について、引き続き政策制度として、「要求と提言」活動に取り組んでいきます。


トラック・バスの自動車税に関し道に要請
標準税率適用にあたって猶予措置と激変緩和を求める 

 トラック・バスの自動車税への標準税率が地方税法に規定(01年)された後も、道では適用にあたっては、積雪軽減措置の廃止による負担増と重なることから、現在まで減免措置を講じてきました。しかし、財政状況が厳しい中で道は減免措置を見直し、05年度から標準税率の適用を検討しており、11月の第4回定例議会に提案するとしています。
 このような状況に対し、連合北海道は9月8日に当該産別の運輸労連、交通労連、JR総連、JR連合とともに、道に対し、標準税率適用にあたっての猶予措置と激変緩和を求める要請を行いました。なお、道への要請に先立ち、道議会の会派(民主党道民連合、フロンティア議員会、公明党議員団、自民党道民会議)に同様の趣旨の要請を行いました。
<要請内容と回答>
1.トラック・バスの自動車税の減免措置の見直しにあたっては、3年間の激変緩和のための経過措置とともに、長期 不況下にあるトラック・バス業界の景気動向等を見極めて急激な負担転化を避けるために必要不可欠である猶予期間 を設けること。 
(回答)トラック・バスの自動車税については、本道を除くすべての都府県で標準税率を適用し、もしくは標準税率を 適用するための措置が既に講じられている。道においても、税負担の公平を図る観点から減免措置の見直しは必要で あり、見直しにあたっては、議会論議や他都府県における取り組み状況を勘案し、一定の経過措置を含め現在検討中 である。
2.輸送は本道の基幹産業の農林水産物資が主力であり、増税による物流のコストアップによる農林水産業への影響、 ならびに冬期積雪期間は輸送効率の低下、積雪寒冷地であるがゆえの整備コストの負担等の実態に配慮し、本道独自 の自動車税のあり方について検討すること。
(回答)自動車税は財産的価値や道路損傷負担金としての性格を有するとされており、その税率の設定にあたっては、 自動車の種類ごとに地方税制で標準税率として定められているものである。このようなことから、道が独自に自動車 税率を設定することは困難であるが、自動車税を巡る諸問題については、国に対し本道の実情などを伝えていきたい。  


 国後島・択捉島・色丹島・歯舞群島 
  四島の早期一括返還を実現させよう
「北方領土返還要求2004平和行動in根室」開催
 連合主催の「北方領土返還要求2004平和行動in根室」が、9月25、26日の2日間にわたり開催されました。 同行動(フィールドワーク、ノサップ集会)には全国各地から延べ約3,100人が参加し、北方領土の四島一括返還の実現を目指して、今後とも粘り強い運動に取り組んでいくことを確認しました。 

 25日、根室市内の「北方四島交流センター」(ニホロ)において、全国各地から組合員約1,100名が参加して、「もっと知ろうヨ!北方四島」と題するフィールドワークが行われました。フィールドワークでは、「ふるさとへのわが思い」(歯舞群島・多楽島出身 浜崎とみ氏)、「四島(しま)の今を知ろう」(北連協事務局長 児玉泰子氏)、「今明らかにする日ロ返還交渉秘話」(元外務省欧亜局長・東京経済大学教授 兵藤長雄氏)、「択捉島の子供たちと運動会」(連合 阿部道郎総合組織局長)、「検証・深刻化する北方四島の自然破壊」(北の海の動物センター理事・毎日新聞記者 本間浩昭氏)などのセミナーが行われ、北方領土問題への認識を深めました。
 26日には、納沙布岬・望郷の岬公園で、連合組合員、元島民、根室市民など約2,000人が結集して、「北方領土返還要求2004平和ノサップ集会&ふれ合い祭り」が開催されました。
 ノサツプ集会の冒頭、主催者を代表してあいさつに立った連合草野事務局長は、連合の今日までの返還運動への取り組みと領土問題解決の意義について述べ、参加者に対しては、「北方領土問題を風化させないため、各職場・地域でこの問題について議論を深めてもらいたい。また、択捉島に戦前の日本の建物2棟が残っているが、この2つの建物こそ日本人が島で暮らしていた証であり、保存運動を全国で取り組んでもらいたい」と呼びかけました。
 続いて、地元地方連合を代表して連合北海道渡部会長が、「私たち北海道に住む者は、領土問題の平和的解決を日々期待し、一日も早い“平和条約”の実現を願っている。今年も行われた沖縄米軍の矢臼別実弾移転訓練は日ロ友好を阻害するものであり、断じて容認できない」と述べ、「地元北海道として領土問題解決のため、今後も全力で取り組んでいく」との決意を表明しました。
 その後、連合長崎緒方副事務局長から「平和メッセージ」があり、続いて6月の沖縄から長崎、北海道・根室へとリレーされてきた「平和の旗」が渡部会長から連合沖縄狩俣会長に引き継がれました。
 最後に、「この“平和行動in根室”の成果を職場や地域に持ち帰り、全国から北方領土返還要求運動を粘り強く取り 組んでいくことを誓い合おう」との集会アピールを満場の拍手で採択して終了しました。 


民間初のビザなし交流実施
「連合の船」を国後島に派遣−北海道からは10名が参加

  民間としては初となる連合中央によるビザなし交流「連合の船」が9月23、24日の2日間、草野事務局長を団長に国後島に派遣され、89名(構成組織・地方連合65名、元島民、北方領土運動関係者、政府関係者、マスコミなど24名)が参加しました。北海道関係では、連合北海道から2名(桜田広報道民運動部長、阿部同副部長)、釧根地協3名、根室地区連合5名が派遣されました。 23日夕方に根室港を出港した「連合の船」は、その日の夜に上陸地である古釜布港沖に到着し、船内で宿泊。  翌24日、水深がわずか2mしかないため艀で古釜布港に入港。まず、草野団長以下代表団5名が南クリル地区行政府を表敬訪問しました。行政府では、草野団長が今回の「連合の船」の目的を説明した上で、北方四島の早期返還を訴えました。これに対し、行政府側は、領土問題はあくまで中央政府の所管であるが、ビザなし交流などの各種交流を通じて相互理解を深めていくことが重要、と述べるにとどまりました。その他の団員は、3班に分かれて南クリル発電所、郷土史博物館、幼稚園などの見学を行いました。その後、全員で中等学校(日本の小・中・高を併せたもので11年制。7歳から18歳までの生徒が就学)の視察し授業を参観。 続いて、行政府講堂において現地ロシア人島民との交流会を開催。交流会では、草野団長から現地の子供たちに各種スポーツ用品が贈呈されるとともに、日本側から沖縄電労組合員による沖縄古典舞踊「エイサー」が演じられ、島側からは子供による歌と踊りが披露されました。最後に、市場視 察・買い物などを行い、24日夕方、全員無事に根室港に帰港しました。 


台風18号被害への支援活動
余市農協のリンゴ販売に協力 
 連合北海道は、道内史上まれに見る大きな被害となった台風18号について産別・地協・地区連合を通じて被災状況の収集・調査を行うとともに、被災者に対する義援金カンパの取り組みも実施してきています。 後志地協からは、被害が甚大であった管内の果樹落果(リンゴ)被災に関して協力要請がありました。これを受けて、連合北海道では余市農協が各団体に協力要請を行っているリンゴ販売(落ちリンゴではないものの台風の風雨により商品としては出荷できない)について積極的な取り組みを行いました。  生鮮食品ということで緊急の短期間での取り組みとなりましたが、1,237箱(40玉入り)と予想をはるかに上回る申し込みをいただきました。 各産別・単組・組合員の皆さんの特段のご協力に対し、心から感謝申しあげます。