2003.8



季節労働者の生活と雇用を守ろう
「冬期雇用援護制度」の存続・延長を!!


 北海道の重点課題の一つであり、季節労働者の生活と地域経済維持に重要な役割を果たしている冬期雇用援護制度は、来年3月の期限れを控え、厚生労働省では雇用保険財政の悪化を理由に、この制度の今後のあり方について廃止も含めて検討を進めており、その存続延長が最大の危機を迎えています。
 連合北海道では、当該産別である道季労・全建総連と連携し、要請行動など各種取り組みを行ってきており、情勢は厳しいものがありますが、今後とも制度の存続・延長に向け粘り強い取り組みを行っていきます。

 連合北海道と当該産別の道季労・全建総連は「冬期雇用援護制度」の存続・延長を求めて、厚生労働大臣、北海道知事、各政党などへの要請行動をはじめ、集会・街宣・座り込み行動などの各種取り組みを行ってきました。
 8月4日・11日には連合北海道と厚労省との間で事務折衝がもたれましたが、8月6日に「通年雇用安定給付金制度」の自民党見直し案が出されたため、8月8日には道(吉澤副知事)に対し、自民党案の修正に向けた対策について申し入れを行いました。さらに、8月18日には「季節・建設労働問題対策委員会緊急三役会議」を開催し、制度存続に向けた今後の取り組みについて協議し、道(山口副知事)に対し、国の概算要求の最終まとめを控え、厚生労働省への対応を要請し、これを受けて道では、厚生労働省に自民党案の問題点改善を要請しました。
 8月22日には、北海道労働局に対し、制度の存続の要請とこれまでの厚生労働省の対応について抗議を行いました。さらに、連合本部と合同で、厚生労働省に対し、下記の内容で制度の存続の要請を行うとともに、これまでの厚生労働省の対応について抗議を行いました。8月26日には、連合本部の村上副事務局長、龍井総合労働局長が、厚生労働省に対し、再度この制度の存続延長について要請を行いました。


平和行動in広島、長崎
職場や地域で平和運動に取り組むことを誓い合う


 58回目の慰霊の日を迎え、連合は「つなげよう、ひろげよう 世界の平和と人権」を統一スローガンに、8月5日に「平和行動in広島」、8月8・9日に「平和行動in長崎」が実施され、連合北海道は17名が参加しました。6月に沖縄からリレーされた平和の願いは、広島、長崎を経て9月19・20日の北海道・根室に受け継がれます。

 原水禁、核禁会議の共催により開催された「2003平和ヒロシマ集会」「2003平和ナガサキ集会」には、それぞれ2600人・2000人の仲間が参加。笹森会長は、「連合はいかなる戦争にも反対する。どんな理由があろうとも戦争を許してはいけない。そして、いかなる国であっても核兵器の保有を許さない。どんな理由があろうともそれを使用することがあってはならない」と強調し、平和の大切さ、戦争の悲惨さを風化させないよう、世界にメッセージを発信しつづけるよう呼びかけました。
 平和行動in広島では「2003平和ヒロシマ集会」の他に、「ピースウォーク」「平和セミナー」などが実施されましした。
 「ピースウォーク」は、連合広島の青年・女性委員会がピースガイドとなって平和記念公園内の慰霊碑、祈念碑などを巡りました。
 「平和セミナー」は3会場に分かれて行われ、第1セミナーでは広島県被団協・坪井直事務局長の「被爆体験」と、大分など地方連合の「地域での平和運動の取り組み」報告(昨年は連合北海道が報告)。第2セミナーでは拓殖大学の重村智計教授による「北東アジアの非核化と平和構築」についての講演。第3セミナーでは日本NPOセンターの星野昌子理事長、日本国際ボランティアセンターの清水俊弘事務局長らを迎え、「労働組合とNGOの連携」について意見交換が行われました。
 平和行動in長崎での「2003平和ナガサキ集会」では、6月に沖縄からリレーされた「平和の旗」が、広島・長崎を経て北海道・根室に受け継がれ、連合北海道を代表して山田剛組織道民運動部長が「受け継がれてきた平和の旗は大変重く感じている。平和なくして労働運動は無く、職場や地域で平和への取り組みを、さらに強めていくことを誓う」と述べるとともに「平和行動 in 根室」への全国からの参加を呼びかけました
 翌9日は「在外被爆者の現状と支援活動」をテーマにシンポジウムが開催され、パネリストに長崎県原爆被爆対策課の仲野課長、長崎友愛病院の茅野院長、在日本大韓民国居留民団広島県地方本部の姜(カン)原爆対策委員長、連合長崎の高石事務局長を迎え、在外被爆者への支援事業の移り変わり、在韓被爆者の追跡調査報告、韓国国内における被爆者医療の現状などについて意見交換を行いました。


沖縄米軍の矢臼別移転訓練反対
政府への対応強化を道に要請


 連合北海道は、日本、特に冷戦の最前線であった北海道の軍縮を進める観点から、在日米軍の整理縮小と「日米地位協定」の見直しを求めてきました。また、沖縄での実弾演習の国内移転については、北方領土返還の実現を阻害する恐れがあることを指摘し、国に移転中止を強く求めてきました。
 しかし、本年も9月9日から22日までのうち10日間、自衛隊矢臼別演習場において、通算6回目の米軍実弾移転演習が実施が予定されていることから、連合北海道と北海道農民連盟は、8月8日に道に対し@米軍演習の固定化反対、A夜間訓練の中止、B隊員の自由外出禁止、C在日米軍の整理縮小と「日米地位協定の見直し」−の4点のついて、政府への対応を強めていくよう要請しました。
 これに対し、道側からは、「道としても、実弾演習は“受け入れがたい”という基本姿勢はいささかも変わっておらず、地元関係町との連携を図り、政府に対する申し入れを強めていきたい」との回答がありました。


電源立地交付金問題で道に対し申し入れ

 連合北海道、民主党北海道、道民社協会、道平和運動フォーラムの4団体は、7月31日に幌延深地層研究センターの着工に伴い、近隣の対象となる自治体が申請を行えば電源立地交付金が交付される問題で、交付金を申請する自治体に対し、「条例」や「協定」の遵守を文書で確認するよう、道に要請を行いました。
 これに対し、対応者の吉澤道副知事は「条例や協定が遵守されることが大事であり、隣接自治体においても、何らかの形で書面に残るよう取り組みたい」と回答しました。
<要請内容>
  核燃料サイクル開発機構幌延深地層研究センターの事業展開にあたっては、将来にわたって「北海道における特定 放射性廃棄物に関する条例」並びに「幌延町における深地層の研究に関する協定」の遵守されることは、施設設置や 研究計画の円滑な推進のための最も重要な条件である。
  したがって、幌延深地層研究センターの着工に係る所在・隣接自治体の交付金申請に際しても、上記事項などの北 海道方針を十分説明して、文書で確認すること。

食・みどり・水を守る道民の会で
WTO閣僚会議を目前に「学習会」を開催


 「食・みどり・水を守る島民の会」(連合北海道・道農連)では、9月10日からメキシコにおいて開催されるWTO閣僚会議を目前にして、北海道・日本のみならず、途上国を中心とする各国に多大な影響を与える「WTO農業交渉」について、理解を深めるとともに今後の「道民の会」の運動に資するために、産別・道農連など150名が参加して、「WTO学習会」を開催しました。
 学習会では、はじめに「タイにおける農村社会の自立に向けて」と題する基調講演が行われ、その中で、講師のウボン・ユーワー氏(タイ・農村活動家)は、「タイでは自由貿易体制を積極的に進め、農産物輸出の促進を図っているが、しかしその陰で農村は疲弊し、農家は増大する借金にあえいでいる。特に、農業を唯一の産業とする東北タイでは、農家は平均月収の1.5から2倍の借金を抱え、出稼ぎ常習地帯となっている」とタイ農村地帯の現状を報告し、「一方、こうした現実に立ち向かう農民の運動も着実に広がっており、地域レベルで単一作物の大量生産から、自給と地場消費をめざす複合農業への転換、伝統的な農民の智恵を取り戻そうという試みなどを行っている」と述べました。
 続いて、北海道農民連盟の西原淳一書記長(道民の会副会長)から、WTO農業交渉におけるこれまでの経過と今後の交渉スケジュール、北海道農業の課題について報告があり、WTO農業交渉にあたっては、農家の多面的機能発揮と食料の安全保障、自給率向上ができるよう確固たる姿勢で臨み、提案されている閣僚宣言案には合意しないよう、「道民の会」としても強く求めていきたい、との決意を述べました。


2003年度 北海道地域最低賃金決定
2年連続で現行水準(時間額637円)据え置き


 北海道の地域別最低賃金の改定審議は、8月6日、2年連続の据え置き(時間額 637円)で結審し、残念ながら今年も引き上げ改訂にはしいたりませんでした。
 北海道の審議に先立ち行われた、今年度の中央最低賃金審議会における目安額の改定審議では、使用者側は当初より引き下げを強く要求したのに対し、労働側は社会的に影響力ある水準への「目に見える改善」につながる決定を主張し真っ向から対決する中、公益委員見解が出され、「引き上げ額目安0円」の決定がなされました。
 このように昨年に引き続き目安額が据え置かれるという厳しい状況の下、北海道の最低賃金の改定審議が行われました。審議経過としては、使用者側の据え置き要求と労働側のプラス1円の引き上げ要求が平行線のまま推移し、公益側委員による意見取りまとめがなされ、最終的に公・使賛成、労側反対により「現行どおり」で決定しました。今後、異議申し立て期間、公示期間を経て本年10月1日から発効されます。
 なお、産業別最賃については、産業別最賃の必要性について「有」で公労使の一致を見ていますが、今後、地域最賃据え置きの結果を受けた中での産業別最賃改定の審議となり、労働者側にとってはこれまで以上に厳しい審議状況が予想され、鉄鋼・造船・電機・食品の4業種の12月1日発効に向けて、万全の体制で臨んでいくこととします。
 ハイ・タク最賃新設については、本年度も各単組で合意決議、署名の集約を行ったが、残念ながら申し出件数を満たす状況にいたりませんでした。今後の具体的な取り組みについては、ハイ・タク最賃の作業委員会を9月に開催し、協議・検討を行っていきます。さらに、ハイ・タク最賃新設の意義や最賃制度の仕組み等について認識を深め、意思統一を図る必要があり、当該産別、単組段階での学習会や啓蒙活動に取り組むこととします。
 産業別最賃の改定決定へ向けたこれまでの取り組みは、4業種ともすでに2月末までに改正のための意見表明がなされ、7月末までに改正の申し出も終えており、本年も鉄鋼・造船・電機の3業種が労働協約ケース、食品の公正競争ケースとなっています。

<2003年度(平成15年度)北海道最低賃金の改正決定の内容>

 時間額 637円、 引き上げ額 0円、 引き上げ率 0% 

 ※発 行 日  平成15年10月1日指定発効
 ※結審状況  公益・使側賛成、労側反対で結審