No.119 2003 3.1



2003春季生活闘争
すべての働くものの雇用と生活を守ろう!

 2003春季生活闘争本部は2月3日、第1回拡大闘争委員会開催し、「当面の進め方(1)」を全体で確認しました。
 続いて行われた「2003春季生活闘争北海道ブロック決起集会」では、連合本部笹森会長から「情勢報告と問題提起」があり、最後に集会アピールを採択し、産別・地協が一体となって取り組んでいくことを誓い合いました。
 2月7日には札幌パルコ前において、「春季生活闘争開始宣言」の街頭宣伝行動を実施。道行く市民に、今春季生活闘争の意義と課題について訴えました。
 戦後最悪の経済情勢下で、昨年以上の厳しい労使交渉が予想されますが、今春季生活闘争を、未組織も含めたす
べての勤労者の雇用と生活を守る闘いと位置付け、連合北海道の組織の総力をあげて取り組んでいきます。




2003春季生活闘争北海道ブロック決起集会アピール
 日本社会は、いま、先行き不安におおわれ、勤労者・国民は日々の生活を守ることに追われている。急増する自己破産や生活保護世帯、そして98年から4年連続で3万人を超えた自殺者、凶悪犯罪の増加などは、社会全体が疲弊・荒廃し、危機的状況に追いつめられていることを物語っている。
 失業率は戦後最悪を更新し続け、景気は不良債権処理の加速化によりますます悪化する危険性をはらんでいる。にもかかわらず、政府の雇用対策・景気対策は不充分なものにとどまり、その一方で、健康保険の改悪、配偶者特別控除の廃止、雇用保険の給付削減や発泡酒・たばこ税の引き上げにより、2兆円にのぼる新たな国民負担増を押しつけようとしている。さらに今国会において政府は、企業にとって使い勝手のよい、派遣労働や裁量労働制の拡大を目的とした法案を提出しようとしている。
 今国会はまさに「雇用国会」であり、われわれは、景気回復と雇用の維持・創出にむけた政府予算案の組み替えを求める。雇用保険や派遣法・労働基準法などの労働法制の改悪を、絶対に許すわけにはいかない。
 一方経営側は、競争力強化のための人件費抑制のみに固執し、「定昇凍結」や「春闘終えん」を叫んでいる。
 われわれは、こうした経営側の姿勢を許さず、断固とした決意で立ち向かい、雇用維持という社会的責任を果たすよう強く求めていく。
 同時に、われわれは、春季生活闘争の再構築にチャレンジしていかなければならない。すべての組合が「賃金カーブ確保」「パート労働者の賃金引き上げ」「不払い残業撲滅」に取り組むとともに、中小・地場組合の格差是正・労働条件底上げの大きなうねりをつくっていかなければならない。
 現在の雇用・生活危機をいかに突破するか、労働組合への期待は、従来以上に強まっている。労働者一人ひとりの怒りを行動へと結集していかなければならない。この集会を起点に、未組織、パート労働者を含むすべての働く仲間たちに闘いの渦を広げ、安心、安定の生活・雇用・社会を創り出そう。
 われわれ労働者は、本気で怒っている。本集会をかわきりに、「雇用全国行動」を展開し、すべての職場・地域から行動を起こそう。 以上、宣言する。
 2003年2月3日                  2003春季生活闘争北海道ブロック決起集会 │


 「北海道ブロック決起集会」で連合本部・笹森会長から、@2000年から始まった「アクションルート47」における課題、A2003春季生活闘争における連合の役割と課題、B連合の政治課題の3点について提起がありました。

<笹森会長 情勢報告と問題提起>(要約)

●「アクションルート47」における課題
□組織の強化拡大
 地域をまわってみて、労働組合の無用論・厳しい風当たりを予想していたが、実際は期待論が多く逆だった。 労働運動の社会的使命を果たすためには、労働組合自らの改革もすすめ、求心力を高めることが必要だ。
 特に、地域の果たす役割は、組合員にとどまらず勤労者全体の向上をめざす闘いとして、今後さらに重要となっていくだろう。
□ストップ・ザ・失業
 我が国は、いま未経験の高失業時代に入っている。不良債権の整理が進めば6〜7%になると言われ、就職をあきらめた層も入れると実際には10%を超えていると言われている。
 地域をまわってみると中小企業が疲弊しているのが実感できる。雇用問題と失業者問題に真剣に取り組んでいくのが、労働組合運動の本来の使命であり、連合運動の中心に雇用問題を特化させているゆえんである。
●2003春季生活闘争における連合の役割と課題
□春闘の改革とベアゼロ論
 5年前の98春闘では、5%、15,000円の要求だった。経済闘争もインフレとデフレとでは異なって当たり前なのに、労働組合の対応は変化がない。一方、経営側も98春闘では「企業業績を無視して賃上げの横並びはお かしい」と春闘統一要求を批判していたのに、いまは、「ベアゼロ。賃下げやむなし」で画一的な対応を行って いる。しかし、日経連も「賃下げ」まではいっておらず、むしろ、一時的な抑制はあり得るものの、賃下げは不 可能だといっている。見出しで踊る「賃下げ」に惑わされてはいけない。賃上げの条件が整うところを孤立させ ないようにしたい。
 「物価はマイナス」に対応する「賃上げゼロ」に反論できないでいるが、「カーブ維持分」は明かな賃上げであり、根っからゼロではないことを主張しよう。
□重要な課題
 不払い残業の撲滅は、150万の雇用を生み出す。本来は残業自体をなくす運動が必要だ。残業を含め週60時間労働の実態がある。これらを雇用に転化することは労働運動自らに問われるものである。また、パート労働者の問題では、パート・契約社員の正社員化を追求する。「短時間労働の正社員」を考えることである。
●連合の政治課題
□156通常国会
 156通常国会前半が生活(雇用・労働・生活関連)国会であり、雇用対策補正予算が労使に示された。
 しかし、その効果が十分に現れない場合は、4・5月に昨年のゼネラルアクションを大きく上回る規模の総行動に取り組む必要がある。労働条件問題では、公正労働ルールの法制化を求めていく。
□政治と労働運動
 1955年、保守合同により自民党が誕生。また、社会党の左右分裂で民社党が生まれ、55年体制ができた。
 その後、92年には新党ブーム。93年自民党が分裂し、新党さきがけ・新生党ができて自民党の過半数割れが 起きた。結果、7党と会派により細川内閣が誕生し、その後、自社さの村山政権、97年には同じ枠組みながら 橋本政権に。次いで、自自連立、自自公の小渕政権、自公保の森政権から小泉政権へとつながるが、この間変化 が無かった政党は共産党だけで、21の政党が消長を重ねた。このようなめまぐるしい政治背景のもとで、連合 の政治方針は93年に作られ、?@国の基本政策、?A政権の姿、?B政党協力(目的と政策が一致する政党)と政治 家との協力を入れ込んだが、これに付随する「確認事項」では、政党との関係を93年時点では「産別自決」と し、97年の再論議では「民主党主軸」としてきた。
 しかし、政策実現の運動としては、連立政権における自民党との対応のあり方を決めなければならないことから、政治方針の見直しを議論する準備を進めている。
 運動方針から見ても、政権への対応は、「いかなる政党とも対応、是々非々」であり、政党との対応は「民主党中心、与党とも」になっているし、選挙協力は「その時点で決定」となっている。
 したがって、政策協議は「共産党を除くすべての政党」を対象にしなければならず、それにより政策の前進を目指す必要がある。

なんでも相談ダイヤル 春季集中相談実施

 2月13、14日の2日間、道内17ヶ所で、「2003春季なんでも集中相談ダイヤル」を実施しました。
 この相談ダイヤルは、中小・パート労働者対策として組織化等を主目的に例年行っているもので、期間中、戦後最悪の不況が続く経済情勢を反映して、人数で136名(昨年度71名)、件数で223件(昨年度123件)の相談を受け付けました。
 相談内容については、賃金未払い、残業手当、労働時間・休憩・休日、解雇・退職・契約打切りに関する相談が過半数を占めています。
 特に、今回は2月10日から16日に展開した全国一斉の「不払い残業撲滅キャンペーン」の期間中に実施したため、マスコミ等にも大きく取り上げられた効果もあり、相談者数、件数とも昨年に比べ大きく増えました。
 とりわけ、「残業手当」に関する相談のほぼ全部が「不払い(サービス)残業」についてであり、この問題がいかに多くの職場に蔓延し根深いものであるかを物語っています。中には、職場に労働組合があるものの、全く放置されていると訴える相談もあり、改めて産別・単組が職場の末端まで総点検する必要性を痛感させられました。
 連合北海道では、この相談結果を、道内経済団体、北海道労働局などに対する要請の場に生かしていきます。

西村食品従業員支援の物品販売にご支援・ご協力を

 札幌の西村食品工業?鰍ェ、2月6日に札幌地裁に対し自己破産を申請(7日、破産宣告)し、同日、全従業員(約300人)に解雇通告が言い渡されました。
 これを受けて、従業員組合(フード連合加盟)では、翌7日に従業員全員集会を開催し、労組の継続、執行体制の強化等により一致団結して今後の対応に全力で取り組むことを確認しました。しかし、土地・建物すべてが担保に入っていることに加え、税金の未納もあることから労務債の確保は極めて厳しい状況にあります。さらに、厳しい雇用情勢における再就職への不安も大きなものとなっています。
 従業員組合では、管財人との話し合いの結果、現在在庫している商品の販売により売上金を労務債の一部に充てることで合意しました。
 このため、フード連合は西村食品従業員組合に対する支援行動を展開することとし、連合北海道に対しも、再就職支援並びに物品販売(ケーキ・菓子)への協力要請がありました。
 具体的には、フード連合及び西村食品従業員組合役員が各産別に対し物品販売協力のお願いにお伺いしますので、
特段のご支援・ご協力をお願いします。詳細については、西村食品従業員組合までお問い合わせ願います。
(問い合わせ先) │
  札幌市西区八軒1条東2丁目2−62
  西村食品従業員組合 │
   TEL 011−641−0142 FAX 011−612−0884

連合室蘭に「コープクレア対策委員会」を設置

 日本製鋼所の購買組織であるコープクレアは、昨年秋頃から運転資金が行き詰まり、経営悪化が進み、2月5日に札幌地裁に対し自己破産を申請(同日、破産宣告)し、全従業員(約460人)に解雇通告が言い渡されました。
 これを受けて、連合室蘭では、当該産別(JAM北海道)・コープクレア労働組合を加えた「連合室蘭コープクレア対策委員会」を設置し、生活資金、雇用対策を進めています。
 2月12日には、胆振支庁・室蘭市・室蘭公共職業安定所に対し、雇用対策、生活相談への対応等について要請を行いました。さらに、生活資金・ローン返済等の相談窓口を設置し、労働金庫と連携・協力して対応を進めています。

商業港・民間港の軍港化は許さない!
米軍艦の小樽港入港で反対集会を実施


 連合北海道をはじめとする多くの平和を求める道民の反対の声を無視して、米国海軍の揚陸指揮艦「ブルーリッジ」が、2月8日から12日までの間、小樽港に入港しました。
 これを受けて、入港当日の8日、早朝7時40分から現地小樽港において「小樽港軍港化反対!ブルーリッジ小樽港寄港抗議集会」を約500名の組合員の参加のもと開催しました。
 集会では、まず主催者を代表し連合小樽会田会長が「入港に反対する小樽市民の声を無視して、今回もまた米軍艦の入港が行われた。度重なる米軍艦の民間港である小樽港への入港は、民間港を準軍港として固定化し、“日米新ガイドライン”による自治体協力をなし崩しに進めるものであり、とうてい認められるものではない」とし、さらに「巨大軍艦の寄港は、商業港の経済活動に大きな障害を発生させ、港湾労働者をはじめ関係者に多くの不利益を生じさせる」と強く抗議。続いて、連帯挨拶に立った連合北海道の田中副事務局長は「ブルーリッジは、第七艦隊の旗艦として核兵器戦略のかなめをなすものである」とし、さらに、「米国のイラク攻撃問題・北朝鮮の核開発問題など緊迫する国際情勢の中での寄港であり、ますます極東地域の緊張を高めることなど、北海道の平和に多大の悪影響を与えるものであり、絶対に認めることはできない」と訴えました。