No.113  2002.8.31



原爆の恐ろしさ、命の尊さを次世代へ
平和 in 広島・長崎に19名が参加

 57回目の慰霊の日を迎え、広島・長崎で行われた「平和 in 広島・長崎」の諸行動に、秋田副会長(長崎)・村田副事務局長(広島)を団長とする連合北海道代表団19名が参加しました。6月に沖縄からリレーされた平和の願いは、広島、長崎を経て9月の北海道・根室に受け継がれます。

 8月5日の「2001連合平和ヒロシマ集会」は広島厚生年金会館に約2500人、8日の「2001連合平和ナガサキ集会」は長崎市公会堂に約2000人が集まり開催されました。
 主催団体(連合・原水禁・核禁会議)を代表して挨拶に立った榊原連合会長代行は「この世の地獄をもたらした核兵器が世界に約3万発も存在する。核戦争は確実に人類の破滅をもたらすにもかかわらず、米国・ブッシュ政権の核戦力の強化をはかる動きが新たなる緊張を生み、核兵器廃絶と世界平和の流れに逆行するものとなっている。核兵器保有国のインドとパキスタンの軍事的対立も核戦争への危機をもたらしている。こうした情勢下にもかかわらず、福田康夫官房長官が『非核三原則の見直し発言』を行ない、第154国会には有事関連3法案が提出された。これは平和に逆行する動きであり、到底容認できない。私たちはわが国の国是である非核三原則の法制化をはじめ、内外の被爆者の国家補償など、被爆者援護法の改正を求める。核兵器廃絶と世界の恒久平和実現に向け、平和運動を職場や地域で強力に取り組む。働くものの国際連帯と共同行動に起ちあがり、北東アジアの緊張緩和・非核地帯化など、平和への環境づくりに貢献していく」と述べました。
 今年の連合平和行動は集会だけではなく「平和 in 広島・長崎」として分科会・シンポジウムが開催されました。
 広島での第1分科会では「職場・地域における平和運動の取り組み」として、地方連合会・構成組織の報告・提起をもとにした運動交流が行われ、村田団長が、臨界前核実験、空母・軍艦の道内商業港入港、米軍の矢臼別実弾移転演習など、連合北海道の平和の取り組みを報告しました。
 また、長崎集会では6月に沖縄からリレーされた「平和の旗」が、北海道・根室に受け継がれ、秋田団長が「沖縄・広島・長崎と受け継がれてきた平和の旗を手にし、大変重く感じている。平和行動in根室が実施されるその時、沖縄米軍の実弾演習が矢臼別で行われている。北方領土に近接する矢臼別での米軍演習は北方領土返還の実現を阻害する」と述べるとともに「平和行動 in 根室」への全国からの参加を呼びかけました
 連合北海道参加者は、平和集会・分科会に参加し、また、広島では原爆ドーム・資料館等の視察や慰霊碑巡りを、長崎では平和公園・資料館の視察などを行いました。参加者全員が、戦争の恐ろしさ・核兵器の悲惨さ・平和の尊さを痛感するとともに、ヒロシマ・ナガサキを語り継ぎ、職場や地域で平和への取り組みを強めていくことを誓い合いました。






2002年度 北海道地域別最低賃金決定
現行水準(時間額637円)据え置き

 8月7日の北海道最低賃金審議会において、平成14年度(2002年度)の地域別最低賃金が決定されました。
 今年度から地域別最低賃金の額については、従来の日額・時間額方式から時間額のみの改定となりました。
 決定の内容は、現行水準(時間額637円)の通りとするもので、今後、異議申し立て期間、公示期間を経て本年10月1日から発効されます。
 なお、金額改正審議にあたっては、中央最賃審議会において、経営側の引き下げ要求と賃金改定凍結・引き下げ事業所が約6割に上るなどの中小零細企業の経営環境等から、公益見解「目安」が具体的に示されなかったこともあり、労働側は現行水準の維持を基本としながらも最大限の実額引き上げを目指しました。しかし最終的には使用者側は「現行通り」、労働側は「プラス1円」を強く主張したものの、公益見解「現行通り」が示され、現行通りで結審しました。 

<2002年度(平成14年度)北海道最低賃金の改正決定の内容>

 時間額 637円、 引き上げ額 0円、 引き上げ率 0% 


 ※発 行 日  平成14年10月1日指定発効
 ※結審状況  公益・使側賛成、労側反対で結審


政策集中セミナー開催
統一地方選挙における政策の確立を目指して


 連合北海道は、8月5・6日の2日間、札幌市・ホテルさっぽろ弥生において、政策検討委員会委員及び産別政策担当者約40名が参加して、明春の統一地方選挙における政策の確立を目指して「政策集中セミナー」を開催し、各方面の専門家から北海道の抱える諸々の課題について説明・講演を受けました。
 今後セミナーでの講演内容を参考に、連合北海道として統一地方選挙における政策づくりに取り組んでいくことが確認されました。
 セミナーでは、第1日目の5日には、旭川大学川村喜芳教授による「北海道地域政府の確立への課題〜道州制、支庁改革、市町村合併」、日本労働研究機構亀山直幸常任参与による「新しい労働社会と地域雇用・労働政策」、北海道大学大学院地球環境科学研究科小野有五教授による「循環型地域社会の構築に向けた課題と政策方向」の講演がそれぞれ行われました。
 2日目は、拓殖大学北海道短期大学相馬暁教授による「21世紀の北海道農業の課題と方向」、小樽商科大学ビジネス総合センター下川哲央教授による「北海道の地域産業の課題と発展方向」、北海道大学大学院文学研究科金子勇教授による「少子・高齢社会の進展と地域福祉政策」の講演が行われました。
 また、第1日目(5日)終了後の17時30分からは、ニセコでの第2回政策委員会で設置を決定した「2003年度統一地方選挙第1回政策検討委員会」を開催し、統一自治体選挙政策の立案作業の今後の進め方について協議しました。


冬季公共工事の予算執行システムの知事発言に関し
道へ申し入れ実施

 過日、建設業界関係大会において、知事が冬期間の公共工事を避けるために発注年度を超えて翌年度4,5月まで延長する新北海道基準の導入に前向きに取り組む考えを示した旨の報道がされました。
 連合北海道では、この発言内容は、冬季寒冷地施工の研究や冬期増嵩経費等による季節労働者を含めた通年就労、通年雇用化に向けた北海道の長年積み上げてきた努力をみたとき、極めて唐突であり、大変な危惧を持たざるを得ないとしの観点から、8月2日に関係産別である道季労・全建総連とともに、道(山口副知事)に対し知事の発言内容の真意の説明をはじめとする申し入れを実施し、道からは、次の通りの回答がありました。
<回答内容>
1.新聞報道にあった発言は、当日、事前に北海道建青会から「北海道の気象条件に配慮 した公共事業の推進」に関して要請があり、大会の挨拶の中で、その要請を踏まえ発言 したもの。発言の趣旨は、今後、公共事業をめぐる環境がさらに厳しさを増すことを踏 まえ、公共工事の工期を年度を超えて3ヶ月程度のばすなど、工事期限を弾力的に扱う ことにより、工事の質の向上が図られると同時に、現状では発注の少ない春先の雇用の 確保や積雪、厳寒期を避けることによる冬期工事のコスト高の緩和あるいは工事の安全 施工にもつながるという観点に立って発言したものであり、あくまでも、通年雇用を図 る冬期工事の確保は従前通りとし、その工事期限を柔軟に措置するものである。
2.季節労働者の通年雇用化を進めていくことは道政の重要課題と認識している。このた め、道独自の施策として、冬期増嵩経費措置事業による冬期における工事量の確保や、 端境期対策としてのゼロ道債措置事業による公共事業の平準化に努めており、引きつづ きこれら施策を推進していく。国においては、雇用保険の財政状況が大変厳しいことか ら、各種制度の見直しについて検討が行われているが、通年雇用安定給付金制度は、本 道の季節労働者の通年雇用化のために必要不可欠な制度であると考えており、引き続き、 制度の存続・延長に向けて取り組んでいく。


官公部門連絡会が全道総決起集会開催
人事院勧告期闘争勝利・民主的な公務員制度確立を求めて

 連合北海道では、連合北海道官公部門連絡会と連携して、全国1,000万人署名をはじめ街頭行動など「民主的な公務員制度の確立」にむけた取り組みを行ってきました。
 その取り組みの一環として、8月5日には、連合北海道官公部門連絡会主催による「人事院勧告期闘争勝利・民主的な公務員制度確立全道総決起集会」が札幌市・ホテルユニオンにおいて開催され、「人事院への要求事項」と「公務員制度改革に対する今後の取り組み」について決定するとともに、要求実現まで粘り強い取り組みを行っていくことを確認しました。
<人事院への要求事項>
@公務員の生活を維持・防衛するための賃金水準(給料・諸手当・一時金)を確保し、配 分を含め公務員連絡会との十分な交渉・協議と合意に基づく給与勧告を行うこと。
A公務員の年間総労働時間を1,800時間程度に短縮するため、所定内労働時間の短縮、 休暇制度拡充に向けた検討を進め、実効ある年次有給休暇の完全取得策、時間外労働縮 減策を講じること。
B男女平等参画促進のため、育児休業・介護休暇の男性取得促進の具体策を講じること。 女性職員の採用・登用の拡大に関する指針に基づき策定された計画を実行するための推 進体制を確立すること。
<公務員制度改革に対する今後の取り組み>
  公務における労働基本権確立と、抜本的かつ民主的な公務員制度改革の実現を目指す 取り組みが、いま重要な局面を迎えており、ILOにおける国際労働基準確立の闘いと も連携しながら、「1,00万人署名」の取り組みを成功させ、天下りを温存しキャリ ア官僚を優遇する「公務員制度改革大綱」の撤回を目指す取り組みに全力をあげていく。


産廃税に関する対道要請実施
7項目にわたる要求事項を提出


 連合北海道は、8月21日の第9回執行委員会において、北海道が第3回定例道議会に提出し、2003年4月より施行を予定している「産業廃棄物循環促進法(以下産廃税)」について協議し、産廃税は、北海道において「ゴミゼロ社会」「資源循環型社会」の実現を図るため、これまでの政策手段に加え、新たな課税措置を執ることにより、産業廃棄物の「減量化」や「再資源化」を進めることに有効な手段であると考えるが、行政の体制整備や事業者が対応する十分な準備期間が必要であることから、来年4月からの施行には反対であることを確認しました。また、産別からは負担増嵩による影響を懸念する声もあり、事業者が排出する産廃物の減量化や再資源化を図るための設備投資や技術開発等に対する助成制度については、産廃税の施行に先立って実施するよう道に求めることとしました。
 この執行委員会の決定を受けて、連合北海道は「産廃税」を道民の理解と協力のもとに円滑に導入し実効あるものとするため、8月21日道に対し7項目にわたる要請書を提出し、道から十分な回答が得られるならば導入を認めるとしました。
<要請事項>
1.条例の制定から十分な周知期間を設け導入すること。
2.税の導入前に事業者が産業廃棄物の減量化・再資源化などに対応するための準備期間 を確保するとともに技術開発の支援強化及びそのための設備投資等に対する助成制度・ 融資制度を明らかにし、前倒して実施すること(あらかじめ支援策)。
3.産業廃棄物の再資源化の促進に伴い発生する「資源ゴミ」の利活用を促進するため、 企業と企業を結ぶ情報提供システムを構築すること。特に、多量排出事業者の産廃につ いては、十分な対策を講じること。
4.産業廃棄物の発生・排出抑制、減量化、再資源化のマニュアルを策定し普及・啓発に 取り組むこと。
5.他県からの産業廃棄物の道内持ち込み規制(北海道における廃棄物の処理に係る指導 指針第4項)を踏まえて厳格に対応すること。
6.税の活用の内容・税収実績等について、条例の中に説明責任を盛り込み、道民の理解 と協力を得られるように努めること。
7.不法投棄対策を強化すること。


米国の臨界前核実験に抗議
米国札幌総領事館に申し入れを実施

 米国は日本時間の8月30日早朝に6月8日に続き、通算18回目、ブッシュ政権下では5回目となる臨界前核実験を実施しました。
 米国はCTBT条約(包括的核実験禁止条約)の批准を否決し、あまつさえCTBTそのものを死文化させるかの態度は、核大国の責任を放棄するものであるといわざるをえません。そして、1989年以来中止していたプルトニウムピットの製造再開を行おうとするなど、米国の一連の動きは、将来にわたり核抑止政策を堅持しようとする意志を明確に表していると言わざるをえません。
 連合北海道では、臨界前核実験は米国がいかなる主張をしようとも新たな核開発につながる恐れの強い核実験であり、新たな国際緊張を生み、核兵器廃絶と世界平和の流れに逆行するものであるとの認識から、今回の実験実施を受けて、8月30日に在札幌米国総領事館に実験強行への抗議と今後の実験中止を求める要請を行いました。さらに、口頭でイラクへの武力行使に関して、国連中心・対話による平和的手法での解決を申し入れました。
 また、産別・地協では、在日米国大使館並びに在札幌米国総領事館に対し、今回の実験強行に対する抗議の打電行動を実施しました。