No.112  2002.7.31



2003年度「制度政策要求」で中央要請行動
重点要求について各省庁との交渉実施


 連合北海道は、2003年度(平成15年度)政府予算に関わる「要求と提言」について、7月18日に中央要請行動を実施しました。要請行動に先立ち、早朝より連合北海道国会議員団会議を開催し、要請書の趣旨説明とその実現に向けた協力を要請し、笠井会長を先頭に民主党道選出国会議員の同行のもと、民主党・道民連合議員会とともに各省庁に要請行動を実施しました。

 今回の要求書は、5月17日にニセコ町で開催した第2回政策委員会において確認した基本方針に基づき要求を重点化した結果、7省庁26重点項目の要求内容となりました。
 2003年度政府予算に向けた要請事項・提言の重点課題として、第1には、深刻な雇用情勢を踏まえた雇用・労働政策、第2には高齢化社会に対応する介護保険制度の見直しなど医療・福祉課題、第3は地球温暖化防止など環境対策に関わる省エネルギー・新エネルギー対策、第4には厳しい国・地方の財政状況を踏まえた、社会資本整備のあり方・総合交通政策、第5にはこれまでの地域継続課題(幌延深地層研究所・沖縄米軍移転訓練問題)などです。
 特徴的には、?@道州制を展望した地方分権の推進として、「北海道における「地方分権特区」の試行(総務省)、?A地域公共サービスに関わる入札・委託契約に際して、公正な労働条件を確保する「公契約制度の改革と公正労働基準・社会的価値の確保」(総務省・労働省)、?B食品の生産から食卓に至る安全対策(厚生労働省)、?C北海道における「農業再生特区」の推進(農林水産省)、?D介護サービス基盤の拡充とホームヘルパーの労働条件改善(厚生労働省)、?E太平洋炭鉱離職者雇用・生活対策、?F「雪氷・バイオマスエネルギー」の導入促進などです。それぞれの課題が概算要求に反映されるように強く要請しました。
 また、?@幌延深地層研究所「協定遵守」、?A特定放射性廃棄物に関する北海道条例の尊重など地域の継続課題についても、関係省庁(経済産業省、文部科学省)に要請し、それぞれ明快な回答を引き出しました。
 今後、各省庁は8月末には概算要求が確定し、本年末には政府予算案が決定することになりますが、要求の実現に向け引き続き取り組みます。

【要請先並びに要請内容】
□厚生労働省
 1.雇用の維持・安定・創出と失業者支援対策
 2.太平洋炭鉱離職者雇用・生活対策、地域雇用創出支援
 3.介護サービス基盤の拡充とホームヘルパーの労働条件改善等
 4.へき地医療対策の充実
 5.ILO94号条約(公契約における労働条項)の批准
 6.財形制度の拡充
 7.食品の生産現場から食卓に至る安全対策
□経済産業省
 1.釧路における炭鉱技術移転5カ年計画
 2.太平洋炭鉱離職者雇用・生活対策、地域雇用創出支援
 3.幌延深地層研究所の「協定順守」
 4.特定放射性廃棄物に関する北海道条例の尊重
 5.「雪氷冷熱」及び「バイオマス」エネルギー研究開発と導入促進
□文部科学省
 1.幌延深地層研究所の「協定順守」
 2.特定放射性廃棄物に関する北海道条例の尊重
 3.道内の国立大学再編・統合
 4.義務教育費国庫負担制度の堅持
□農林水産省
 1.食品の生産現場から食卓に至る安全対策
 2.有機農業への転換を促進するための直説支払制度の確立
 3.北海道における「農村再生特区」の推進
 4.「緊急間伐5カ年計画」と地球温暖化対策
□防衛庁
 1.沖縄米軍移転訓練問題
□国土交通省
 1.高速交通ネットワーク形成
 2.JR北海道の経営安定と鉄道再編
□総務省
 1.北海道における「地方分権特区」の試行
 2.産炭地域振興臨時措置法失効に伴う激変緩和措置
 3.公契約制度(自治体入札・委託契約制度)の改革と公正労働基準・社会的価値の確保

組織拡大に全力投球!
集中行動月間に各種取り組みを実施

 連合中央は本年度の組織拡大について、従来の全国一斉のキャンペーン方式から各地方で効果的に取り組むために、各地方連合独自の日程を設定して取り組むこととしました。 連合北海道では今日まで、?@直加盟組合の産別加盟対策、?A産別・連合会費は柔軟に対応、?B組織拡大実績に対する財政支援、?Cターゲット組織の再検討、?D労働相談体制の充実(さっぽろ労働相談センターの設置と支援)、等々を中心に組織拡大の取り組みを進めてきました。
 今年度については、6月7日に「組織拡大推進特別委員会」を開催し、集中行動月間を6月から7月の2ヶ月間に設定して、産別・地協・地区連合による総掛かりの体制により、取り組んでいくことを確認しました。
 この委員会の確認を受けて、連合北海道では6月から7月中旬にかけては産別が組織拡大のターゲットとした未加盟組合への点検オルグ活動を実施し組織化の進捗状況について把握する活動に取り組みました。7月4日には「組織拡大アドバイザー会議」(内容別掲)を開催し、7月中旬からは札幌圏において、派遣労働者の組織化を目指した街頭宣伝活動、団地へのチラシ戸別配布など精力的な取り組みを行ってきました。
 今後、8月にはパートタイム労働者、9月はホテル・サービス労働者を対象に同様の取り組みを実施していきます。

【組織拡大アドバイザー会議の開催】
 連合本部の組織拡大方針により、1998年から道内では渡島、胆振、釧路の3地協に配置してきた地方アドバイザーの配置期間が2年間延長(04年6月まで)されることとなりました。しかし、その任務と役割の徹底が不十分な面もあり、地協の一般業務の手伝いが主になっているという指摘もあり、任務と役割の再確認が必要な時期にきています。
 また、労働相談件数は道内景気動向の厳しさを反映して年々急激な増加傾向にあり、そして7割以上が札幌圏であることから、昨年3月に札幌地区連合のもとに「さっぽろ労働相談センター」を設置し、財政支援や相談員の強化を図りながら、労働相談から新規組織化の取り組みを進めています。
 このような状況を踏まえ、連合北海道では、7月4日に、連合北海道会議室において、連合本部片岡組織対策局長・小山地域推進局次長、地方アドバイザー及びさっぽろ労働相談センター相談員が出席のもと、「組織拡大アドバイザー会議」を開催し、未組織の組織化対策、労働相談活動からの組織化対策、地域ユニオンの活動支援など本来の「アドバイザーの任務と役割」について再確認するとともに、「連合北海道の今後の組織拡大の取り組み」について活発な意見交換を行いました。

労働者派遣事業の適性運営を
道労働局に緊急要請を実施

 労働者派遣事業は1999年の大幅緩和以降、事業者が急増し、それに伴い様々な問題が出てきています。総務省の複数の地方管区が昨年末に公表した「労働者派遣事業に関する行政評価」調査結果で、労働者派遣事業において、事前面接による不当な差別や時間外労働違反などの労働者保護に重大問題が野放しになっていることが明らかになりました。
 これを受けて、連合では中央をはじめ、各地方の労働局に対し労働者派遣事業の適正運営のための一層の指導・啓発を求める要請活動を実施しました。
 連合北海道でも7月10日北海道労働局に対し、「労働者派遣事業の適性運営の確保に関する緊急要請」を行いました。
 要請の中で、国はこうした違反を取り締まるため、直ちに、緊急かつ全国的に派遣元及び派遣先の事業者に対し、指導・監督を徹底させるとともに、厚生労働大臣から委嘱されている「労働者派遣事業適正運営協力員」(適正運営協力員)制度を有効活用するなど、派遣事業の適性運営を図る取り組みを展開するよう求めました。
 北海道労働局からは、次の3点について回答がありました。
<回答内容>
?@派遣法等の指導監督の徹底については、局内・基準部と連携を取るとともに、中身を濃 くするよう盲点だった箇所をチェックリストにして実施していきたい。
?A派遣制度の周知徹底を求める適正運営協力員の事業所訪問活動については、事前に協力 員制度についての理解を深めてもらい信頼関係を作ることが必要だ。11月に札幌圏の 派遣元を対象にした説明会には、協力員にも参加していただく予定だ。また、7月19 日の協力員会議には、札幌のハローワークの担当課長も出席し、協力員との意志疎通を 図りたい。なお、周知ポスターの貼付状況はハローワークを通じて確認していく。
?B「適正運営協力員」制度の周知徹底に関して労働局のホームページへの名簿掲載につい て、協力員会議で相談していきたい。協力員名簿は、派遣事業者などとの接触の都度、 配布していきたい。

幌延深地層研究監視連絡会を設置

 昨年2月の「幌延深地層問題代表者会議・実務者会議」(5団体会議:連合北海道・民主党北海道・公明党北海道・北海道民社協会・北海道平和フォーラム)の中で、幌延の深地層研究所建設に関してはサイクル機構側から5団体会議の主張が盛り込まれた内容が示されたことから、今後、?@道の「北海道における特定放射性物質に関する条例」の完全履行、?A「幌延町における深地層の研究に関する協定」の遵守、?B幌延町の「深地層の研究の推進に関する条例」の履行を中心とした課題について点検、監視するため、「5団体深地層研究監視連絡会議」(仮称)を設置し、継続して取り組むことの3点を5団体としての総括・確認を行いました。
 連合北海道では、「放射性廃棄物の持ち込みは認めない、貯蔵施設や処分場につながらない」という5団体会議の基本姿勢とこの会議の総括を踏まえて、?@情報の積極的な開示、?A研究に関わる十分な事前説明、?B立入検査の許可といった点について、サイクル機構が十分に遵守しているか、今後とも継続した監視活動を行っていくこととしました。
 この取り組みの一環として、連合北海道では7月18日の「制度・政策要求」中央要請では、文部科学省・経済産業省に対し「幌延深地層研究所に関する協定遵守」と「特定放射性廃棄物に関する北海道条例の尊重」について申し入れを行い、「条例」並びに「協定」について尊重していきたい、との回答がありました。
 8月3日には幌延町・公民館において、幌延町における深地層の研究に係わって、放射性廃棄物を持ち込ませないとして制定された?@北海道における特定放射性物質に関する条例(北海道)、?A幌延町における深地層の研究に関する協定書(北海道、幌延町、サイクル機構)、?B深地層の研究の推進に関する条例(幌延町)の3点を遵守させるため、点検・監視を目的に「連合北海道深地層研究監視連絡会」を発足させました。
 連絡会では、今後の活動として、5団体による「深地層研究監視連絡会議」が実施する点検・監視活動と連携するとともに、その他の必要な調査・監視を実施していくことを確認するとともに、連絡会の構成(連合北海道、核燃料サイクル開発機構・幌延深地層研究センター周辺地域の3地協・8地区連合)と役員体制について決定しました。

【連絡会役員体制】
代   表  峯後 樹雄(連合北海道 事務局長)
副 代 表  田中 宏佳(連合北海道 副事務局長)
  〃    古川  修(連合留萌地協 会長)
  〃    小黒 修司(連合上川地協 会長)
  〃    加藤 元基(連合宗谷地協 会長)
事務局長  浅田 明廣(連合北海道 政策・調査部長)
事務局次長  野呂 照幸(連合留萌地協 事務局長)
委   員  服部 雅一(留萌地協・幌延地区連合)
  〃    野崎 浩宜(留萌地協・天塩地区連合)
  〃    浅野 泰正(上川地協・中川地区連合)
  〃    磯部 拓也(宗谷地協・稚内地区連合)
  〃    二浦 昭男(宗谷地協・豊富支部連合)
  〃    真野 智章(宗谷地協・猿払支部連合)
  〃    斉藤 幸紀(宗谷地協・浜頓別支部連合)
  〃    古閑 信二(宗谷地協・中頓別支部連合)


男女平等参画推進委員会第1回役員・幹事会開催

 連合中央は男女平等参画社会の実現に向けて、「第2次男女平等参画推進計画」を2000年10月に策定し、2006年までの活動を進めてきていますが、2年ごとの具体的な取り組みを示すため、「構成組織・地方連合会男女平等参画推進委員会委員長会議」と「2002連合男女平等参画推進フォーラム」を開催しました。(7月5〜6日/岡山)
 これを受けて、連合北海道「男女平等参画推進委員会」は、7月15日に「第1回役員・幹事会」を開催し、本年2月に設置した「推進委員会」の第1回委員会以降の進捗状況の把握のために実施したアンケート調査(6月)の結果を踏まえて、今後の具体的な取り組みを提起しました。
 具体的な取り組みについては、構成産別・連合北海道・地協・地区連合別にそれぞれ女性の各級意志決定機関などへの参加推進について項目別に数値目標を設定し、より実効的な推進を図ることを確認しました。
 あわせて、女性委員会との連携を図りながら、年2回の役員・幹事会における進捗状況の確認を行うとともに、「男女平等推進ニュース」を発行し、産別、地協・地区連合に対し、男女平等参画推進に関する情報・進捗状況・ニュース等の周知、啓蒙促進を図っていくこととしました。