2001年 (No.104)



ストップ・ザ・失業をめざし 笹森会長がアクション・ルート47を始動
雇用情勢の厳しい北海道を皮切りに


 連合の笹森会長は深刻化する雇用の改善をめざすキャンペーンの一環として、「ストップ・ザ・失業」を掲げ、全国47都道府県を行脚する「連合アクション・ルート47」を開始させました。これは、各地では首長や経済界幹部、パートなど現場労働者との対話を通じ、直接に生の声を聞こうというもので、その第1弾として、11月14日に「雇用情勢のとりわけ厳しい」北海道を皮切りにスタートが切られました。

 14日、笹森会長は笠井連合北海道会長らとともに、北海道経営者協会との懇談会に出席し、その中で「北海道は全国でも雇用情勢のとりわけ厳しいところである。北海道をはじめとする地方の雇用の実態を把握して、要望を政府に伝えたい」と挨拶しました。それを受けて、北海道経営者協会の武井会長は、「小泉改革でさらに公共事業を削減されたら失業率はさらに悪化する。政府には地方の実情をもっと考慮してほしい」と述べました。
意見交換の中では、雇用保険の重要性、長期的な展望に立った経営必要性等について意見の一致がみられました。
 続いて行われた堀知事との懇談会の中で、「行政として雇用対策の一層の強化を」という笹森会長の呼びかけに対し、堀知事は、「経営者団体と雇用創出計画をつくり、2000、2001年度で5万人の雇用総司湯津を行った。2002年度は“ポスト5万人計画(10万人の雇用創出)”を策定する。今後は労働組合とも危機感を共有しながら取り組みたい」との考えを述べました。
 さらに、北海道厚生年金会館で行われた「パート・臨時・派遣労働者のつどい」にも出席し、「来年2,3月に実業立が6%を越えたら、ゼネラルアクションをおこす。社会保障、雇用を安心できるものにするために、労働組合がその役割を果たさなければならない」と訴えました。翌15日には、笹森会長を囲む「連合北海道および産別代表者との意見交換会」が行われ、その中で、笹森会長は、改めて「雇用・失業問題の解決を強く求めていくとともに、この問題の解決のために労働団体が中心的役割を果たしていかなければならない」との考えを表明しました。

 笹森連合会長を迎えて開催された 中小労働者の集い 講演記録







2002年度道予算・政策に関し最重要政策課題について要請

 笠井会長以下執行部は、11月26日に堀北海道知事に対し、2002年度の道予算編成にあたって連合北海道としての「北海道予算・政策に関する要請」を行いました。
 要請では、第1に深刻な雇用・失業問題に対応するための雇用や生活のセィフティネットの確立について、第2に北海道行政基本条例などをはじめとする「道政改革」について、第3に省エネ・新エネ促進条例の具体化を図る「エネルギー政策」についてね第4に平和な北海道を確立すること−の4点の重点課題について要請をしました。
 この要請を受けて、道側からは次のような回答がありました。

回答要旨
○雇用政策について
 「5万人の雇用創出に向けた実施方針」が本年度末までとなっており、2002年以降の道の総合的な雇用対策として、新たな雇用プランの策定を進めている。この中で、建設業などのソフトランディング対策をはじめ、セーフティーネットの充実や雇用のミスマッチ解消、は幅広い起業化・事業化の促進の促進による雇用の受け皿の拡大、経済社会の変化に対応できる人材の育成といった対策を柱として具体的な施策や目標などについて検討を進めている。特に建設業の関連については、一次産業との連携をはじめとして業種転換や新分野進出などに対する支援に努めていきたい。また、ワークシェアリングについてもモデル的な実施を検討するほか、今後、離職者の増大が懸念されることからハローワークとの連携をより密にして、求人企業や休職者のニーズを的確に把握し、新たな訓練科目の設定、カリキュラムの改善などを通じ職業訓練の充実に努めるとともに、緊急的な資金需要に対応する現行の利しよく者向け融資制度の充実について検討してまいりたい。
○生活のセーフティーネットの確立について
 地域医療の確立については、国の第9次へき地保健医療計画による「へき地医療支援機構」の設置については、北海道地域医療振興財団内に設置し、へき地診療所のみに限定せず、廣く過疎地医療機関に対しての支援が効率的効果的に実施できるよう、所要の予算措置を講じてまいりたい。地方・地域センター病院未指定の圏域におけるセンター病院の指定については、関係機関と十分協議しながら、所定の手続きを進めていきたい。
 地方バス路線の維持の関係については、本年4月から国の新しい補助制度がスタートしたが、道としても国の補助制度を活用するとともに、道単独の助成制度により、国、市町村と強調しながら、住民の生活に必要な赤字バス路線や車輌購入に対する助成を行い、生活交通の確保に努めていきたい。北海道行政基本条例の制定については、地方分権の時代を迎え、これからの道政には従来にも増して、自らの判断と責任のもとで、地域の実情に沿った政策を展開していく必要があり、道政運営にあたって基本となる理念や原則について、行政基本条例として明らかにしていきたいと考えており、これまでの道政改革の取り組みも踏まえ、「更改と酸化を基本とする道政の推進」、「公正の確保と透明性の向上」、「総合的、効果的な道政運営」、「簡素手効率的な道政運営」、「市町村との連携協力、道民との協働」などの柱立てやその内容について検討していきたい。なお、道民の意向を把握し、道政に反映するシステムについて、どのような方法がふさわしいのか、今後、議会制度との関連も踏まえながら、道民投票制度も含め、様々な観点から幅広く検討していきたい。
○入札システムの改革
 入札制度の改善については、2000年4月に策定した「入札制度改善行動計画」に基づき、指名選考における恣意性を排除する「ランダム・カット式指名選考」や事業者の技術力、受注意欲を入札参加に反映させる公募型指名競争入札など「多様な入札方式」の拡大等、企業の経営努力や創意工夫が的確に反映される入札制度の改善に努めていきたい。
○エネルギー政策
 エネルギー政策については、原子力発電は、なによりも安全性の確保に万全を期さなければならず、国の規制責任、事業者の保安責任が十分に果たされることが重要である。今後とも、安全協定に基づき、発電所周辺の環境監視などに努めるほか、北海道地域防災計画(原子力防災計画編)に基づき、防災体制の充実を図り、住民の安全確保に一層努めていきたい。「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」に基づく基本的な計画、いわゆる行動計画については、有識者による懇談会で意見を伺うなどして、その内容について検討しているところであり、近く、道としての意見をとりまとめ、廣く道民の意見を伺った上で、できるだけ早期に策定したいと考えている。なお、環境税の導入については、税制全体のあり方の中で、検討しているところであるが、省エネルギー・新エネルギーの施策に必要な財政上の措置については、条例第17条の規定に基づき、努力していきたい。
 最終処分場に関する基本方針は、道として、これまでも議会等で、道内に放射性廃棄物を受け入れないことを明らかにしてきており、将来的に持ち込まれるのではないかといった道民の不安や懸念を払拭するために、道内への放射性廃棄物の持ち込みについての道の基本的姿勢を明らかにした「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」を制定している。今後とも、この条例の趣旨を踏まえ、道内に放射性廃棄物を持ち込ませない姿勢を堅持するとともに、国の立ち会いの下、道と幌延町、サイクル機構との間で締結した「幌延町における深地層の研究に関する協定」に基づき、幌延深地層研究所に放射性廃棄物を持ち込ませないことについて責任を持って取り組んでいく。なお、現在、この協定の履行状況を確認するための期間の設置について、協定当事者である幌延町との間で協議。・検討を行っているところである。
○対外政策について
 在日沖縄米軍の実弾射撃訓練の移転については、関係周辺地域の生活への影響などを考慮すると、「受け入れ難いのではないか」という知事の思いは今もかわっていないし、基本精神としている。道としては、これまでも、地元関係町とともに、矢臼別演習場での訓練が将来にわたって固定化されないよう、在日米軍基地全体の整理・縮小に向けて、国において最大限の努力を払うことなど5項目について、国に申し入れを行ってきている。今後とも、地元の意向が十分尊重されるよう、在日米軍基地を有する都県とも連携を図りながら、国に強く働きかけていきたい。

労働なんでも相談ダイヤル 秋季集中相談

 11月15日から16日の2日間、全道各地協18カ所に相談室を設置し、「2001秋季なんでも集中相談ダイヤル」を行いました。
 この相談ダイヤルは、中小・パート労働者対策として組織化等を主目的に例年行っているもので、期間中、人数で82名(昨年77名)、件数で146件(昨年123件)の相談を受け付けました。
 相談内容は賃金、就業規則、雇用・労災保険、退職、有給休暇など多岐にわたっておりますが、特に、今年度は戦後最悪の不況が続く日本及び本道の経済を反映して、雇用問題と賃金問題に関する相談が多数を占めました。
 なお、「なんでも相談フリーダイヤル(0120-09-0050)」は、集中相談の期間以外にも年間を通じて相談を受けており、担当者が親身になって応対しています。



連合北海道オキナワ平和行動


 6月23日の「連合オキナワ平和集会」への参加に合わせて実施している「連合北海道オキナワ平和行動」が参議院選挙のために延期となり、11月15日〜18日の日程で連合北海道の独自行事として実施しました。産別・地域から21名が参加しました。

 朝に千歳を飛び立ち夕方に沖縄入りした参加者は、休む間もなく空港から金武町役場に移動。町面積の6割を基地が占める金武町役場の屋上から隣接する基地・演習地を視察。演習場からの「パンパンパン」と乾いた機関銃の音に眉をひそめながら、金武町基地対策課から「金武町の米軍基地の実情と被害の実態」について説明を受けました。その後、155ミリ砲実弾射撃の県道ごえ演習が行われた「県道104号」を車窓から視察してホテルへ。
 2日目は那覇市に移動。ひめゆり学徒隊だった宮城喜久子さんから講演を受けました。本や映画で知る「沖縄戦」と「ひめゆり学徒隊」でしたが、学友・先輩の実名をあげて、いかに苦しみの中で殺されたかを語る宮城さんの体験を、参加者はためいきと涙で聞きました。宮城さんは講演最後に「平和の実現。それは創造する勇気と、心を一つにする行動です」と私たちに奮起を訴え、参加者は大いにうなずきました。
 3日目は、早朝から極東最大の補給基地である「牧港補給基地」、嘉手納・北谷・那覇市にまたがり嘉手納町の84%を占有する「嘉手納基地」など、県民生活の大きな犠牲と「おもいやり予算」という莫大な国民負担の上に成り立つ米軍施設の実態を視察。さらに「ひめゆり記念館」や島民の多くが犠牲になったガマ(洞窟)など、日本で唯一の地上戦跡を視察。さらに新しくなった「平和資料館」などを視察しました。
 平和資料館が新しくなり内容も充実しており、参加者から「まったく時間が足りない」との声がありました。今後の沖縄平和行動の参考にしたいと思います。参加された方々の意見・感想は、マンスリー別冊特集号として発行します。




第3回「新ガイドライン」関連学習会を開催

 「新ガイドライン」の問題点の理解を進める第3回学習会が「非核市民宣言運動・ヨコスカ」「ヨコスカ平和旅団」のメンバーの新倉裕史氏を迎え、11月30日に札幌、12月1日に中標津の二会場で開催されました。
 学習会には産別・地域から、札幌会場に約80名、中標津会場に約100名が参加し、講師の新倉裕史氏のOHPを使ったわかりやすい講演で周辺事態法と自治体の関係について学習を深めました。
 講演は、米国同時テロに始まるアフガン空爆のため戒厳令下となった横須賀の基地の現状をはじめ、インディペンス入港から始まる、米艦船の度重なる道内港への入港について、「米軍は前例を作りにきたが、例えば小樽市長の『前例とはしない』、『市民感情に配慮して入港は認めない』との発言、苫小牧市長の入港を断固拒否した姿勢は、市民・道民の声が自治体に反映されたもの」と述べ、さらに「この事実は横須賀で平和運動に取り組む私たちの支えであり、市民が発言すれば自治体が応える具体例」と、周辺事態法と自治体の関係について、市民の平和運動の積み重ねが重要であると述べました。
 連合北海道は「新ガイドライン」の問題点の理解を進める活動の一環として、?@「新ガイドライン」の再検証、?A周辺事態安全確保法の進行状況、?B周辺状況の変化と新しい安全保障の考え方、などについての学習会を開催しています。
 第一回はピース・デポ(平和資料協同組合)の梅林宏道氏を講師に、第二回は朝日新聞社編集委員の田岡俊次氏迎えて学習会を開催しました。いずれも講演内容は連合北海道のホームページで公開する予定です(第一回学習会は公開ずみ)。