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結成10周年「21世紀へ 力と行動!」第11回定期大会開く

結成10周年の節目となる連合北海道第11回定期大会が11月9日・10日の2日間、札幌市・サンプラザにおいて、代議員・傍聴約400名が出席し開催されました。

大会では、向こう2年間の運動方針、99年度の活動経過・会計報告および2000年度予算などを承認決定するとともに、次期第42回衆議院選挙における第1次推薦の決定を行いました。また、役員改選では、渡辺健一氏が会長を勇退し、新たに笠井正行会長・船水博事務局長ラインの新執行体制が決まりました。

大会第1日目終了後には、結成10周年を記念して、式典・祝賀会を開催し、特別功労者表彰、感謝状の贈呈を行うとともに、来るべき21世紀に向けて、連合北海道のさらなる飛躍と地域の中核として道民の期待に応えうる運動を果たすべく、前進していくことを誓い合いました。

渡辺会長は、冒頭のあいさつで1.経済・雇用問題2.2000年春闘3.統一地方選挙と総選挙闘争4.組織の拡大強化5.幌延・泊3号機、矢臼別問題の5点について所信を述べるとともに、「今大会は結成10周年を迎えた連合北海道が勤労道民の代弁者としてその役割を果たしていくため万全の方針を決定する大会である。連合北海道が、雇用と労働条件を確保する製作春闘や、政治・経済・社会のシステムを変革していく総選挙闘争、あるいは軍縮と核兵器の廃絶を基本とする平和運動など、果たすべき役割は極めて大きい。これらの課題の前進は、全ての産別と地域組織が組織内の論理に埋没することなく、常に勤労道民の視点に立つところから始まる。建設的な討議を期待する」と述べました。

大会では、活動報告・運動方針に対して、10名の代議員・特別代議員から発言がありましたが、提案どおり承認されました。また、次期衆議院議員選挙に向けて、第1次推薦として14名の候補予定者の推薦決定を行いました。(別掲) 役員改選では、会長に笠井正行氏(自治労)、会長代行に渡部俊弘氏(電力総連)が新任され、事務局長には船水博氏(全開発)が再選されました。さらに、新たな副事務局長には遠藤聰司氏(情報労連)、田中宏佳氏(電力総連)がそれぞれ選出されました。また、連合北海道の結成以来、事務局長・会長として連合運動の中心的役割を果たしてきた会長の渡辺健一氏をはじめ会長代行の高柳和明氏(電力総連)、副事務局長の工藤寛氏(電力総連)、小林雪夫氏(自治労)が退任されました。

大会は、最後に大会宣言(別掲)と2本の大会決議(別掲)を採択した後、笠井新会長による団結ガンバローで結成10周年の節目の大会を閉幕しました。

なお、大会第1日目の終了後には、結成10周年を記念して式典・祝賀会を開催し、特別功労者22名の表彰、国会議員OB4名・地協役員41名に対し感謝状の贈呈を行い、連合本部鷲尾会長・堀道知事をはじめとする来賓からお祝いと励ましのあいさつを受け、来るべき21世紀に向けて、連合北海道のさらなる飛躍と地域の中核として道民の期待に応えうる運動を果たすべく、前進していくことを誓い合いました。

2000年度 連合北海道役員体制
役職 氏名 所属
顧問 森尾 昇 (自治労)
棚川 喜八 (電力総連)
相原 敬用 (全開発)
兼古 哲郎 (北教組)
侍園 毅 (ゼンセン同盟)
渡辺 健一 (炭労)
高柳 和明 (電力総連)
会長 笠井 正行 (自治労)新
会長代行 渡部 俊弘 (電力総連)新
副会長 岩田 直樹 (ゼンセン同盟)再
榊原 長一 (北教組)再
高橋 一栄 (鉄鋼労連)再
中澤 邦彦 (全逓)再
峯後 樹雄 (情報労連)再
山川 博千 (運輸労連)
事務局長 船水 博 (全開発)再
副事務局長 遠藤 聰司 (情報労連)新
田中 宏佳 (電力総連)新
執行委員 浅田 明廣 (情報労連)再
村田 仁 (鉄鋼労連)再
松浦 俊一 (事務局)再
桜田 憲治 (炭労)新
特別執行委員 一町田千津子 (北教組)再
折戸 良治 (電力総連)新
須田 靖子 (情報労連)新
会計監査 大橋 一夫 (紙パ連合)新
木村 敏行 (商業労連)再
澤田 裕之 (交通労連)再
天本 祐治 (全農林)再
半谷 正史 (電機連合)再

キャラバンは、連合北海道・地協・地公三者共闘により全道を4コース(道央、道南、道東、道北)に分けて行われ、全市町村の首長・議会議長に対し賛同署名(内容別掲)を要請するとともに、住民へのアピール行動、主要都市での総決起集会開催などの各種取り組みを行いました。現在、国と自治体との財源配分が2対1であるのに対し、業務量はその逆となっており、これが地方自治体の財政を大きく圧迫している要因ともなっています。

また、昨今の景気維持のための公共事業増大により、公債累積が拡大し、「赤字再建」一歩手前の自治体も数多い実状にあります。

これまで政府は、「地方財政計画」により、自治体財政を管理し、このシステムの中で「一割自治」といわれる国の方針に逆らえない全国行政を組み立ててきましたが、それも「地方交付税」が20兆円を超える事情によって、いままでのような管理の維持どころか、財政縮小の方向をとらざるを得ない状況にあります。

連合北海道ではこの現状を踏まえ、集約した賛同署名をもとに、税財源の地方へのシフトについて、国に対し要請活動を展開していきます。

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大会宣言

連合北海道は結成10周年の記念すべき節目に、「21世紀へ。力と行動!」をスローガンに掲げ、第11回定期大会を開催し、向こう2年間の運営方針を決定した。

新しい運動方針では、ゆとり・公正・連帯を基本とする「労働を中心とした福祉型社会」をめざして、運動を活性化し、組織を拡大し、すべての勤労道民の利益を代表する立場から社会改革を主導することを確認しあった。

いま、長期不況による雇用と生活の不安を一刻も早く克服することが最重要課題である。

生活と雇用の安定を実現するため、景気回復、雇用創出、福祉・社会保障の充実、また中長期視点に立った環境対策、男女平等、教育改革など生活重視の取り組みを大胆かつ着実に実行していかなければならない。

グローバル化を背景に「市場原理万能主義」が横行し、労働者の権利軽視の風潮が拡がっている。すべてを市場に委ねることは、社会的格差を拡大し、かえって経済の活力を阻害する。連合は、効率・競争に偏りがちな風潮に歯止めをかけ、なりふりかまわぬリストラ攻撃に対しては断固として闘い、「安心」「安定」をキーワードに、公正なワークルールと労働者の権利確保、格差是正、社会的セーフティーネットの構築に邁進する。

21世紀ヘあと1年有余、日本の進路が問われている。

わが国は連立政権の時代に入っているが、自民党と小渕内閣は、戦後最悪の雇用・失業状態に何ら有効な手だてを講じないばかりか、党利党略、数あわせ優先の連立政権を発足した。選挙という国民の審判を仰ぐ必要がある。我々は、来る選挙では、民主党を基軸とした政治勢力による政権交代に全力をあげる。

この10年間で国民生活を取り巻く情勢は大きく変わった。政治的にも経済的にも20世紀的な枠組みは再構築を迫られている。我々は、連合北海道10年で築き上げた産別・地域組織のネットワークを生かし、労働組合の社会的役割を改めて再確認し、21世紀へ、新しい時代の展望を切り開くために積極的に挑戦していく。 以上宣言する。                  1999年11月10日

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決議

50万人連合北海道の実現をめざす特別決議

連合北海道は官民統一から10年が経過した。この間、労働組合の組織率は低下の一途をたどり、労働省の「平成10年労働組合基礎調査結果」によれば、北海道の労働組合員数は460,256人で、前年より4,171名減少し、推定組織率も20.7%と前年より0.4ポイント下回り、昭和58年以降の低下傾向に歯止めを枯れることができなかった。連合組合員は官民統一時の33万人から約2万3千人減の306,952人となり雇用労働者に占める割合は、13.7%にしかすぎず事態は深刻である。

連合総研や労働省の調査では労働組合の必要性を感じている未組織労働者は65%に達している。長引く不況の中で安易なリストラ、賃金未払い、劣悪な労働条件がまかり通り、法律で認められている最低の権利すらも主張できずにいる労働者の悲痛な叫び声に答える組織対策の積極的な展開が必要である。

さらに製造業から非製造業へと産業構造が転換する中で、パート・派遣・契約労働者に焦点をあてた組織拡大、また前雇用労働者の8割を占める中小企業労働者に対するわれわれの本格的な組織化努力なしに組織率の回復が困難であることは明白である。

連合北海道は、第9回定期大会において「50万人連合北海道の早期実現」を大目標に、向こう3年間で6万人の組織拡大をめざすことを決定し、組織の総力をあげて取り組んできた。しかし、6万人の組織拡大実行計画に対して約4千人の拡大、達成率は6.5%にとどまっている。数字的にはきわめて不十分な果となったことを全ての組織・各級機関をあげて厳しく受け止めなければならない。

連合北海道は手をこまねいているわけではない。98年から99年にかけての3次にわたる組織拡大集中行動は「待ちの姿勢から攻めの行動」へと組織拡大手法を大きく転換させる契機となった。21世紀を間近にした今、組織人員の減少は組織力の低下であるとあらためて認識し、連合運動をさらに前進させるためにも、各級機関のリーダーが組織拡大の先頭に立ち、高生産別・連合北海道・地協・地区連合一体となって50万人連合北海道の実現をめざそう。 以上決議する。 1999年11月10日

雇用非常事態を突破する特別決議

北海道の雇用はいま未曾有の危機的状況にある。

9月の完全失業率は4.8%、有効求人倍率も0.38倍と依然として厳しい状況が続いている。こうした実状を背景に経済的理由による中高年労働者の自殺者も急増しており、雇用不安はいまや社会問題となっている。また、来春の高卒・大卒の就職の動向も最悪であった昨年を上回る深刻な事態となっている。まさに「雇用非常事態」といわざるをえない。

この間、連合北海道は経営者の雇用責任を求めるとともに国や道に対し、「北海道総合経済・雇用政策推進本部」を軸に対政府、道交渉などに全力で取り組んできた。しかし、政府が打ち出した雇用対策は、われわれが求めていた内容とは程遠く、勤労道民の雇用不安と将来不安を解消できない政府の責任はきわめて重大である。

いま求められているのは雇用安定施策と雇用創出である。われわれは全国的には100万人以上、北海道においては5万人の具体的な雇用を創り出していくよう迫っていく。

同時に経営者は雇用確保という経営責任をしっかりと果たすべきである。しかし、現実に起きているのは景気低迷を口実とした便乗リストラであり、金融機関や格付け機関の顔色をうかがった過剰リストラである。しかも、先の国会で成立した産業活力再生法は、企業リストラを推進するものであり、新たな「政策ミス」と言わざるをえない。

われわれは、安易な人員整理や合理化を許さないために、労働者の権利保護を基本に毅然たる対応をはかるとともに、人間尊重の企業経営、雇用と終業をめぐる格差や歪みの是正など「21世紀の新しいワークルール」を対峙して対決していく。また、企業の営業譲渡や分社化、分割などの組織変更がさらに進めば、雇用や労働条件が確保されず、労働組合の地位や労働協約の継続も脅かされる。われわれは、各政党に協力を呼びかけながら「企業組織変更に関する労働者保護法」の実現を求めていく。

雇用不安と将来不安を取り除くことが、景気回復にとつても待ったなしの対策である。

われわれは、産業組織、地協・地区連合一体となって「力と行動」の真価を発揮し、雇用非常事態の突破に向けて、今こそ全お道民的な運動を起こさなければならない。 以上、決議する。 1999年11月10日

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