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地方自治体の財政再建を目指して
10/18〜22全道キャラバン実施

戦後最悪の財政危機に状況にある地方自治体財政の抜本的改善を目指して9月6日に設立された「地方自治体財政問題対策委員会(地財委員会)」では、その取り組みの一環として、10月18日から22日までの5日間、全道キャラバンを実施しました。

キャラバンは、連合北海道・地協・地公三者共闘により全道を4コース(道央、道南、道東、道北)に分けて行われ、全市町村の首長・議会議長に対し賛同署名(内容別掲)を要請するとともに、住民へのアピール行動、主要都市での総決起集会開催などの各種取り組みを行いました。現在、国と自治体との財源配分が2対1であるのに対し、業務量はその逆となっており、これが地方自治体の財政を大きく圧迫している要因ともなっています。

また、昨今の景気維持のための公共事業増大により、公債累積が拡大し、「赤字再建」一歩手前の自治体も数多い実状にあります。

これまで政府は、「地方財政計画」により、自治体財政を管理し、このシステムの中で「一割自治」といわれる国の方針に逆らえない全国行政を組み立ててきましたが、それも「地方交付税」が20兆円を超える事情によって、いままでのような管理の維持どころか、財政縮小の方向をとらざるを得ない状況にあります。

連合北海道ではこの現状を踏まえ、集約した賛同署名をもとに、税財源の地方へのシフトについて、国に対し要請活動を展開していきます。

演説の様子

《地方分権の推進と自治体財政確立のための地方財政改革を求める要請》

  1. 現在の地方財政構造の抜本的な改革を行い、地方財源の安定確保を図ること。
    1. 地方税の法人事業税については、所得以外の基準で公平性と安定化を図る観点から見直しすること。
    2. 消費税のうち、地方消費税の税率を2%相当に引き上げること。
    3. 国の所得税10%課税分を地方の住民税へ委譲するなど、個人所得税減の地方移管を図ること。
    4. 奨励的補助金は基本的に廃止し、一般財源化を図ること。また、「統合補助金化」などを通じて自治体の裁量権の拡大を進めること。
    5. 自治体の課税自主権、地方交付税算定における自治体参画制度の確立、地方債許可制度の廃止と地方債引受機構(自治体金融公庫)の創設、地方債市場の整備育成などの地方財政制度の改革を進めること。
  2. 従来型の公共事業予算とその執行を見直して地域の状況を勘案しながら、福祉、環境、住宅、都市基盤整備などの分野への重点配分と効果的執行を行うこと。国直轄事業を限定し、公共事業にかかる権限と財源を自治体に委譲すること。

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第5回北海道ブロック
セーフティーネットワーク集会開催

連合の安全衛生推進活動の一環である、北海道ブロック第5回「セーフティーネットワーク集会」が10月1、2日の両日、札幌市で開催され、各産別・単組の安全衛生担当者をはじめ、地協役員や労災防止指導員、安全衛生センター理事など80名が参加しました。

集会の様子

主催者を代表してあいさつした侍園理事長は、東海村のウラン燃料転換施設で発生した臨界事故にふれ、「安全意識の欠如や慣れがルール無視を生み、重大事故を引き起こした背景にある」と指摘。さらに、「安全衛生法のもとで設けられた労災防止指導員や地域産業保健センターなど様々な制度を生かし、中小未組織の安全衛生の底上げにつなげる取り組みが必要」とし、「今回の集会の議論を通じて、北海道の安全衛生5カ年プログラムが、産別の協力をタテ糸とし地域のヨコ糸を織り込む形で策定され、今後の活動の基本となることを期待する」と述べました。また、連合中小労働運動センターの谷総合局長から「今回の東海村での事故は、安全衛生の基本の大切さを再認識する教訓にしなければならない」「大手中小を問わず、原点に立ち返り、特に組織率の低い中小職場に波及するネットワーク運動として、連合5カ年計画の実行に力を発揮して欲しい」と訴えました。

集会は、北大医学部大学院の斉藤健助教授による記念講演、標語コンクール入選者の表彰に続いて、熊谷連合労働政策局次長と折戸安全衛生センター事務局長からそれぞれ課題提起が行われ、連合の「中小職場改善5カ年計画」と、それに対応した「北海道における中小職場の安全衛生改善プログラム(北海道の5カ年計画)」の基本構想が示されました。

今回のセイフティネットワークは、この「北海道の5カ年計画」に産別・地域の意見を反映させることが大きな目的でもあり、議論を深めるため3つの分散会を開いて意見交換を行いました。産別からの参加者を中心とする第1・第2分散会は主にこの課題について、また第3分散会は連合愛知安全センターの鈴木主任研究員の特別報告を受け、「地域の労働安全衛生活動と労災防止指導員の役割」について討論が行われました。

2日目は分散会報告が行われた後、まとめとして侍園理事長は「産業構造や働き方の変化により安全衛生活動も新たな対応が必要」として上で、メンタルヘルス対策の早急な取り組み展開、下請け・関連・協力会社ぐるみによる中小対策や産業保健センターとの連携強化、そして「5カ年計画」の具体化に関して、可能な取り組みは前倒しで進め、実行を挙げたいと締めくくり、2日間の日程を終了しました。

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臨界前核実験の即時中止を
米国札幌総領事館前で抗議集会実施

連合北海道では、アメリカが7回目の臨界前核実験を強行したのを受けて、10月1日に米国札幌総領事館前において、約50名の参加のもと抗議集会を行いました。

抗議集会の様子

集会は、連合北海道小林副事務局長長が主催者を代表して「われわれ唯一の被爆国民として、核兵器の廃絶・核実験の全面禁止を実現するため、“あらゆる国のいかなる核兵器・核実験にも反対する”との立場で運動を行ってきた。世界の核廃絶を願う人々の心を逆なぜする今回の臨界前核実験に強く抗議する」と挨拶。続いて、札幌地区連合山田副会長が「いま世界は“核のない平和な世界建設”を目指している中、、今回の実験は明らかにこの流れに逆行するものである。世界の核拡散に理由を与えかねない今回の実験には、断固反対していく」と述べました。集会終了後、米国札幌総領事館マイケル・A・ゲイル領事に対し、臨界前核実験への抗議の申し入れを行いました。

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新しい世紀に向かう世界と日本の進路を目指して
北海道対外文化協会シンポジウム開く

北海道対外文化協会では、10月23日札幌市において“新しい世紀に向かう世界と日本の進路”PART?X「地方分権化と国際化」と題するシンポジウムを開催し、各産別からの出席者をはじめ関係者100名が参加しました。

シンポジウムの様子

北海道対外文化協会では、「新しい世紀に向かう世界と日本の進路」というメインテーマにそって、その時々のの直面する課題を取り上げ、92年以来4回のシンポジウムを開催してきており、今回で5回目となるものです。

シンポジウムでは、坪井善明氏(早稲田大学教授)をコーディネーターに、山口二郎氏(北海道大学教授)、高橋進氏(東京大学教授)、森田朗氏(東京大学教授)の各氏をパネラーとして、新たな世紀を目前にして、自民党政治が「戦後の精算」を始めようとしている状況の中、世界的視点の中における日本社会の役割と、それを実現する日本の民主主義のあり方について、活発な意見交換を行いました。

今回のシンポジウムは、「地方分権化と国際化」の標題にある通り、民主主義発展である「真の地方分権」の方向性を示そうとするもので、国の「地方分権一括法」に深く関わった森田教授からは、議論の過程と法の不十分な点について、指摘と地方へのアドバイスが、また、地方の目指すべき道筋への提案として、高橋教授(ヨーロッパの「第3の道」)、山口教授(日本の自自公政治における地方分権の状況について、スコットランドの市民運動から学ぶべきこと)からそれぞれ話がありました。

コーディネーターの坪井教授はしめくくりとなる自治体自身が持つべきボーダレスの方針や、「アジア」を視点とする国際化の中で自治体の能力発揮などを話す予定にしていましたが、これは時間がなくなったため、「報告書」に詳細の報告をしていただくこととしました。

「報告書」は、年内発行予定。
前回(第4回)の「東アジアフォーラム」の報告書も在庫しています。
ご希望の方は、下記のところまで、お申し込み下さい。

【申込先】
FAX 011-272-2255
e-mail tL5s-mutr@asahi-net.or.jp

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食料・農業シンポジウムを全道4カ所で開催
基本法の地域具体策の展開、WTO交渉での「食料安全保障」確立を目指して

「食・みどり・水を守る道民の会」は、本年7月の「食料・農業・農村基本法」(新農基法)の制定を受け、また12月から事務交渉が行われるWTO農業協定再協議に向けて、旭川(10/25)・札幌(10/27)・北見(11/2)・釧路(11/4)の道内4カ所において、「食料・農業シンポジウム」を開催しました。各会場とも約300人の組合員・市民が参加し、熱気あふれるものとなりました。

シンポジウムの様子

シンポジウムの皮切りとなった旭川では、主催者を代表して、笠井正行道民の会会長が「食料・農業・農村基本法は本年7月12日に成立したが、食料・農村政策を総合的に展開しようという意思を表したものである。今後、条例制定など具体的な地域での運動展開が最も重要・必要となる。また、これからのWTO農業協定再協議を機会に、世界の食料安全保障の達成や各国農業が共生できる新たな農産物貿易ルールの確立、遺伝子組み替え食料問題などの食の安全性の確保など、国民全体で食料・農業の課題を再認識しあい、運動を一層前進させていく必要がある。したがって、本年秋から冬に向けて、これらの事柄を求める様々な取り組みを展開する」と挨拶。続いて、三島徳三北海道大学農学部教授が「食料・農業・農村基本法の具体化に向けて」との題で講演。次に、地元の永山農民同盟楠書記長から、「稲作」「畑作」「酪農」などの現状報告と問題提起がありました。

最後に、食とみどり・水を守る中央労農市民会議の吉田事務局次長による「基本法」に関する問題提起の後、「基本法の地域具体策を展開し、WTO交渉での“食料安全保障”確立を求める」とのアピールを採択しました。

今後、このシンポジウムを契機に、「自治体首長要請」「議会意見書採択運動」さらに「全道30万人署名」などの運動を展開します。組合員のみなさまの積極的なご協力をお願いします。

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創職協会「第3回訪中視察の旅」実施

北海道創職協会では、連合北海道をはじめ産別・地協・創職協会関係者18名が参加のもと、第3回「訪中視察の旅」を10月10日から17日にかけて実施しました。訪中団は期間中、北京・西安・上海・瀋陽の各地を訪問し、総工会などとの交流により、相互の理解と日中両国の友好を深めました。特に、北京では北京医院を訪問し、実際に鍼灸治療を体験しました。その後、中華全国総工会を訪問し、昨年発生した大水害に対する見舞金270万円を贈呈しました。

カンパを贈呈する工藤副事務局長

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【ストップ地球温暖化!地球温暖化特集−6】
北海道エコリレー実行委員会 代表 小沢典夫(元北大教授)

先進国の新たな排出削減を決めた京都会議

地球温暖化防止京都会議(COP3、気候変動枠組条約第3回締約国会議)は、1997年12月1日から10日までの予定で開催されました。

始めの1週間は事務レベル会議に当てられ、削減対象ガスの範囲、森林等の吸収量を排出量から差し引くかどうか等、前提条件に関する議論が主に行われ、目標本体の議論が本格化したのは、2週間目の閣僚レベル交渉に入ってからでした。日米欧三極の最終交渉の中では、三極ほぼ同等の高めの削減率を要求するEUに対し、国際取引と途上国参加の確保を重視する米国が自らの削減率を引き上げて譲歩し始め、日本も後を追いかけるという展開であったようです。

ともあれ、会議最終日の12月10日深夜に日米欧三極の合意がまとまり、翌11日にずれ込んだ全体会議で、先進国の削減目標等を定める「京都議定書」が採択されました。

この中で、削減対象ガスは6物質とされ(といっても実質的に重要なのはやはり二酸化炭素)、2008〜12年の5年間に「先進国全体で少なくとも5%削減する」として、国ごとにEU8%、米国7%、日本6%等々といつた具合に削減率の当てはめがされました。

また、森林の吸収量については、1990年以降の植林で増えた分はその国の排出量から差し引き、伐採等で減った分は排出量に加算する、という取り扱いが決まりました。米国の要求事項のうち、排出権の国際取引等は原則として先進国間で認められることになりましたが、途上国の取組参加問題は当の途上国の反発で合意に至らず、98年11月にアルゼンチンで開催されるCOP4に先送りされました。

COP3で決まった「京都議定書」の概要

◯先進国の削減

【数値目標】

  • 対象ガス CO、メタン、NO(1990年基準)と代替フロン等(1995年)の6種類
  • 目標年 2008年から12年の5年間 超過削減分は次期に繰り越し
  • 削減率 先進国全体で少なくても5%削減
    dEU8%、米7%、日6%、露0%、豪+8% etc
  • 吸収源 1990年以降の植林(排出減)、森林減少(排出増)に限り参入

【達成方法等】

先進国は、エネルギー効率向上等の措置により、数値目標を達成する。その際、

  • 先進諸国の合意に基づく共同達成(EUタイプ)、先進国間の排出権取引などは可。
  • 途上国の持続的開発と先進国の目標達成に役立つメカニズム(詳細未定)を設置。

◯途上国の取組 合意に至らず

◯議定書発効条件 55カ国以上が批准、かつ先進国は移出量の55%以上をカバー。