2009.02.09
     雇用対策の充実・強化を求め道と交渉

雇用対策で道と交渉
 連合北海道総合雇用対策本部は2月6日、先に提出した「緊急雇用対策および雇用の安定に関する要求と提言」の回答を受けて道と交渉を行い、効果的で迅速な雇用対策の実行を迫るとともに、来年度予算編成における雇用関係施策の充実・強化を求めた。
 この日の交渉は、連合北海道から高瀬、武田両副事務局長を筆頭に7名で臨み、道の経済部や建設部、農政部など5部局から次長、局長らが対応して行われた。

 連合北海道はこれまで、緊急雇用調査団の派遣や労働相談などに取り組み、悪化する道内雇用の実態を把握しながら1月22日、道に対して6課題34項目の「要求と提言」を提出。今回の交渉は、文書回答を受けた中から、雇用の維持・安定や離職者支援策、環境や福祉による雇用創出策など12項目の重点課題に絞り込んで実施した。
 とくに道庁内で雇用対策の要となる経済部とは、離職者支援について求人情報の開拓や国の「ふるさと雇用再生特別交付金事業」、「緊急雇用創出事業」の効果的活用について質したのに対し宮原労働局長は、「先頃実施した8,300社の緊急調査の結果を踏まえ、ハローワークなどと連携を取っていきたい」とし、「(連合の)指摘の通り、色々なチャンネルで求人情報を収集することは大事。庁内各部の意識付けと各部の事業や市町村のアイデアを活かし創意工夫して具体化を進めたい」とした。

■「4年間10万人」の雇用創出計画は前倒し実施を

 また、来週2月12日に開かれる「雇用創出推進会議」について同局長は、「現在の情勢認識や構成団体それぞれの取り組みについて共有化し、今後につながる場にしていきたい」と抽象的な回答にとどまった。これに対して連合からは、@平成20年度から始まっている雇用創出基本計画は、年度ごとの推進計画を立てる。現在の雇用情勢を考えると、21年度計画は重要な局面にあると認識すべき。A平成21年度の交付税では北海道の『地域雇用創出推進費』として96億円と試算されている。96億円全額とは限らないが、このような財政措置がなされることを背景に、労働局長として4年間10万人の雇用創出基本計画を前倒し実施する姿勢や具体策を示すべき。B「ふるさと雇用再生特別交付金」は使い勝手の悪さを指摘する声が市町村からあがっている。今後、道段階で設置される「地域協議会」で議論になると思われるが道の考え方を示す必要があると指摘。これに対して宮原労働局長は、「雇用創出推進計画は、全庁的に新たな切り口で対策を打ちたい。『ふるさと雇用再生交付金』は、内部でも論点があり全国知事会などを通じて意見反映を行った結果、要件が緩和されたところもある」と述べたが、「財源上の制約もある」として、雇用創出基本計画の前倒し実施を明言することはなかった。
 この他、市町村の公共施設の耐震化工事による雇用創出(建設部)、ペレットの普及拡大など木質バイオマスの活用・事業化による雇用創出(水産林務部)、新規就農の促進と道立農試などを活用した北海道農業の振興を通じた雇用創出(農政部)、さらに、福祉職場の雇用・労働条件の改善を通じた雇用創出(保健福祉部)を課題として交渉を行った。


 以 上