2008.11.21
公共職業訓練施設見学会・意見交換会の開催


公共職業訓練施設見学会・意見交換会の開催
職業訓練施設見学会・意見交換会
 連合北海道は11月20日、産別・地協から27名の参加のもと、公共職業訓練施設見学会及び意見交換会を開催した。
 これは国や都道府県が担ってきた公共職業訓練を、政府が民間圧力に屈し必要な科目を廃止し、公共職業訓練をすべて民間に移行しようとしていることに対し、それを担う政労連雇用労や自治労全道庁技専評議会との意見交換を通じ、労働力人口の減少に対処するための課題などを考える機会とするために開催したもの。

 主催者を代表して挨拶をした連合北海道高瀬副事務局長は、公共訓練の必要性と、現在、政府の行政減量・効率化有識者会議で議論されている(独)雇用・能力開発機構の存続問題にふれ、「公共職業訓練を担う中心である同機構の廃止・民営化については、道立高等技専の統廃合問題と同質に職業選択の自由を侵害するものであると考え強く反対する」と述べた。これを受け、雇用・能力開発機構北海道センター笠島統括所長は「機構は国の雇用対策の一翼を担う実施機関としての役割を十分に果たせる。まだ議論は続くと思うが、皆さんの協力をお願いしたい」と参加者に訴えた。

 今回の見学先は3カ所。(独)雇用・能力開発機構北海道センター立北海道職業能力開発促進センターと北海道職業能力開発大学校、もう一つは北海道立札幌高等技術専門学院。CAD技術、木造住宅技術、電気通信施工技術等々、それぞれの分野での専門的な技術を習得するため若者や離職者の方々が真剣に授業にむかっている姿に、参加者は「雇用のセーフティネットとして、こういう場をなくしてはいけない」という思いを新たにし見学会を終了した。ぜひ、来年も実施したいと考えている。

訓練生の実習風景訓練生の実習風景訓練生の実習風景


<参加者からの感想>

                     公共訓練施設を見学して

 札幌市内の公共訓練施設3ヶ所を視察しました。見学に先立ち雇用・能力開発機構の役員の方から、現在の公共職業訓練を取り巻く現状をお聞きし、政府が「機構」の廃止・民営化すなわち公共職業訓練の縮小を打ち出し進めていることを知りました。
 見学し印象に残ったのは、やはり「もの作りの現場はいいな」ということと、若い人たちが実に真剣に明るく技能の習得に取り組んでいる姿でした。特に女性が木工やCADと言った分野の技術取得に励んでいることに「日本の将来も、まだまだ捨てたもんじゃないな」と感じました。
 3ヶ所の学校の卒業生の就職率も高く、企業からの評価も高いことや私の会社の分野である電気通信の授業では危険予知の訓練を行っている等、実践的でレベルの高い授業が行われていることに感心するとともに、このような機関、訓練を縮小・廃止に持っていこうとしている政府に憤りを感じます。また地方自治体への移管も検討されているが、一定のレベルを保つためにも国の役割は大きいものとおもいます。
 ある役員の方が「政府は日本を金融立国にしようとしたが、それは間違いだ。伝統的にやってきた、もの作りを中心とした方向を目指すべきだ」との言葉に、本当にそのとおりだと思いつつ見学を終えました。

                            情報労連北海道協議会 事務局次長 林 武司


 以 上