「住民本位の安心・安全・信頼の地域医療を求める要望書」の
提出にあたってのコメントと今後の課題
2008.8.26/連合北海道地域医療を守る対策委員会
全道各地、各職場で展開した「住民本位の安心・安全・信頼の地域医療を求める要望署名」は個人603,477筆、団体3,729筆を集約し、8月26日に北海道へ提出した。
地域では戸別訪問や街頭、地域集会等で崩壊の危機にある地域医療の現状を訴えた地道な行動の成果が60万筆を超える個人署名の集約となり、安心・信頼の地域医療を求める道民の想いが鮮明になった。
この間、道当局(保健福祉部)との交渉等で明らかになったのは、地域医療の再編・ネットワーク化を図るとして示された「自治体病院等広域化・連携構想」について道は、あくまで「地域に提案するもの」と、まるで他人事のような姿勢に終始していることである。そのため30区域の検討会議の事務局と目される道立保健所の動きは極めて鈍く、関係自治体や医療関係者、地域住民が参加して広域化・連携を議論する機会はほとんど用意されていない状況である。
そのため、医師不足や病院存立の危機という差し迫った状況下で、必要な連携のあり方を議論するための「検討会議」の設置自体が遅れていることに対し、地域からも道の責任を問う声があがっている。
さらに、「検討会議」への参画について、連合北海道や各地協段階で申し入れているが未だにその方向が明確にされず、「検討会議」の運営自体を閉鎖的に進め、さらに地域の意見も聞かずに一方的に議論し結論が出されることが懸念される。
また、北海道企画振興部は、自治体立病院を設置している市町村に対し、自治体財政の再建を最優先とする「公立病院改革ガイドライン」のプランづくりを促している。保健福祉部との連携も口先だけで、自治体の重要な役割のひとつである地域医療の確保や地域間の連携などをどうするのかという論議がなおざりになる恐れがある。
高橋道政は地域住民本位の道政運営を行うとしているが、このように医療問題ひとつとっても、実態は道財政再建を優先し、まさに地域切り捨ての政策を進めている。
地域医療の問題はこの先3年、5年、10年と続く道民にとって重要な課題の一つである。今回の署名提出をひとつのステップとし、真に住民本位の地域医療となるよう、引き続き地域における議論への参加や情報公開等を求め、連合北海道・各地協・地区連合は、地域に根ざした医療のあり方について、地域住民とともに作り上げていく。
当面する取り組みとして、
@道への申し入れを足がかりに、要請項目の具体化を求める。
A各地域で開催する「検討会議」への参画や情報公開を引き続き求める。
B各自治体立病院の改革プラン策定スケジュールの期限が迫っていることから、その検討状況を明らかにさせ、地域住民と共に意見反映を行う。
C各地協・地区連合での学習会等の開催。
D各地域での活動状況の報告などを行うため、秋から冬にかけて全道規模の集会を札幌で行う。
以 上