2008.06.18
6月は「男女平等月間」
-「男性のための男女平等講座」と「男女雇用機会均等法集会」を開催-

 男女雇用機会均等法が85年6月1日に公布されたことから、連合は6月を「男女平等月間」と定め、連合北海道は6月14日に北海道自治労会館において「男性のための男女平等講座」と「男女雇用機会均等法集会」を開催しました。第4回男女平等講座

「男性のための男女平等講座」

 午前10時から開催された「男性のための男女平等講座」は、産別・地域から労組役員50名が参加し、北海道武蔵女子短期大学 平岡祥孝教授より「性差から個人差への時代」と題した講演を受けました。

 平岡教授は、女子学生の就職指導を長年担当し、就職動向や職業意識、さらに企業の採用実態に詳しく、就職問題あるいは、男女平等参画などをテーマにした講演を数多く行っている立場から「(良い悪いではなく)現実に『競争』のルールが変わった。また、肩書き社会・前例踏襲社会・嫉妬社会・情実社会と言える男性優位・年功型組織が崩壊した。
 自分で仕事が創れる人、組織に利益をもたらす人が優秀な人材とされ、優秀な人材の定着を求める企業(組織)は、男・女の性差を問うていない。
 また、仕事の評価は他人がするもの。組織の管理職・役員は、自立した個人を大切にする・働く人を大切にする・若手や女性にとって働きやすい環境を作るなど、個人の実力を限りなく正当に評価する努力を惜しまないものでなければならない」と述べ、「組織の管理職・役員が、旧態依然のやり方、価値観で物事を進めていると、過去の勝者が現在の敗者になる危険性がある。それは(私が知る)会社・企業だけではなく、労組にも言えるのかもしれません」との趣旨の講演をしました。

「男女雇用機会均等法集会」
男女雇用機会均等法集会
 午後1時からは組合員約200名が参加し「男女雇用機会均等法集会」が開催され、小林ちよみ前衆議院議員が「私たちがめざすワーク・ライフ・バランス」との題で講演しました。
 小林さんは、男女雇用機会均等法の成立の歴史と背景について述べた後、会場に「今、社会、自分の生活等々に求めるものを教えて下さい」と問い、「保育の充実・労働時間短縮・非常勤のため待遇改善を・職場の増員・賃上げ(残業代が生活給)・若年層の就労支援・高齢者が安心して暮らせる社会」等々の会場からの発言を踏まえ、「ワーク・ライフ・バランス(以下、WLB)とは90年代にアメリカで企業戦略として発祥しました。日本では『仕事と生活の調和』と訳され、政府・経済界・労働界・地方代表者・有識者から構成される『WLB推進官民トップ会議』を開催していますが、このトップ会議において昨年末に策定された『WLB実現のための憲章及び行動指針』を見ると、政府、そして経済界の思惑が見えてきます。
 政府の思惑は少子化対策が主眼と思われます。経済界にいたってはホワイトカラーエグゼンプション導入など労務コストを削減することが目的であるかのようです。
 しかし、今、会場からの発言にあったように、ワークとライフは別のものではありません。『ワークはライフの一部』と捉えるのがWLBの広義的な考え方です。
 そして、もちろん女性だけの問題ではありません。すべての人たちが対象となるものであり、なおかつ、求めるものが人それぞれで異なります」と述べ、続いて「政策としてのWLBは必要です。しかし、それは例えば女性労働者の仕事と育児・介護の両立のみにとどまるようなものではありません。
 ましてや政府や経済界の思惑ではなく、男性か女性か、家族的責任を有しているか否か、正規か非正規かを問わず、すべての労働者にとっての仕事と生活のバランスの回復であり、だれもが安心して働き続けることが可能な社会、だれもが仕事と生活の調和が選択可能になる社会を実現することです。
 WLB推進官民トップ会議には、連合の高木会長も参加されています。労働者の立場から、実態の声を政治の場に上げて行きましょう」と述べました。男女雇用機会均等法集会


男女雇用機会均等法や育児・介護休業法の改正等、制度面での男女平等は進んでいますが、非正規労働者の増加、賃金や昇進・昇格における格差、与えられる仕事の違い等による男女間格差は是正されず、実質的な男女平等はなかなか進んでいません。

 労働組合の男女平等参画でさえ目標達成にはほど遠く、実効性ある取り組みが“待ったなし”の課題となっています。
 連合第3次男女平等参画推進計画がめざす「仕事における男女平等参画」と「男女双方の仕事と生活の調和」の実現に向け、この6月の男女平等月間を起点とし、連合北海道としても自らの課題として取り組みを強化していきます。

 以 上