2007.12.17
道立技術専門学院の廃止反対全道集会を開催
挨拶する柳連合北海道会長
 連合北海道と網走地協は13日、網走市内で「道立技術専門学院の廃止反対全道集会」を約160名の参加のもとに開催した。
 道は、「高等技術専門学院のあり方検討委員会」の報告に基づき、「道立高等技術専門学院の新しい推進体制に関する基本方針(中長期ビジョン)」を作成。その中で、当面は地方校の網走・滝川の廃止案を示している。
 主催者を代表して挨拶した高柳会長は、「連合北海道の要請に対し道は、『見切り発車はしない』と回答しているが、先走って網走・滝川の廃止を道案としてマスコミに流すなど、既成事実を積み上げ意見を無視するのは、断じて許されない」と道を批判した。
 続いて、北海学園大学木村保茂教授から「公共職業訓練と能力開発の重要性」について講演を受けたが、その中で@高度成長期には企業内職業訓練(OJT)が主流であったが、経済のグローバル化とバブル経済の崩壊の結果として、わが国の人材育成システムは企業内から外部に転換する時期にきている。A特に若者や新規学卒者の雇用に関しては、「失われた15年」の間に、大幅な後退があるが、その原因は、わが国の職業訓練に対する政府投資の少なさにある。(GDPの0.01%程度)B世界的には、ユネスコやILOの合意として、「職業教育や訓練は生涯にわたるもの」という考え確立されつつある。C労働運動と職業訓練の関係は、1960〜70年前後に大きな山場があり、「権利としての職業技術教育」「参加者による団結ガンバロー公共サービスとしての保障」「技術進歩に対応した内容」などの考えが整理されたが、それ以降の30年はほとんど取り上げられていない。D今回の技術専門学院に関する道案は、「格差固定化の回避」をうたいながら、内容は格差の再生産につながるものではないか。との提起がされた。
 引き続き、「地域の思い」として、網走技専の存続を求める協議会本間会長からは「技術者の人材育成を行う公共の職業訓練機関が地域から失われるということは、関連業界にとって、また地域の経済・産業の将来を考えるときに非常に大きな影響がある」、当該校を抱える滝川地区連合近藤事務局長からは「拠点校・地方校と道が勝手に決めているが、滝川技専は空知の拠点校。道央圏に統廃合することには絶対反対」、全道庁技専評議会櫻井議長からは「地方自治体や国が雇用を守るということは施策として絶対民間に任せてはいけない部分。技能の質を国と道が保証していかなければ、生涯を通して職業訓練を受ける権利を有している国民に対しての背徳行為と言わざるを得ない」と、それぞれの立場で思いを述べた。
 連合北海道はこうした思いを受け止め、今後も地域と連携し、運動を展開していくこととする。