連合北海道は10月22日、滝川校と網走校の廃校などが盛り込まれた「道立高等技術専門学院の新しい推進体制に関する基本方針」に対する申し入れを道に行いました。
道立高等技術専門学院は現在道内に10校あり、雇用対策・スキルアップに大きな役割を果たしていますが、道は危機的な道財政を背景に、雇用のミスマッチ問題の深刻化や国の職業訓練費補助金の一般財源化などの理由を挙げ、「高等技術専門学院のあり方検討委員会」を設置し、検討をすすめてきました。その報告が今年まとめられましたが、内容は滝川校・網走校の廃止を含め、大幅な機構縮小・見直しとなっており、公共サービスのレベル低下を招くものとなっています。
連合北海道は自治労など当該組織と協議の上、@廃止・廃科・見直しを行うのではなく、機能充実に向けた改善を優先すること、A民間と重複しても「ビジネス系」訓練を廃止しないこと、B滝川校・網走校を廃止しないこと、C能力開発総合センターを拡充すること、の4点について申し入れました。
応対した近藤副知事は、「ものづくり技術者が道立技専の任務」と、技能者の育成は大事だと考えているものの、「限られた人材育成資源を有効に活用しなければならない。北海道の経済構造の転換のために、総合的に勘案して見直しをしていかなければならない」とし、「見直し」の見直しはしないと述べるとともに、廃校、廃科をするにあたっては地元の理解と協力を得てすすめていきたいと答えました。
佐藤局長や松浦組織労働局長らが、『「あり方検討」が具体的な改善策と改善方向を提言することなく「廃止・廃科」が先にありきの論議となっている』ことや、『技専でビジネス系の訓練を受ける費用は道立高校の授業料並み程度だが、民間の専門学校や専修学校では約100万円かかる、また、滝川校の廃止は札幌への統合となり、授業料や通学費など経済的に負担増を伴い、廃校・廃科により公共サービスの低下を招く』など、多方面から多くの問題点を指摘しました。論議は平行線のままとなりましたが、「サービスの低下を招かない」、「道の説明責任」、「地元の理解無しに実施することはない」との3点を確認しました。
この問題について、道の姿勢は、財政状況の悪化による公共サービスの切り捨てであることをひた隠しにし、「(技専の)施設外訓練の拡充」という責任放棄を画策するもので、断じて容認できません。しかも、「あり方検討」に際し、専門学校連絡会など利益代表をメンバーに入れて、「官から民へ」の大合唱をバックに、新卒未就業者への窓口を実質的に閉じるもので、雇用情勢が厳しい北海道の情勢に逆行するものです。
連合北海道としては今月29日に予定されている労働審議会で取り上げ、引き続き基本方針の見直しを求めていきます。
以 上
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