2007.09.03
米軍実弾演習の矢臼別移転反対全道集会を開催

集会で挨拶する渡部連合北海道会長
 米軍実弾演習の矢臼別移転反対全道集会(主催者 連合北海道・北海道農民連盟)が、9月2日中標津町で開催された。(参加者約2000人)連合北海道の渡部会長は、「移転訓練が1997年から実施されて以降、連合北海道は一貫して反対行動を行ってきた。冷戦構造が終焉した現在、軍縮こそめざすべき道である。北方領土問題の解決交渉への影響は勿論のこと、地元の農業にも大きな影響を与えている。米軍基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本的見直しこそ必要である。新ガイドライン以降、安保体制は明らかに変質しており、敗戦後62年を迎えた今、主権国家に相応しい日米関係の構築が必要である。息の長い闘いとなるが、共に頑張ろう!」と主催者を代表して力強く挨拶した。
 続いて、連合本部大塚総合組織局長、地方連合を代表して連合大分の嶋ア会長(連合沖縄の仲宗根事務局長も参加)、民主党仲野博子衆議員が連帯挨拶を行った。
 その後、アピール文「平矢臼別集会でのデモ行進和と民主主義、道民の生活と安全を守るとともに全国の仲間と連携し、在日米軍基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本的見直しの闘いを更に広げていく。同時に憲法の平和精神を貴重にした軍縮を促進する取り組みを強化し、世界の恒久平和の確立に向け全力をあげる」が大きな拍手で採択された。
 閉会の挨拶では、北海道農民連盟の西原委員長が、「連合北海道と連携して、集会を開催したきたが、多くの皆さんのご協力に感謝する。北海道の基幹産業の農業、特にこの矢臼別では畜産業への影響は大きい。平和・軍縮は勿論、北海道の農業を守るという意味でも闘いを皆さんとともに取り組んでいく」と述べ、合わせて遠方から参加した来賓に感謝の言葉を述べた。
 集会は、釧根地協の小柳会長の団結ガンバローで閉められ、中標津町内をデモ行進した。

                         集会アピール 

 われわれは、沖縄の県道104号線越え実弾演習の国内移転について、「平和と軍縮」を基調とした在日米軍の規模縮小、米軍優先の不平等な「日米地位協定」の見直しなどを国に強く求めてきた。
 また、北海道知事をはじめ、地元自治体も、再三にわたり、沖縄では行わなかった夜間演習の中止や、住民生活に不安を与える隊員の外出禁止などについて、政府に強く要請し、誠意ある対応を求めてきた。
 しかし、これらの声を無視し、「沖縄と同質・同量」との約束を反故にし、9度目の米軍の実弾移転演習が強行されようとしている。これは、明らかな「固定化」であり、「沖縄の痛みの分かち合い」の美名のもとで、基地の拡大・強化をはかるでものあり、断じて認められず、断固抗議するものである。
 われわれは、沖縄の「痛み」を分かち合うことまでは否定していない。しかし、その絶対的な前提条件であり、沖縄県における米軍基地の集中による重圧が、県民に大きな負担を強い、県民生活のみならず生命や人権さえも脅かされている。この現状を打破する唯一の道は、「在日米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本見直し」である。
 この根釧原野は、酪農の基地でもあり、わが国の食料基地である北海道のなかでも重要な位置づけにある。この緑あふれる大地に、砲弾が容赦なく打ち込まれ、豊かな自然環境が破壊され、安らかな日々の生活が脅かされることを認めるわけにはいかない。
 また、北方領土に隣接する地での演習は、現地周辺の緊張をいやが上にも高め、領土問題の解決という国民の悲願達成に向けて様々な努力が行われている中で、政府自身がこれを大きく後退させるものとなっている。
 イラク特措法やテロ特措法による自衛隊の海外派遣、新ガイドラインに基づく空港や港湾の度重なる米軍の使用や移転演習など、明らかに平和と軍縮に逆行している。
 われわれは、今後も、わが国の平和と民主主義、そして道民の生活と安全を守るとともに、全国の仲間と連携し、在日米軍基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本的見直しの闘いを更に広げていく。また、同時に憲法の平和精神を基調にした軍縮を促進する取り組みを強化し、世界の恒久平和の確立に向け、全力を挙げるものである。
2007年9月2日
                               沖縄米軍の実弾演習 矢臼別移転反対全道集会


以 上