2007.09.03
第2回北海道中小労働者研修交流集会開催
   賃金問題などを学習 ネットワーク化にむけた準備をすすめる


 連合北海道は昨年から開催している中小労働者研修交流集会を9月1、2日の両日、旭川市で開催した。
 この中小労働者研修交流集会は日頃顔を合わせる機会の少ない中小職場の第2回中小労働者研修交流集会組合員の顔合わせを目的とし、今年も道内各地から50名ほどが参加した。
 労働審判員の新野勝昭さんからは労働組合法の概要の他に、不幸にして職場で問題が発生し交渉で解決できない場合の方策について、「従来からある労働委員会、昨年の4月からスタートした労働審判員制度とも解決率が高い。特に労働審判制度は3ヶ月以内での解決をめざしスピーディ。利用してほしい」と説明した他、「60万円以下の賃金未払いなどは簡易裁判所の少額訴訟を利用した方がいい」とアドバイスした。
また、多くの中小職場では賃金制度が整備されていないことから、今回は連合本部中小労働対策局の高橋次長から賃金制度の整備にむけて賃金カーブの算定など学習した。高橋次長は「組合員と家族を守るのが労働組合役員。データが多いほど交渉が有利になる。昨年の春季生活闘争でも個人別賃金を把握している組合は把握していない組合に比べて4倍も賃金カーブを維持、改善している。賃金制度がない場合でも最低でも組合員の賃金データをしっかり把握し交渉を」と説明した。また、連合北海道組織労働局の千田次長からは今年2月に連合北海道が作成・配布した「賃金・交渉マニュアル」を基に、中小職場における交渉術や妥結後の配分について学習した。
一方、「北海道の産業と賃金」と題して講演した北海学園大学経済学部の川村講師からは、規制緩和後のハイタク・運輸産業の実態を例にし、「賃金や勤務時間など個別の労使関係では解決できない状況になっている。労使一体となって産業の中で何が問題となっているのか、それを解決するにはどういう産業ビジョンを描かなければならないのか真剣に考えるべき」と指摘した他、NPOとの連携や貧困、環境団体と共同した運動の中で自分たちの生活改善をはかるなど、従来の労働組合のウイングを広げた取り組みが必要と呼びかけた。
 参加者から各組合の状況について課題や成果が出され、「学習が必要」、「大変参考になった」との声が聞かれていた。
 また、交流会では参加者がそれぞれ自己紹介や職場紹介を行い、時間がたつのも忘れて交流を深め、「また来年も会おう」と再会を誓っていた。
 連合北海道では全道のネットワーク化の構築や情報の発信など日常的に中小組合が連携がとれるよう取り組みをすすめていくこととしている。
 来年は6月に渡島地協管内で開催する予定。

以 上