中小企業労働者の健康保険制度(協会管掌健康保険)   
    の制度改革及び保険料率改訂激変緩和のお願い

■要請の主旨
 日頃より、連合北海道に対しご指導、ご鞭撻を賜り御礼を申し上げます。
 さて、昨年10月政管健保が国から切り離され、公法人の全国健康保険協会管掌保険(協会けんぽ)に移行しました。これにより本年9月から都道府県単位に保険料率を設定することになり、試算によると北海道の保険料率は全国最高の8.75%となります。このままでは道内の被保険者全体(98万6千人)で197億円(一人あたり約2万円、事業主と折半)の負担増となります。
 協会けんぽ発足から5年間「激変緩和」措置を講じることとなっており厚生労働省は4つの案を示し、3月中旬までに政令を決めるため与党の議論が行われていますが、与党内においても異論が多く足踏み状況にあります。政令は与党が決定するため、負担が伴う保険料という重要な事柄にも関わらず、国民の意見は届かないという問題点があります。
 医療サービスの偏在や面積の広い北海道では入院費用が多く、医療費がかさむのは構造的要因であり、それを地域責任、被保険者責任とする「罰則」的負担増は医療保険を歪めることになります。協会けんぽの財源(都道府県支部の所要保険料)は年齢調整及び所得調整として行われますが、医療提供体制や地域性も加味した制度改革が必要です。こうした、問題点や課題は被保険者にも、十分に周知されていません。地域の実情により保険料が設定されること、給付に応じて負担を求める考え方には、相互扶助としての医療保険制度・国民皆保険のあり方として問題点も含んでいると思います。
 当面の課題としては、(1)激変緩和対策、(2)制度的な問題点としては、財源(都道府県支部の所要保険料)の全国調整機能を拡充する必要があります。
 政令の準備が遅れていることから、パブリックコメントの募集・締め切りを2週間とするなど厚生労働省の対応は形式的で拙速です。国民の暮らしに直結する課題が十分な審議なしに、道民に押しつけられようとしています。時間もありませんが、国会議員団の皆さんのご協力をお願い申し上げます。

■要請事項

1.激変緩和対策について
 昨年10月に協会けんぽが発足して間もないことから、当面、現行の保険料率を維持すること。

2.財源(都道府県支部の所要保険料)の全国調整機能の拡充について
 財源の全国調整機能については、各県の年齢構成及び総報酬額(所得水準)に加え、医療サービスの偏在など被保険者の責任によらない要因も加味する制度とすること。

3.地域医療の充実
 医療費の効率化に向け、地域医療の充実、地域医療計画の見直しなど、国、地方、協会けんぽがそれぞれの責任で取り組みを行うこと。
以上

日本労働組合総連合会北海道連合会
会長 柳 薫