2006年5月30日
「在日米軍再編に関わる基本方針」閣議決定に対する見解
 
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長  渡部 俊弘   
 
 5月30日、政府は在沖縄海兵隊のグアム移転とその費用負担や普天間飛行場の移設、東アジア最大の米空軍基地である嘉手納基地F15戦闘機訓練の一部を航空自衛隊千歳基地を含む自衛隊基地に移転・分散させるなどの「在日米軍再編に関わる基本方針」を閣議決定した。

 今回の決定は、5月1日に日米合意した基地再編を「的確かつ迅速に実施する」として日米協議を優先したもので、再編関連経費の総額も明らかにされておらず、十分な国会論議もされていない。地元住民ばかりか国民への説明責任を放棄したものであり断じて許されるものではない。
 
 千歳基地の移転訓練の内容について4月26日、防衛施設庁は@F15戦闘機5機が参加する訓練は1回4〜5日間で年7回、AF15戦闘機12機参加の訓練が10日間で年3回、B空自との共同訓練とし、米軍単独訓練ではない、C土・日曜日と夜間、早朝訓練は行わないと説明した。しかし、米軍基地を抱えた地域では、協定を守らない訓練が実施され地元住民は多大な苦痛と危険にさらされている。矢臼別移転演習でも、沖縄と同質・同量との約束は守られていないばかりか、新たに砲撃訓練に機関銃などの射撃訓練を加える計画が持ち出されるなど、訓練内容の拡大強化も懸念されている。

 今回の「在日米軍再編に関わる基本方針」の閣議決定は、「在日米軍基地の整理・縮小」や「日米地位協定の抜本的見直し」に何らつながるものではなく、むしろ米軍と自衛隊の一体化と日米地位協定の改悪につながるものである。

 米軍基地問題の根本的な解決は、「危険の全国分散・拡大・固定化」ではなく、「米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本見直し」を確実に進め、最終的には在日米軍基地は米国へ移転・撤収することが「当たり前」のこととされなければならない。

 連合北海道は、今回の閣議決定に断固反対し撤回を求めるとともに、沖縄をはじめ全国各地の平和勢力と連携し、引き続き「在日米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本的見直し」の闘いをさらに強めていく。

以 上