泊原発増設問題に関する堀知事の最終判断について

2000年9月6日 連合北海道

1.昨日より開催された第2回臨時道議会において、堀達也知事は北電泊原発3号機増設計画について、「国(電源開発調整審議会)から意見を求められた際には、異存無い旨申し上げる」とし、増設に同意する旨の最終判断を示しました。

2.連合北海道としては、泊原発増設の賛否については、組織事情から直接的にコメントする立場にはありません。

しかし、私たちが目指すエネルギー政策の政策理念と政策方向である「脱原発」や、堀知事自身の公約との整合性への説明責任、また、道民世論を二分するような政策課題に対する最終的な手続き、手順の進め方については問題点を指摘し意見を言わざるを得ません。

3.第1点は、脱原発の政策理念とそれに基づく増設計画の同意の整合性について、今回の道議会の質疑においても判断にあたって説明が求められているにもかかわらず、十分な説明に欠けていたという点です。

これでは、多くの道民、有権者は単なるスローガン、公約違反と受け止めるのは当然であります。

堀知事は少なくとも、脱原発の政策方向を踏まえて、私たちが求めた既存の泊原発1・2号機の廃止時期の考え方や、今後の原発の新・増設についてその考え方を明らかにする責任がありました。

この点については遺憾であり、支持団体としては責任は持てません。

4.第2点は、最終的な判断を行った手順・手続について慎重さに欠けていた点です。

堀知事は、この原発増設計画という道民世論を二分する重要な政策課題について私たちの要求などに応えて、他の都府県においては例をみない「国の公開ヒアリング制度の民主化」や「北海道エネルギー問題協議会」の設置、「道民のご意見を聴く会」の開催等に取り組むなど、慎重に手続きを進めてきました。これらの対応は、私たちも評価してきたところです。

しかし、直近における放射能管理区域内の相次ぐ死傷事故の解明や道民投票による道民の意志確認を求める声がある中、最終判断に際し、道民の代表である道議会での論議をわずか1日の会期(結果は2日間)の臨時議会に示し、事実上論議を断ったことは、拙速であったと指摘せざるを得ませんし禍根を残しました。

5.しかしこの道議会において、民主党・道民連合の修正に応えて全国で初めての「原子力を過渡的エネルギー」と位置づけるとともに、「脱原発の視点」に立った「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」が全会一致で成立をみたことは、道議会の見識を示したものとして評価いたします。

6.今後、連合北海道は、この制定された条例を踏まえ、脱原発のアクションプログラムの策定、とりわけこれを達成する課税自主権を踏まえた税財源の確保などの政策課題に全体で取り組み、資源循環型社会の構築に向け、道民運動を提起しながら取り組むことといたします。

以 上