道内港湾への米海軍艦船寄港
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 昨年6月、南北朝鮮の首脳会談が実現して、朝鮮半島情勢が大きく変化し、大韓民国「金大中」大統領にはノーベル平和賞が授与された。我が国周辺の東アジア情勢は明らかに好転しつつある。
 しかしこの北海道においては、連続4回の矢臼別での米軍実弾移転演習や、小樽への米海軍空母「キティーホーク」の寄港、函館・室蘭への度重なる米艦船の訪問、帯広空港への米軍機強行着陸、本道周辺での日米演習の拡大など、軍事行動が頻繁となり、平和と軍縮の前進どころか後退とすら感ぜざるを得ない。
 
 このような状況に加え、2月2日に「ヘリ空母エセックス」が室蘭に、7日に「第7艦隊旗艦ブルーリッジ」が苫小牧に、17日には「駆逐艦ジョン・S・マッケイン」が小樽に寄港を予定されることは、明らかに異常事態であり、平和と軍縮を希求する道民の意志に反し、道民の安全を脅かすものである。
 
 第1に、このような米海軍艦船の度重なる入港は、道内民間港が準軍港として位置づけられ、固定化の疑念はさけられない。また、「日米新ガイドライン」による自治体協力をなし崩しに進めるものであり、自治体に軍事的役割を求めるものである。
 第2に、数万トンの巨大軍艦の寄港は、商業港の荷役・旅客などの経済活動に大きな支障が発生する事は小樽で実証されている。
 第3に、わが国の国是として定着している「非核三原則」に照らして、米艦船は核搭載の疑義があり、非核の証明なしにはとうてい受け入れられるものではない。
 現に先般小樽に寄港した「キティーホーク」についても、79年11月には東シナ海で「模擬核爆弾11発投下の演習」が実施されたことが、「キティーホーク 西太平洋・インド洋派遣リポート」に記載されているとの報道もある。(毎日新聞 1999年8月8日)
 また、歴代政府が、核兵器搭載の米艦船寄港を口頭了解するとの公文書が明らかになり、永年にわたり国民を欺いていたことが明らかにもなっている。
 
 今回の艦船の寄港目的は「親善と友好」とのことであるが、東西冷戦が終わったいま、米海軍の巨大艦船を介してそれを図らなければならない積極的な理由はなく、言われるように「札幌雪祭り」の観光であれば、軍艦を乗り付けての参加は、せっかくの国際イベントである「雪祭り」に対して、国内外の観光客にイメージの悪化がないかと懸念される。
 いずれにせよ、道民の安全を確保し、北海道の平和と軍縮の拡大をめざす立場からは、いかなる国のものであろうと、軍艦の道内商業港寄港は歓迎するものでないことは明らかである。
 
 したがって、連合北海道は、これら米海軍艦船の寄港は、北海道の平和の確立と軍縮の推進を求める多くの道民世論に反する行為であり、断じて認められないことを表明するとともに、各港湾の管理者たる首長が、住民の安全と地域の平和を守る責任において、寄港拒否を表明するよう強く求めるものである。
2001年1月10日   
連合北海道 会長 笠井 正行


抗議先 E-mail address
  @Essex(強襲揚陸艦・ヘリ空母 40,532トン) esxpao@essex.navy.mil (室蘭寄港 中止)
      CO (commanding  officer)  Scott A. berg  USN
  ABlue-ridge(揚陸指揮艦 19,200トン) pao@blue-ridge.navy.mil
      CO  David Ziemba
  BJohn・S・McCain(駆逐艦 9,700トン) marmstrong@mccain.navy.mil
      CO  Jeffery Harbeson USN
  Cgary(フリゲート艦 3,800トン) schwarzc@gary.navy.mil
      CO  Michael R. Olmstead