2004年1月7日
「さっぽろ雪まつり準備」に関する陸上自衛隊師団長発言に対する見解
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長 渡部 俊弘
1月6日、陸上自衛隊第11師団の竹田治朗師団長が、過度なイラク派遣反対デモなどが行われた場合には「撤収も検討する」と発言したとの報道があった。
師団長の発言が、イラク派遣に反対・中止を求める運動に対して、「雪まつり」への協力をたてに圧力をかけたものであれば、これは重大問題であり、極めて遺憾である。
なぜならば、第一には、シビリアンコントロール・文民統制の原則を逸脱するからである。
民主国家における軍隊の位置付けの大原則であり、軍隊はあくまでも国民の意志を反映した政府と議会の下にコントロールされるとのシビリアンコントロール・文民統制の原則は、先の戦争での軍部の暴走を教訓に確立した大原則である。
第二に、憲法が保障する「言論・表現の自由」に対してである。
イラク派遣とは全く別次元の「さっぽろ雪まつり」をたてに、イラク派遣に関する言論・表現に対して不当な圧力をかけたものであれば、到底許されるものではない。
第三に、連合北海道の「イラクへの自衛隊派遣に反対する運動」は、世界の平和と日本の役割について世論に訴え、派遣を決定した政府に政策転換を求めるものであり、自衛隊に向けているものではない。
以上のような観点から、連合北海道は、民主党北海道に対して師団長に対し直接面談を行い、その発言の真意を確認するとともに、その結果いかんによっては、北部方面隊総監部に厳重に申し入れるよう求めた。
以 上