2004年12月9日
 
日本労働組合総連合会北海道連合会
会長 渡部 俊弘
 
〜国会軽視と国民世論無視の自衛隊派遣延長決定に抗議する〜
自衛隊のイラク派遣延長の閣議決定にあたっての見解
 
 小泉首相は、本日、臨時閣議を開催し、イラクに派遣している自衛隊の派遣を1年間延長することを決定した。国会審議を軽視し、国民世論を無視した自衛隊の派遣延長の決定に強く抗議する。
 国民の反対を押し切り、憲法を踏み外して、本年1月16日にイラクへ自衛隊が出発して10ヶ月余りが経過した。ブッシュ政権がイラクへの先制攻撃を正当化する根拠としたイラクの大量破壊兵器の保有という主張は、「イラクにはいかなる大量破壊兵器も存在しなかった」とする米国調査団の最終報告により、その根拠は根底から否定され、今や、イラク戦争の大義は完全に崩壊している。
 
 イラクでは、今もなお、戦闘状態が続き、11月7日には暫定政府自らが北部のクルド人自治区を除く全土に非常事態宣言を発令した。そして、サマーワの自衛隊宿営地には3回にわたりロケット弾が打ち込まれた。米軍のファルージャ攻撃などで罪も無き市民が殺戮され、NGO,イラク・ボディーカウントは、この戦争による一般市民の犠牲者は、最小で14,619人、最大で16、805人と報じている。イラク特措法の「非戦闘地域」はどこにもない。イラク全土が緊迫化し、事態は一層深刻の度を増している。
 
 小泉首相は「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」などと無責任な発言を繰り返し、大野防衛庁長官は、わずか5時間半の現地視察で、サマワが安全な地域であることをで確認した。派遣延長先にありきのアリバイ的な視察であり、国民を愚弄している。
 民主党など野党3党は共同で、去る11月11日、臨時国会において、「イラク復興支援特措法の廃止法案」を提案したが、小泉内閣は十分な審議もなく会期末をむかえ廃案としてしまった。
 昨年7月、政府与党が、イラク復興支援特別措置法を強引に成立させて以降、イラク戦争の開戦の経緯や憲法上の疑義から、連合北海道は自衛隊のイラク派遣に一貫して反対し、運動を続けてきた。
 
 私たちは、イラク特別措置法が期限切れとなる12月14日以降も引き続き、派遣を延長することは断じて容認できない。派遣延長に抗議し、抗議の打電行動、抗議集会に取り組む。国連憲章や日本国憲法の精神に立脚して、引き続き、イラクから自衛隊の即時撤退を求める。
以上