2005年3月18日
自衛隊のイラクからの即時撤退を求めるコメント
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長 渡部 俊弘
米英軍などがイラクを侵略し、占領してから2年が経とうとしている。イラク・サマワに派遣された自衛隊も駐留2年目となった。
開戦以来、米英軍を中心とする占領軍・多国籍軍に10万人を超えるイラクの市民が殺された。占領軍・多国籍軍の兵士は1500人以上が戦死し1万人以上が負傷した。その数は、いまこの時も増え続けている。
これが「大量破壊兵器」という偽りの情報によって始められた戦争の結果である。
私たちはこのような悲劇がさらに続くことを、断じて許すわけにはいかない。
3月16日、イラクの制憲議会となる国民議会が初招集された。しかし各勢力間の協議が難航し、大統領や首相人事を含む重要決定は先送りされた。選挙から1カ月半以上が経過しても政府ができず、治安も回復していない。
ブッシュ大統領の占領政策が破綻していることは誰の目にも明らかである。しかし、小泉首相はあくまでもアメリカに追従する立場に固執している。
その結果、約400億円の血税を費やし、2250人の自衛隊員が派遣された。日本人が標的にされる事件が発生し、昨年10月には香田証生さんの命が奪われ、11月には信管付きのロケット弾が宿営地付近に撃ち込まれた。宿営地を狙った砲撃は9回に及ぶ。
サマワ周辺の治安維持に責任を持つオランダ軍が撤収を開始し、代わってイギリス軍が駐留、さらにオーストラリア軍が増派されるなど、イラク情勢は目まぐるしく動いている。
すでに、スペイン、ハンガリー、ノルウェー、フィリピン、タイ、ニュージランド、カザフスタン、ホンジュラス、ドミニカの各国が続々と兵を引き上げた。今後、ポルトガル、ルーマニア、ウクライナ、ポーランド、オランダ、そしてイタリアとさらに撤退する国は増えている。
国際社会から孤立しているのは米英軍を中心とする占領軍・多国籍軍に派遣・参加している国々ではないのか。
本年1月に共同通信社が全国世論調査を実施した。「派遣に反対」が56%、「賛成」の38%を大きく上回った。早期撤退が国民の要求である。小泉首相は今度こそ主権者の民意を重く受け止めるべきである。
自衛隊がイラクの市民をただの一人でも殺す前に、これ以上の日本国民が殺される前に、イラク市民が自らの価値観と自治の意識による復興を果たすように、イラクに派遣された自衛隊を、今ただちに撤退するべきである。
以 上