2004年11月11日
 
イラク特措法廃止法案 野党三党共同提出について
 
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長  渡部 俊弘   
 
 民主、共産、社民の野党3党は11日午前、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、治安悪化が懸念されるイラクからの自衛隊即時撤退を要求することで一致、派遣根拠法であるイラク復興支援特別措置法の廃止法案を同日午後に衆議院議長に共同提出した。
 連合北海道は民主党北海道に対し、イラクの現実を直視して新たな国際協調体制の確立を求めるとともに、「自衛隊派遣の延長を行わせないよう」国会内外での強力な取り組みを要請してきており、法案提出を歓迎・賛同し、今後も連携して自衛隊の即時撤退の取り組みを強化する。
 
 イラク暫定政府は11月7日、北部クルド地域を除くイラク全土を対象に、非常事態宣言を発令した。陸上自衛隊が活動するサマワも、非常事態宣言の対象地域に入った。南部地域が除外されなかったのは、他の地域と同様、武力衝突など治安の深刻化が懸念されると暫定政府が判断したからである。
 事実、自衛隊宿営地の周辺は今年4月以降、反米武装勢力による威嚇攻撃が相次いでいる。宿営地近くで砲弾が6回着弾し、宿営地内にもロケット弾が2回撃ち込まれた。サマワ周辺の治安が悪化し、緊迫の度合いが急速に深まっているのは確実である。
 しかし、小泉首相は「サマワの治安情勢は予断を許さないものと認識」と衆院本会議で答弁し、治安の悪化を認めているにもかかわらず、なお「非戦闘地域だ」と強弁し、派遣延長は期限がくる時点で判断すると繰り返している。
 現地情勢は、派遣期限が迫るまで様子見するという対応を許さないほど悪化しており、最大の国益が「国民の命を守る」ことである民主主義国家の元首としての危機意識・緊張感は全く感じられず、全く理解できない。
 
 現行の基本計画は、来月14日に期限が切れる。現在、陸自部隊約570人がサマワに派遣され、空自の約200人がクウェートを中心に輸送業務を実施している。
 イラクは「内戦」状態にある。大量破壊兵器が見つからず戦争の大義が失われた。小泉首相は、もはや派遣の前提が崩れている現実を見据え、国民世論に最大限耳を傾け、イラクから自衛隊を即時撤退させるべきだ。
 連合北海道は今後も民主党や様々な市民団体とも連携し、「自衛隊派遣の延長を行わせない」取り組みをさらに強化する。
                                   以  上