幌延町への「深地層研究所(仮称)計画」問題に関する
知事判断に対するコメント
幌延町への「深地層研究所(仮称)計画」(1998年2月26日科学技術庁、1998年12月18日核燃料サイクル開発機構から申し入れ)について、去る6月26日に道の基本的考え方(以下、道案とする)を示し、その後、道民意見聴取や道議会での論議を重ねてきた課題について堀知事は一昨日(10月14日)の道議会において処分場への不安や懸念を払拭するため道案を補強する観点から3項目を協定に盛り込むこと、また、道内に放射性廃棄物を受け入れないとの考え方に立って条例を提案する旨等を表明。また、深地層研究所(仮称)計画は原発が稼働している現状では、安全に処分するための技術の確立が求められるとし、受け入れることが適当との考えを示し、本日の道議会で「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」が理事者提案され、制定された。
これに関し、以下の通り連合北海道の見解を述べる。
(1) 幌延町への「深地層研究所(仮称)計画」問題については、連合北海道は、道案の提示を踏まえ、7月31日の産別・地協代表者会議で「見解と対応方針」を決定するともに5団体(民主党北海道、公明党北海道本部、北海道民社協会、北海道平和フォーラム)とも連携し、知事公約の実現の観点から統一対応となるよう最大限の努力を尽くしてきた。
(2) とりわけ、撤回されたとはいえ、堀知事の公約発言(9月6日)や条例発言(9月18日)問題により、道政への不信感が高まるなか協定の補強はもとより、道段階の措置については「道として道内に放射性廃棄物を受け入れる意思はなく、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場を受け入れる意思はない」とする条例の制定を最優先に取り組むこととの見解を整え、10月6日、5団体が一体となり、道に求め、知事も条例制定を決断した。
(3) その結果、本日の道議会において、「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」が制定されたが、その内容は我々が求めてきた明確な拒否の意志とまで至らず、「特定放射性廃棄物の持ち込みは、受け入れ難いことを宣言する」との表現となった。
これは核持ち込み容認を狙う自民党会派の数を背景としたごり押しの結果であり、道民の意思を数の力をもってねじ曲げた自民党とこの間の政府の不当介入に抗議するとともに、猛省を促したい。
(4) しかし、堀知事が条例の認識で明らかにしているとおり、「道内に放射性廃棄物を受け入れない」との考え方に立って条例を制定したものであり、この「道民の意思」と、数の力でねじ曲げられた「道議会の意思」のギャップは、今後の周辺自治体における「放射性廃棄物を持ち込まない」議会決議運動や道民運動の展開を確立する必要がある。このため、連合北海道は、継続して取り組む。
また、この間道議会内において我々と同一歩調で最大限の取り組みを行い、条例化まで奮闘していただいた「民主党・道民連合議員会」「公明党議員団」「道民クラブ議員会」には、お礼を申し上げる。
(5) 今後知事は協定締結に向け、関係者と協議に入ることを明らかにしているが、その前に、今次示した知事の見解と判断を幌延町や周辺自治体に十分説明し、理解と同意を得て、協定協議を行うべきである。
(6) 連合北海道の判断は、今後のこうした手順・手続きおよび締結される協定内容、国との確認行為等、10月6日に求めた内容に基づき総合判断する。
以 上