日本労働組合総連合会北海道連合会
会長 笠井 正行
連合北海道結成10周年記念日にあたって(会長談話)
東西冷戦や高度経済成長を背景に、労働運動は分裂という不幸な経験と反省を経て、多くの先人の努力で、1990年2月1日、官民の統一により連合北海道が結成されました。
永年の悲願であった労働戦線の統一に尽力された関係者の皆さん、また、この10年間、たゆまぬ努力とご協力をいただいた、産別・地協・地区連合の皆さん、そして、連合北海道に様々なご協力ご支援を下さった、道民の皆さんに心より感謝申し上げます。
振り返って、連合北海道は発足後、91年に14の地域協議会を、93年には道内212市町村を網羅する地区連合・支部連合を結成し、全国にも誇れる組織基盤を確立してきました。また、労働者の権利確立、平和と民主主義の闘い、地域活性化や制度・政策要求、国際連帯活動などにも積極的に取り組んできました。さらに、98年の第10回大会では、統一した政治方針を確立し、課題を一つひとつ克服して10年を迎えました。
組織基盤と運動の確立、勤労道民の生活向上、地域住民と連携した地域労働運動を築き上げる10年であったと言えます。
こうした成果は、各構成産別が固有の歴史的背景を踏まえつつも、常に道内の未組織労働者や勤労道民の代弁者たる役割を担うことを重視してきたこと、勤労者・生活者の立場で経済、社会システムなどの改革を求める運動を重視してきたこと、そして、統一された力を何よりも重視し、一致して協力・行動してきたことによるものです。
しかし、私たちの現実の生活や労働に目を向けると、4.8%という最悪の本道の失業率、リストラによる雇用不安、年金制度の改悪と将来への不安の高まりなど、私たちが目指す、ゆとりある、豊かな社会とはほど遠く、むしろ労働者は今、逆風にさらされています。また、政権交代可能な政治が実現していないため、自民党を中心とする巨大与党は、議会制民主主義を踏みにじる暴挙を繰り返しています。
10年前、「組織を充実・強化し、中小・未組織労働者も参加できる魅力ある連合をつくろう」「ゆとり、豊かさ、公正な社会を実現しよう」「北海道らしい連合をつくろう」と、統一大会が開催されて、その目標に向かって着実に前進して来ました。結成
10年を迎えた今、あらためて初心を忘れず、現実と未来を見つめて、労働運動の強化を再確認する必要があります。
市場経済万能主義が賛美され、強者の論理のもと弱者への犠牲強要がまかり通る昨今ですが、連合北海道は勤労道民の代弁者として、労働条件の改善、生活の安定と向上、民主主義の担い手として、労働組合の社会的役割を果たすため闘い、結成10年を機に更なる前進を誓い合いたいと思います。
連合北海道の結成10年を心から喜ぶとともに、新たな飛躍に向けて共に奮闘されんことを期待します。
以上