在日米軍再編の最終報告に対する見解
 
2006年5月8日

 5月1日、日米両政府は安全保障協議委員会において、東アジア最大の米空軍基地である「米空軍嘉手納基地」から発生する騒音軽減策として、F15戦闘機訓練の一部を航空自衛隊千歳基地に移転・分散させるなどの最終報告に合意した。
 千歳基地における合意内容は、@F15戦闘機5機が参加する訓練は1回4〜5日間で年7回、AF15戦闘機12機参加の訓練が10日間で年3回、B空自との共同訓練とし、米軍単独訓練ではない、C土・日曜日と夜間、早朝訓練は行わないというものである。

 今回の最終合意は沖縄県民が願う「在日米軍基地の整理・縮小」や「日米地位協定の抜本的見直し」につながるものではなく、基地の強化・拡大、日米地位協定の改悪につながるものであり、断じて認められるものではない。また、地元住民の声を全く無視したものである。

 今回の移転によって、地域住民は1902回とされる離発着による騒音被害によって大変な苦痛と危険を余儀なくされる。矢臼別移転演習では、「沖縄で行われていた1年間の発射数を10日間で実施」し、沖縄で行われていなかった「夜間訓練を実施」するなど「沖縄と同質・同量」との約束が守られていない。さらに、砲撃訓練に新たに機関銃などの射撃訓練を加える計画が持ち出されるなど、訓練内容はさらに拡大強化されようとしている。

 米軍基地問題の根本的な解決は、「危険の全国分散・拡大・固定化」ではなく、「米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本見直し」を確実に進め、最終的には在日米軍基地は米国へ移転・撤収するという「当たり前」のことであると確信する。
 今回の米軍再編問題に関わり、連合北海道は4月22日、沖縄嘉手納基地のF15戦闘機訓練千歳基地移転反対緊急全道総決起集会を開催し改めて移転反対の抗議を行った。

 連合北海道は、今回の最終合意に断固反対し撤回を求めるとともに、沖縄をはじめ全国各地の平和勢力と連携し、引き続き「在日米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本的見直し」の闘いをさらに強めていく。

以 上