2003年1月16日
米海兵隊の矢臼別実弾演習実施に関するコメント
 
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長  笠井 正行   
 
 1月15日、防衛施設庁から今年度の沖縄駐留米海兵隊が行う実弾砲撃訓練(沖縄県道104線越え実弾射撃訓練)の矢臼別演習について、本年9月に実施する旨の発表があった。
 
 政府は、本土移転訓練が特定の演習場に集中することのない「分散実施」を約束し、実施に当たっての「沖縄と同質・同量」を約束した。
 しかし、矢臼別演習場では米軍専用施設が拡充され、「国内5カ所の持ち回りにより、5年に一度休む」システムでの「演習の固定化」が進められてる。 また、沖縄でも実施されていない夜間訓練や、「沖縄と同質・同量」の程度をはるかに越える質・量の実弾演習がおこなわれるなど、政府が当初国民・住民に約束・説明したことはことごとく反故となっている。
 
 このような米軍の矢臼別での演習は、地域の基幹産業である酪農の搾乳などに、多大な悪影響を与え、夜間の静粛を乱して住民生活に多大な影響をもたらしている。
 また、北方領土に隣接する地での演習は、現地周辺の緊張をいやが上にも高め、領土問題の解決と言う国民の悲願達成に向けて様々な努力が行われている中で、政府自身がこれを大きく後退させるものとなっている。
 
 今日まで、北海道知事は「受け入れ難い」という基本的な考え方にたちつつ、「在日米軍基地全体の整理・縮小に向けて、国において最大限の努力を払うこと」を始めとし、演習実施についての住民の不安・懸念解消のため、7項目の諸対策を政府に要請してきたが、その後具体的な対処がなにもなされないまま今日に至っている。
 
 連合北海道は、沖縄の「痛み」を分かち合うことまでは否定していない。しかし、その絶対的な前提条件は平和と軍縮の連合方針に沿って、沖縄を含む在日米軍の整理・縮小である。
 
 われわれは、しっかりと世界の、とりわけアジアの隣人との信頼を高めるためにも、北海道知事が求める日米地位協定の改善など7項目の実現をはじめ、在沖縄米軍による実弾演習の中止など、この北海道の平和と軍縮の拡大に向けて、道民の先頭に立っていく。
                              以  上