2002年度 道予算案についてのコメント
2002年2月20日
連合北海道
1. 本日、堀知事は2月26日から開催される第1回定例道議会に提案する2002年度(平成14年度)の北海道予算案を発表した。
来年度の本予算案は、道内の年平均完全失業率が5.9%に達するなど、勤労道民の安心、安定の最も重要な基盤である雇用の危機が一段と深刻化するなか、「雇用と生活のセーフティネット」に重点的に政策資源を投入するとともに、2期目の最後の政策予算の編成期にあたることを踏まえ、「自主・自律の北海道」づくりに掲げた公約を実現することにある。
1. このため、連合北海道は昨年10月の第13回定期大会で示した「第2期堀道政の中間総括と今後の課題」を踏まえ、11月には「雇用のセーフティネット」の確立を最優先とする予算編成とすること、更には、地域医療や生活交通などの生活のセーフティネットの確立、道政改革、エネルギー政策、対外政策など、約120項目の政策課題の解決に向けての要求と提言を行い、予算編成に反映するよう求めてきたところである。
1. とりわけ、雇用・失業対策については、失業者の生活資金融資制度の改善、公共投資の縮減に対応した建設産業や212市町村ごとの地域雇用創出計画の策定支援、道庁版ワークシェアリングの実施、新雇用創出計画の策定、更には太平洋炭鉱の離職者対策などの実施を求めてきた。
1. 発表された予算では、北海道のおかれている深刻な雇用環境などに関する共通した事態認識のもとで、その積極的姿勢については率直に評価する。特に厳しい財政状況下で、雇用対策関係予算が7割り増しとなるなど、経済・雇用対策に重点的に取り組んだ姿勢がうかがえる。
しかし、雇用創出効果が高く、かつニーズの高い保健・医療・福祉部門の整備計画は従来計画の域を出ておらず、また、地域雇用創出方策で検討されている「マルチワーク」を長期・安定的で良質な雇用創出へとどう結びつけていくか、また、加速度的に増加する離職者・失業者に十分対応する雇用開発をどう実現するかなど、課題が残されている。
1. その他、僻地医療対策、地方バス関連予算、省エネ・新エネ促進など、公約に関わる課題も概ね予算案に反映されている。しかし、厳しい財政事情のもとで予算規模も小さく、21世紀の北海道づくりの政策としては力強さに欠けるとの印象を受ける。
今、北海道は、雇用はもとより、基幹産業である第1次産業をはじめとして未曾有の危機下にある。この中で堀知事は、産業間の連携を強める内発的産業育成と雇用創出にリーダーシップを発揮するとともに、政府が進める弱肉強食の構造改革に対し、地域と道民の立場から北海道の総意として安心を育む改革へと政策転換を図るよう求めるべきである。
以 上