2006年8月3日
日本労働組合総連合会北海道連合会
会 長 渡部俊弘
埼玉県ふじみ野市プール事故に関する談話
埼玉県ふじみ野市営プールで、小学2年生が吸水口に吸い込まれて死亡する痛ましい事故が発生した。最愛の我が子を失ったご家族の方々に深く哀悼の意を捧げる。
さて、事故は吸水口を塞ぐふたがはずれ吸い込まれるという、施設管理が徹底されていれば起こりえないものであった。しかも、事故発生前にふたがはずれていることが確認されたにも関わらず、その後の対処が遅れ事故につながったことは、人災と言えるものである。
ふじみ野市との委託契約を受けていた会社は、市の承諾も得ずに下請けに丸投げしており、プールの監視員もアルバイト学生で事故に対する対処方法も十分に指導されていないというずさんな管理体制であった。十分な指導もせずに委託会社に任せ、人命に関わる施設管理をしていた自治体の責任は重大である。二度とこのような悲惨な事故が起きないよう徹底的な調査と適正な予算による管理体制強化を求めるものである。
このように、行政や自治体が責任を持って取り組まなければならない課題が、適切な指導や管理も行わずに安易に民間委託に移行する状況が続けば、再び今回の事故が起こりうる危険な社会を招くことは明らかである。地域社会に対する安心・安全な行政を行うことを強く求める。
今回の事故のように、不十分な管理をするようになった原因の一つには自治体財政が逼迫していることも関係している。自治体は予算削減のため、住民へのサービスや人命に直結する分野にさえ、適正な予算を措置することができていない。それは、あらゆる分野で行われていると言っても過言ではない。それくらい地方と言われる自治体財政は疲弊している。
自治体が疲弊しているのは、小泉政権が進める「改革」が影響していることも事実である。医療費の問題や年金の問題など弱者と言われる高齢者や低所得者に対して負担を強いてきた小泉政権の悪政が自治体財政をも直撃し、人命の安全というもっとも自治体が予算を措置し管理をしなければならない分野さえもなおざりにされていることは重大な問題である。また、規制緩和や市場化テストなどによる公共サービスの委託のあり方と自治体の指導責任も明確にしなくてはならない。
連合北海道は、小泉政権が進める弱者切り捨て・地方切り捨ての改革と対峙して、地域の子どもたちや住民の命を守る運動を強力に展開していく。
以 上
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