2006年4月25日

在沖縄海兵隊のグアム移転経費負担合意に対する見解

 4月24日、在沖縄米海兵隊のグアム移転問題で、額賀防衛庁長官はラムズフェルド米国防長官とワシントン郊外の米国防総省で会談し、移転経費の総額102億7000万ドル(約1兆2000億円)のうち日本側が59%、60億000万ドル(約7100億円)を負担することで合意した。
 今回の決定は、59%という金額の詳細が明らかでなく、国民負担の具体的な説明もない。しかも、沖縄県民の負担軽減とは名ばかりで、今回沖縄からグアムに移るのは指令部要員を中心としており、実戦部隊がほぼそのまま残ることへの地元・沖縄の不安はまったく解消されず、また、軍用ヘリなどによる騒音や事故の危険の解消にもなっていない。
 実戦部隊がとどまることから、地元沖縄県民からは「犯罪や事故で市民生活を脅かしたのは実戦部隊だ。それが、撤退しなければ負担軽減の意味がない」と不満の声が出されている。
 また、同盟国の軍事施設移転に国費を投じることは、国際的に前例がない。米国の軍隊が米国内に基地を造ることに対して、日本が負担すること自体問題である。日米地位協定にはない海外の基地整備への融資を行うため、防衛庁は在日米軍再編推進法案を今国会に提出することさえ検討している。
 今回の合意は沖縄県民が願う「在日米軍基地の整理・縮小」や「日米地位協定の抜本的見直し」につながるものではなく、基地の強化・拡大、日米地位協定の改悪につながるものであり、断じて認められるのではない。また、地元住民の声を全く無視したものである。
 今回の米軍再編問題に関わり、連合北海道は4月22日、沖縄嘉手納基地のF15戦闘機訓練千歳基移転反対緊急全道総決起集会を開催し改めて移転反対の抗議を行った。
 連合北海道は、今回の合意に断固反対し撤回を求めるとともに、沖縄をはじめ全国各地の平和勢力と連携し、引き続き「在日米軍基地の整理・縮小」や「日米地位協定の抜本的見直し」の闘いをさらに強めていく。

以上
日本労働組合総連合会北海道連合会
会長 渡部 俊弘