日本労働組合総連合会北海道連合会
会長 渡部 俊弘
2005年10月19日

郵政民営化関連法案の可決・成立にあたって
郵政民営化関連法案の廃案を求める共闘会議のまとめ

1.この間、連合北海道は、民主党北海道、JPU道地本、全郵政道地本とともに、「郵政民営化法案の廃案を求める共闘会議」を設置し、この法案が地方切り捨てであり道民生活の利便性を将来的に大きく損なうことになることから、法案に反対する道民世論を盛り上げるため、当該産別はもとより、地協・地区連合の組織力を結集し、全道的な取り組みを展開してきた。そして、国会の山場に向け、7月31日には、「守ろうみんなの郵便局 道民集会」(主催:郵便局フアンの会)を開催し、大きな成功を修めた。こうした取り組みは、道民世論、国民世論を押し上げ、参議院で郵政民営化法案を否決した原動力となったものと確信する。

2.しかしながら、小泉政権は、前代未聞の解散総選挙を強行してまでも、なりふり構わず郵政民営化にのみ全力を注いできた。今国会においても、与党が提出した法案は、先の通常国会で否決・廃案となった法案に施行時期を修正したものでしかなく、総選挙圧勝の勢いのまま、強引に法案の成立に持ち込み、10月14日、参議院本会議で、「郵政民営化関連法案」が、与党の賛成多数で可決・成立した。
 世論調査などでも一貫して明らかになっている通り、多くの国民が強い関心を持っているのは、格差社会における将来不安の解消、とりわけ年金をはじめとする社会保障制度の抜本改革の実現である。にもかかわらず、こうした小泉政権の姿勢は、国民の切実な声に真摯に応えているとは言えず、大変遺憾である。

3.連合は「小泉民営化法案」に対して、@ビジネスモデルの持続可能性、A国民に対するサービス水準、B巨額な郵政資金の行方、C職員の雇用・労働条件、等の疑問を指摘するとともに、国会審議等を通じて国民に対する説明責任を果たすことを強く求めてきたが、これらの問題が十分に解明されたとは言えない。また、連合はこれまで、小泉郵政民営化法案を廃案にするため、笹森前会長と郵政労組の組合員が原告となり、法案提出行為の違憲確認などを求めて東京地裁に訴訟を提起するなど、様々な取り組みを展開してきた。

4. 郵政民営化法案は成立したが、連合は引き続き、郵政関連の構成組織や民主党とも連携しながら、真に国民の利便に資する郵政改革の実現に向けて、これまでの懸念事項について適切な対応が講じられるか注視し、必要に応じて政府に働きかけていく。また、新たに設置される「民営化委員会」の構成および運営については、利用者である様々な国民の声が反映されるよう強く求めていく。
                                  
以上