第44回衆議院総選挙の結果に関するコメント
政権交代をめざした第44回衆議院総選挙は、全国的に自民党が絶対安定多数(269議席)をも大きく超える296議席(解散前より84議席増)を獲得し、公明党の31議席(同3議席減)を加えると、衆議院の3分の2を超え、小泉自公政権の圧勝、継続という結果となった。
そして、政権交代をめざし、連合が推薦してて闘った民主党は、113議席となり、結党以来初の議席減、しかも解散前と比べ64議席も激減させての敗北となった。社民党は2議席増の7議席、共産党は現有議席の9議席となった。
こうした結果について、連合北海道は、小泉政権に終止符をうち政権交代への千載一遇のチャンスと捉えて選挙戦を闘ってきただけに、残念でならない。しかし、北海道においては、厳しい全国情勢の中、各小選挙区や比例区において混戦・接戦・激戦を展開し、前回と同様、道内全議席の過半数である11議席(小選挙区8,比例区3)を獲得したことは、候補者をはじめ、選挙戦を闘ったすべての人々で讃え合えるものである。
一方で、5区においては未来ある前職の議席を失なわせたという無念さや、11区で健闘・惜敗した若き候補への残念さは残るが、近いうちに必ずチャレンジする機会がやってくるはずである。二人とも、これから再起を期すべき民主党と、明日の新しい日本の政治を担う政治家として、常在戦場の心を持って次なるチャレンジに備えることを念願する。
今回の総選挙では、全国で7.66ポイント(共同通信社の推計)、道内では8.08ポイント(道選管速報値)と、投票率が前回を大きく上回り、有権者の関心の高さを示した。投票率の向上は、歓迎されるものである。多くの国民は、日本の政治について、不満を高め、大きく変わってほしいと願っていることは、世論調査等でも実証されている。しかし、今回の総選挙では、年金制度などの将来に対する不安を解決してほしいと願いながら、「政権交代」よりも、小泉首相の強権的・独裁的にも見える対抗馬の擁立劇や、郵政民営化に賛成か反対かという、出口のない「わかりやすさ」を改革イメ−ジに誤認した結果において投票所に動員されたと言っていい。民主党は、自民党圧勝の背景をしっかり検証し、自らの機能と役割を再構築しなければならない。
連合北海道は、民主党が決して内向きになることなく、厳しい結果を受け入れる決断と勇気をもち、今回の敗北については、明日を構想し現実を改革する原動力に転じて、一日も早い再起を成し遂げるよう期待してやまない。
最後に、この総選挙をともに戦ってくれた各構成産別、各地協・地区連合、高齢・退職者団体連合、そして組合員・ご家族のみなさんに心からの感謝と敬意を表するものである。
2005年9月12日
連合北海道 会長 渡部 俊弘