2007年9月18日

                                  
安倍首相の辞任についての見解


 1. 9月12日午後2時、安倍首相は緊急記者会見で辞任を表明した。第2次内閣改造から17日目、そして、10日に開会した第168回臨時国会での所信表明演説を行った2日後の突如の辞職表明であった。憲政史上前代未聞の無責任極まりないことである。国民の支持を失い求心力を喪失した安倍総理による政権運営が早晩に行き詰まることは、参議院選挙の惨敗の結果を見れば明らかであった。無責任な退陣による政権の「放り投げ」は、無理に無理を重ねた安倍政権と与党自民党・公明党の重大な責任である。

2. 安倍首相は辞任の理由として、海上自衛隊のインド洋での給油活動の継続のために、民主党小沢代表との党首会談を呼びかけたが受け入れられなかったことを挙げている。そしてこの局面を転換するためには、新しい総理の下で行うべきと判断したと語ったのであるが、「テロ対策特別措置法の延長に職を賭す」と公言した同じ人の言動とは思えない事態に、多くの国民は驚き失望した。

3.参議院第一党となった民主党は参議院議長を確保し、予算委員会以外の主要な委員長ポストを握るなど、法案の成否に決定的な力を有することとなった。二院制のもとで野党が過半数を握る参議院と衆議院では与党が圧倒的な数を誇る状況にある。こうした中で、民主党は第168臨時国会で「イラク特措法」の延長に反対し、「年金流用禁止法案」や政治資金規正法の問題など国民生活に密接な課題、現下の重要課題の解決に向け法案を提出する考えである。連合北海道は、それに期待したい
今回の参議院選挙の意義は、その答えは一つしかない。国民が安心して暮らせる「まともな政治」を国民の手に取り戻すことです。
 
4.安倍首相の突然の辞任より生じた国会の混乱と空白を速やかに収拾し、国内外の諸課題に対応することが求められている。与党自民党・公明党による、新しい内閣が発足するであろうが、その内閣は選挙で国民の信任を受けておらず、早期に衆議院を解散し、信を問うべきである。大きな政治の転換点の可能性を秘めた与野党激突の国会に注視したい。
 
以上