2007年5月14日

                                   
「国民投票法」強行成立に関する見解

 本日、政府・与党は参議院本会議において、国民投票法案を強行可決した。慎重審議を求める国民の声を無視し、国民に対する論点の周知が十分なされないまま、与党が絶対多数に任せて一方的かつ拙速に審議を進め、強行可決したことは極めて遺憾であり、強く抗議するものである。

 憲法改正に関わる基本的手続きを定めた憲法第96条は、その制定過程を踏まえれば、近代民主主義国家として国民主権の原理を徹底するための条項である。この改正条項に則り、改正手続きを具体化するための「国民投票法」については、その必要性の意義を認めるものであるが、その制定には憲法改正権者である国民に対して正しい情報と国民の意思が正しく表明できる投票方法の確立が必要である。各地で開催された公聴会では、慎重審議を求める声が多数を占め、国民の意思を正しく表明できる投票方法なのか疑義も多く出されている。また、憲法に準ずる高い規範性を必要とする重要法案としても審議時間が少なく、慎重審議を尽くしていない。

 国民投票法は、憲法改正を扱う極めて重要な法律である。その制定にあたっては、必要かつ十分な形で、国会における審議が行われ、国民に対して論点が公開されなければならない。その上で、国民的な議論と合意の中で制定されるべきである。

 「格差社会」が誰の目にも明らかとなっている今日、国民が一番に求めているのは雇用の安定であり、生活の改善である。安倍政権が、第166国会において国民投票法案の成立を最重要課題と位置づけ、参議院選挙において、憲法改正を争点化しようとしていることについて、重大な疑問を抱かざるを得ない。

 連合北海道は、民主党など野党と連携し、撤廃を求めるとともに、国民的な議論と合意の中で法整備が行われるよう、政府・与党に強く求めていく。

以上